2007-07-31

2006-07-05 (水) IVHカテーテルについて(2)

 最近IVHカテーテル(intravenous hyperalimentation catheter、中心静脈カテーテル)の白色ルートの方が、ヘパリン(heparin)等の通りが悪くなってきている。23時前の本日最後の点滴(抗癌剤のエンドキサン:endoxan)はTNB先生が繋ぎに来られたのだが、その時も、ヘパリンの次にカイトリル(Kytril)を注入され、かなり通りが固くなっているのを確かめられてから、改めて、やはり次回、IVHルートを新しいのに入れ替えた方が良いのではないかという話をされた。

 白色のルート(18GAの細い方の管、カテーテル)はかなり長い間、ヘパリンを通す時も逆血もせず、通りも固くなって久しい。茶色のルート(14GAで径の太い方のカテーテル)は一時逆血する様になっていたのだが、再度逆血しなくなっている。但し通りは白ルートよりは良いらしい。

 通常、逆血の有無や注入の固さで、カテーテルの詰まり具合の確認もしているのだが、『逆血』とはカテーテル内の液を注射器で引っ張ってみて、血液が静脈(venous)からカテーテル内に逆流してくる状態の事をいっている。通常、何かの点滴に繋ぐ前やIVHカテーテル内の液が固まったりしない様に、点滴等が何も無い日1日に1回ヘパリンを注入するのだが、ヘパリンが入った注射器(injector、syringe)を一旦少しだけ注入してから必ず少しその注射器を引かれる。そこで逆血を確認してから改めて残りの液を注入する。その時の注入し易さ(抵抗度合)等から、力を入れて押さなければ注入出来ない状態を『固くなっている』とナースや先生達は表現されている。血管内に挿入されているカテーテル先端の穴が血管の壁に触れて塞がっている為に流れ難くなる事もあるらしく、その場合は首をちょっと横に向けてみるとか体を少し動かしてみたりすると急に通りが良くなる事もある。ナースから聞いた話の中で、ある胸の豊かな女性患者さんで通りが悪くなった時の事、その患者さんが「胸が大きいからかしら」と言って、胸を両手でちょっと持ち上げてストンと落とした所、急に流れる様になった事があるという、笑い話に近い話もあるそうだ。

 話を元に戻すが、通りが悪くなっても(固くなっても)重要な点滴は装置を使って機械的に輸液(infusion)量と時間を管理しているので、装置を使う分には今のところ、問題は無い。ただ、まだ治療は折り返し地点であと4クール残っているし、最近そのカテーテルを胸に留めている糸も(3本の内の)1本が切れてしまった。それに加えて、カテーテルの通りの悪さである。ナースの話では、退院までに何回か交換する事はよくある事だそうだ。自分でも内心、治療の最後まで今のIVHカテーテルはもたないかもしれない、と自覚しつつも、先生から交換の話を直接されると、あの時の痛みがよみがえり、びびってしまい、返事を渋ってしまう。先生は、交換なら初回の時の様には痛くない筈です、と丁寧に説明をしては下さるのだが、もつものなら、出来るだけこのままで続けて欲しいと切に願う。

※ カテーテルの挿入(交換)方法等、詳しくは6/13の「IVHカテーテルについて」の項を参照の事。本日聞いた内容もまとめて書いておいた。

2007-07-30

2006-07-05 (水) Aコース(3回目) 01日目 Aコース始まる

 手足指先のしびれ少々。腰痛(lumbago;backache)は少々あるが、頭痛(headache)は無い。舌左側の味蕾(taste bud)の痛みはデキサルチン軟膏(Dexaltin Ointment)ケアで殆んどなくなる。便通後には、ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)でケアをし、就寝前にはラキソベロン液(Laxoberon Solution)服用して、便秘(constipation;obstipation)や痔(piles;hemorrhoids)にならない様に気をつける。今日は少し痛痒い程度にまで改善されている。

 治療開始の11時迄に、院内郵便局での用事を済ませ、リハビリ(rehabilitation)を兼ねて階段で病棟まで戻り、治療でしばらく24時間持続点滴が始まる事もあり、シャワーも浴びておく。

 今日の血液検査の結果は、PLT(platelet:血小板)は101,000と増加して、治療開始の目安となる80~100万を満たしたが、WBC(white blood cell;白血球)は1,900と減少し、目標の2,500~3,000に達していなかった。先生曰く、問題は無いので治療に入る、との事。

 今回の治療はHyper CVAD-3回目の第1日目である。11時半開始で、YM研修医がきて先ず吐き気止めのカイトリル(Kytril)を静注(intravenous injection)後、抗癌剤(anti-tumor agent)のエンドキサン(endoxan;cyclophosphamide)1時間、エンドキサンの解毒剤(antidote)に当たるウロミテキサン(Uromitexan)の24時間持続点滴、ステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)1時間の点滴が一気に始まった。午後からはソルデム・メイロン(Soldem・Meylon)の点滴が5~6時間かけて落とされた。夜中の23時前にカイトリル静注後、エンドキサン1時間点滴で本日分の点滴は終了した。

 12時よりメモリ付きの紙カップを渡され、尿量を毎回計測する様に研修医のYM先生から指示がある。これは彼女が前年居た病院でも行なわれていた事だそうだ。私の場合、Aコースの2回目の時は中止にして貰った話を伝えたのだが、結局量る事になった。夕刻回診(round)に来られたKB先生に同じ内容を話すと、計量するならばプラスチックのカップを使っていた筈で紙カップでは正確には量れないし、体重測定だけで良いのではないかという話になった。なにせ、個室についている凄く小さいトイレなので、プラスチックの計量カップを渡されたとしても今度は何処で洗えばよいか、という問題もあった。更に1時間後、これらの全ての経緯を知ったTNB先生が来られ、今回は(Bコースとは違うので)尿量計測も尿回数チェックもしなくていい代わりに、毎日の体重計測だけでよいという事に最終決定してくれた。

 更に今日最後の検温に来たUDナースにこの話をすると、血液内科では少し前から計尿を中止し、体重測定だけにしたという話を聞かされ、ひどく肩透かしを食った様な気がした。なんでもプラスティックカップでは尿中に出た抗癌剤が、いくら洗ったとしても残っているだろうし、共通トイレにある乾燥棚に付着する恐れもあるので、全面的に禁止となったそうで、必要がある時だけ紙カップを使用する事とし、蓄尿も同様な意味でしなくなったという。個室に移ってから共同トイレを使用する事がなくなっていたので、全く気が付かなかったし知らなかった。果たして先生達にこの事はハッキリと伝わっているのだろうか? 知っておられれば今回みたいな事(計尿をする・しない)は初めから起こらなかった筈なのに、なんだか先生とナースの間の連絡(申し送り)がうまくいっていないのではないかと思わせる出来事であった。何れにせよ、わずらわしく、ストレス(stress)の多い作業が少しでも減る事はありがたい事である。

【血液検査結果】7/05:
WBC(白血球数) 1,900 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.8 [g/dl]、PLT(血小板数) 101,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.2 [mg/dl]

2007-07-29

2006-07-04 (火)  リストバンドの悲しみ

 緊急入院して一番に、「リストバンド(wristband)」装着をお願いされた。

 患者取り違え手術とか医療ミスのニュースは聞いた事があったが、それを防ぐ為のものとして、患者の利き手とは反対側の手首(リスト:wrist)に薄いプラスチック製の柔らかい「腕輪」(band)をつけてもらいたい、との事。そこに印字されている患者氏名、ID番号・バーコード(bar code)と、患者本人への呼びかけ等をして、患者本人である確認をする。

 このリストバンドは原則として、一度装着されるとハサミで切らないと外せない程度に手首に軽く巻かれる。入院中は常時装着しなければならなく、勝手に外せないという事になっているらしい。外出や外泊の時は外して貰えるが、帰院後はすぐに装着する事になる。
 
 入院時に説明を受けた後、手首にこれを着けられた時、なんとなく、犬か猫になった様な気分にさせられた。また、手洗いを徹底する様に言われているのに、この手首のリストバンドは邪魔で手首が洗いにくい。

 具体的にどういう時に使われるかというと、私の入院した病院では、例えば病室で点滴や輸血(blood transfusion)等をする時、まず名前の確認をされ、投与する点滴薬等の名前と開始時間の確認をし、「バーコード・リーダー」で患者のリストバンドのバーコードを“ピッ”と読み込ませる。同様にして点滴バッグ(点滴液の入った透明な袋の事)や輸血バッグについている薬のバーコードも「バーコード・リーダー」で“ピッ”と読み込ませる。薬を持ってきたナースや先生が胸に付けている名札のバーコードも“ピッ”と読み込ませる。これであらかじめコンピューターに入力されている項目との照合がなされる。患者名と投与薬、投与時間等が一致しなければバーコード・リーダーに許可表示が出なく、患者が違うのか、薬が違うのか等が確認出来るという風になっていて、ミスが起きない様に何重にもチェックしているらしい。

 最初のうちは、名前を聞いてくれていたが、すぐに「○○さん、何々の点滴です。バーコード、お願いします。」というナースが多くなる。スーパーでの商品じゃあるまいし、せめて『リストバンド』と言ってもらえないか、とナースにお願いするが、ナースも多くおられるのでその度に一々お願いするのも次第に面倒になってくる。そのうち、ナースが『バーコードをお願いします』とリストバンドの照合をする度にしばらくは「わん!」と吠えてから応えていた。

 話はそれるが、私は入院時『食じ記録表』なるものを渡された。毎食どれ位の量を食べたか患者が記入する事になっている。【食じ】の“じ”が平仮名になっているのを見てピンと来た。『ああ、きっと【食餌】って書くんだ・・・』医学用語で食餌療法という言葉があるが、【食餌】と書かれると“エサ”という字から多分入院患者の食事は犬猫扱いのエサかと思ってしまう人もいるのではないかと思う。そうでなくてもやはり【食餌】と書かれたらいい気はしない。そこを考慮してあえて平仮名にしたのだろう。

 患者取り違えや薬の投与間違いを防ぐのに有効な手段とは理解出来るが、こうしてリストバンドを付けているとやはりなんとなく犬か猫の様に首輪を付けられた様な気がしてくる。

~~~~~~~~~~~~~~~~
 今回外泊する時、エレベーターでナースに会い、「せっかく外泊するのならリストバンドを外しましょう、帰院されたら、またご連絡下さい、新しいのを用意しますので。」と言って、ハサミで切ってくれた。入院以来初めて外して貰ったので、小さな事だと思われるかもしれないが、とても嬉しく開放された気分になった。

 帰院後、治療開始に備えて新しいリストバンドをナースが持って来、装着する事になった。「どれ位のきつさが良いですか?」と巻き具合を訊いてきてくれたので、自分で少々手首に巻いてみて、嵌まっているがちょっと頑張れば手首から抜く事が出来る程度の所(ゆるさ)で留めて貰う事にした。平生は付ける様に心がける事にするが、これで手洗いやどうしても外したい時に自分で外す事が可能になった。


 写真の1つは手首に着ける直前の状態で、これを巻いて長さが調節出来た所でプラスティックのストッパーでカチッと留め、残ったバンド部分をハサミで切り落としてリストバンド装着完了となる。外す時には長さ調節のバンド部分にハサミを入れなければならず、ストッパー部分は一旦留めると外せない様な構造になっている。

2007-07-28

2006-07-04 (火) Bコース(2回目) 25日目 入院100日目 外出 

 11時過ぎ、院内のコーヒー店でケーキを買ってから外出許可書を持ってタクシーを拾い、帰宅する。母とカツサンドや三角サンドに、コーヒーを入れて昼食をとる。そして紅茶を入れて3時のおやつタイムを母と楽しむ。入院してから私もそうなったが、母は良くおいしそうなケーキが食べたい、と言う様になっている。その他には、今日も会計等の雑用を母に代わって済ませる。後、久々にピアノを弾いてみるが、指が全然動かなくなっていた。情けないが、これも仕方がないか。19時前、夕食をとるが、今日の母はしんどいらしいが、ご機嫌は良さそうだった。

 帰院後、舌左側の痛む所にデキサルチン軟膏(Dexaltin Ointment)でケアをする。それにしてもデキサルチン軟膏はステロイド(steroid)入りと聞いたが、良く効く薬の様だ。昨日から使い始めたばかりなのに、今朝の時点で痛みはかなりひいていた。

 今日で入院100日目、明日から、Aコース治療開始。化学療法(chemotherapy)の、こなさなければならない(予定されている)コースを丁度半分終えた事になる。

2007-07-27

2006-07-03 (月) デキサルチン軟膏

 デキサルチン軟膏(Dexaltin Ointment)(0.1%、5g、日本化薬)について、以下に箇条書きする。

・ 口腔粘膜疾患治療剤である。

・ 有効成分はデキサメタゾンで、副腎皮質ステロイド(adrenocortico steroid)外用剤。

・ 1日1回~数回塗布。

・ 効能は、難治性口内炎(stomatitis)、舌炎(glossitis)に有効な副腎皮質ホルモン(adrenocortical hormone)剤。痛みを伴なう様な口内炎に効果がある。

・ 副作用は、口腔の感染症(infection)、過敏症(oversensitivity;hypersensitivity;anaphylaxis)等が現われる事がある。口の中に細菌(bacterium)や真菌(mycosis) (特にカンジダ菌candida)が繁殖する事がある。

・ この薬(軟膏)は唾液で濡れていると付き難いので、患部(the affected part)を乾かしてから薬を塗る様にする。粘膜にくっ付き易い様に出来ているそうだ。

次に、この薬に付いていた「口腔用デキサルチン軟膏のつけかた」を転記する。
1. まず、手を洗い、指先を清潔にする。
2. 口の中をすすいできれいにする。
3. 患部を薄く覆う程度の量のデキサルチン軟膏を指先にとる。
4. 指先に取ったデキサルチン軟膏を患部にすり込まない様、静かに伸ばす様につける。
5. デキサルチン軟膏をつけた後、唾を吐いたり、うがいをしない様にし、つけた後30分位は飲食を控える。
6. 食後や就寝前につけるのが効果的である。
7. デキサルチン軟膏をつける回数は症状によって異なるが、1日1~数回つける。
8. つけた所からはがれたデキサルチン軟膏を、飲み込んでも体に害は無い。
9. 使用後はチューブの口、及びその周辺に付着した軟膏を拭き取った後、キャップを閉めて保存する。
※デキサルチン軟膏をつけた後で、何か異常があったら先生に報告する。また、先生から特別に注意された事を守るようにする。

2007-07-26

2006-07-03 (月) Bコース(2回目) 24日目 

 手先指先のしびれ少々。6月28日頃より、歯を磨くと少々出血する事がしばしばある。口内舌左側の痛み、更にひどくなって痛む。ヨーチン(ヨウドチンキ:iodine tincture)はきつ過ぎた様だ。先生に話すと、午後にデキサルチン軟膏(Dexaltin Ointment)を処方される。早速、昼と夜の2回、口内ケアをする。

 今日もナースに胸から出ているカテーテル部分に防水シールをして貰ってからシャワーを浴びる。階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)、3回。ついでに院内郵便局へ寄る。便通は2回あり、ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)ケアをする。ラキソベロン液(Laxoberon Solution)15滴。

 IVHカテーテル(intravenous hyperalimentation catheter、中心静脈カテーテル)のコネクタは糸で胸に3箇所縫って留められているが、その内の1つが切れてしまった。先生に伝えると、メインの糸は切れていないので、このままでも大丈夫かも、と言う事で、ちょっとホッとする。という訳で、糸2本で留まっている。化学療法(chemotherapy)はAコース&Bコースを合計4セット繰り返すので、丁度今が折り返し地点なのに、治療の終わりまで持ってくれるだろうか、と不安である。

 それともう一つ、採血結果は今一つで白血球(WBC;white blood cell)数も血小板(PLT:platelet)も増えなかった為、治療は水曜日まで待って、開始する事となった。恐らく、水曜日にはもう少し増えているだろうという期待を込めてのものらしい。これ以上に増えなくても(見切り発車で)治療に入るらしい。理想としては治療開始の目安はWBCが2,500~3,000、PLTが80,000~100,000である。

 夕刻になってから水曜日からの治療予定表を貰う。明日は何も治療予定が無く折角なので、外出許可を貰う事にする。しかし、本当に細切れにしか外泊許可(exeat;overnight)が出ないのが辛い。結果としてなのだが、今回は1週間近くも治療の狭間があった。初めから少なくとも2泊とか3泊とか、連泊で外泊許可が出れば、職場のあるK市の部屋にも行けたかもしれないのにと、つい思ってしまう。

 電車等の人混みの多い公共機関は感染(infection)する恐れがあるので使わない様に出来るのなら、行っても良いと先生には言われている。また2カ月程前の話になるのだが、車の運転について質問した時、とにかく免疫抵抗力が弱まってきている事に一番注意して欲しく、それが守られているのなら別に運転自体はしても大丈夫という話だった。しかし、TNB先生は月・水・金とある採血を外泊によって外したくない(延期したくない)様な事を言われる。その為、今迄どうしても1泊以上の許可を出して貰えない。それがとてももどかしく思う。

【血液検査結果】7/03:
WBC(白血球数) 2,100 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.6 [g/dl]、PLT(血小板数) 71,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.2 [mg/dl]

2007-07-25

2006-07-02 (日) 爪の変化

 迎えに来てくれたYちゃんに、デジカメを持って来て貰い、手の爪の画像を撮って貰う。私はデジカメを持っていないからである。5月中旬に日記に書いた爪の状態(爪半月の上に白い一本横筋が出来ていた)が更に変化して、筋が更に1~2本増えているのだ。どうやら、Aコース、Bコースと化学療法(chemotherapy)が1クール(Kur;course)終える毎に1本筋が増えていく様だ。

 最初に爪の異変に気が付いたのは4月15日頃で、白い爪半月(そうはんげつ:lunula)の色が抜けてしまっていた。治療が終わると再び爪半月が現われてきたが、2クール目も中盤の5月5日頃、またもや爪半月がぼやぼやっと薄れてきたのを記録している。この爪半月が再再度現われた時(5月中旬)、爪半月の上に1本白い横筋も現われたのである。親指の爪ではハッキリしていなかったが、中指と人差し指には綺麗に1本横縞が見えていた。

 今日Yちゃんに撮って貰おうと思ったのは、私がデジカメを持っていない(携帯ももう古くてメール機能もカメラ機能も付いていない)のが大きな原因だが、爪半月の上に白い横縞が2本に増えていたので、将来、闘病記録をまとめる事があるとしたら、描写のみでなく、実際の写真があった方が分かり易いかと思い、お願いしたのだ。

 ところで足の爪はというと、現在もまだ爪半月が消えた状態で、ハッキリ見えない状態である。手の爪より成長が遅いせいもあるかもしれない。

 更に追記になるが、4クールを終えた7月6日には、白い横縞がぼんやりと見えるのも含め3本になった。1クール遅れで1本ずつ増えていくみたいだ。縞の太さ(幅)は爪の先端に行く程、細くなっている。

2007-07-24

2006-07-02 (日) Bコース(2回目) 23日目 帰院

 今朝も茶粥を作り、母と朝食。午後は母の事務的仕事や雑用を済ませる。母の気になる仕事を少しでも片付ける事で、少しでも気が楽になってくれたらばと、いつも心配をかけている、せめてものお礼のつもりである。もっと色々してあげたいが、いつも一泊限りの外泊許可で、時間が足りない。
 
 舌の左側に一箇所、痛い所がある。味蕾(taste bud)が1個やられてしまったらしいと母に話すと、ヨーチン(ヨウドチンキ:iodine tincture)を塗ったらどうかと母に言われ、薬箱から探し出して綿棒で付けてみたが、結果、かえって悪化させてしまったみたいで更に痛くなった。ケアのつもりで計3回も塗ったのだが、念入りに塗り過ぎたのかもしれない。

 今日は幼馴染のYちゃんに迎えに来て貰い、ちょっとデジカメで爪の写真を撮って貰ってから、病院まで送って貰う。

 帰院後の体温は36.4℃、血圧は101-57で、異常なし。ロキソニン(Loxonin)は本日計2錠服用した。便通は昨日も今日も2回ある。こう快便だと気持ちが良いが、今回はまだ肛門が完全回復していない為、帰院後に、ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)のケアをし、ラキソベロン液(Laxoberon Solution)も服用しておく。

  陽に当たらない生活をしているが、赤血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)のせいか、体色は白くなる事はなく、なんだか益々全体に黒くなってきた気がする。もちろん健康的な色ではなく、病的な色をしている。頭髪も眉毛まつ毛も殆んど抜け落ちてしまって、益々惨めな(貧弱な)顔になっていく。憂鬱になるので、帽子は目深にかぶり、脱ぎたくないし、脱いだ所を人に見られたくない。

2007-07-23

2006-07-01 (土) Bコース(2回目) 22日目 二度目の外泊

 今朝は雨でとてもだるい。母もだるいのだろうか。外泊許可(exeat;overnight)を得ているので、10時に病院を出、タクシーで帰宅した。そして、兼ねてからの約束の、母の毛染め(hair dyeing)をする。どんな事があっても絶対今日シャワーを浴びると、気合が入っていた母の頭は、かなり白髪が目立つ様になってきている。私が入院してしまったので、もうずっと染めていない。母は体力が極端に無くなってきているので、出来るだけ短時間で染めて、シャワーの用意をする。シャワー直前に母の体重を量るとなんと40kgをはるかに切って35.5kgだった。とても痩せている。シャワー椅子に座って貰い、何回も何回も母が満足するまで頭を洗ってあげ、体は出来るだけ素早く洗ってあげる。シャワー後、横になって休んで貰い、昼食の用意をする。母はいつもそうだが、今回もシャワーで「幸せな気分になった」と喜んでくれた。

 午後は私が車を運転するのを母が心配するので、タクシーで出、母に喜んで貰いたくて、母の好物の食材を買いにまわり、夕食を用意する。母はもっと食べなければならないと思う。ちょっと痩せ過ぎだ。炊事はたまの外泊時にはいい気分転換になる。それに母が喜んで食べてくれるのなら、少々無理しても、治療が始まれば点滴の管に繋がれ自由が利かなくなるので、ベッドで寝るのも仕事と思って、つい張りきって色々作ってしまう。多く作った分は、母がいつでも食べられる様に小分けして冷凍しておく。単調な病院食の気分転換様のおかずに、自分用にも少しだけ持っていく事にした。

  ところで、本日、私の先輩患者に当たるISさんが仮退院された。彼女は入院当初大部屋で一緒だった急性リンパ腫(lymphoma)の患者さんで、私より約1クール(Kur、course)位、治療が先行しており、順調に治療コースを終えて来られていたが、急に治療成績が下がり(というか、血液の値が十分に上昇しない状態)、血球を作るのに副作用がある薬を減らしたり、止めたりしておられたが、どうしても次の治療開始に移れず、2週間程、自宅療養をして様子をみる事になったという。その為、私はいつの間にか彼女と同じBコース2回目終了と、治療が彼女に追いついてしまった事になる。彼女の心配材料の一つに、(何の病気かは忘れたが)以前入院した時、輸血(blood transfusion)によるB型肝炎(hepatitis B)になったか、そのキャリア(carrier)になってしまったそうで、そちらの治療薬を一旦中止している事だと言っておられた。少し不安そうな感じが表情にあったが、明るく退院されていかれた。無事に血球を増やして戻ってきて欲しいと思う。

2007-07-22

2006-06-30 (金) ネリプロクト軟膏

 ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)外用2g(Made in Italy、製造販売元インテンディス大阪)について、以下に箇条書きする。これはステロイド(steroid)含有薬である。

・ 痔(piles;hemorrhoids)疾患治療剤、1日2回肛門注入。

・ 成分名は吉草酸ジフルコルトロン・リドカイン

・ 効能は、痔核に伴なう症状(出血、疼痛、腫脹)の緩解剤。吉草酸ジフルコルトロンとリドカインの配合により、即効的かつ持続的効果を示す。
 ※ジフルコルトロンはステロイド薬の一種で腫れをひく強い作用がある。
 ※リドカインは局所麻酔(local anesthesia)作用があり、痔の痛みやかゆみをとる。

  副作用は、皮膚や陰部の真菌症 (カンジダ症candidiasis、白癬trichophytosis等)。長期又は大量使用により、副腎皮質(adrenal cortex)系機能の抑制等が現われる事もある。局所に感染症(infection)又は真菌症(mycosis)がある場合は原則として使用しない。

2007-07-21

2006-06-30 (金) Bコース(2回目) 21日目その2 初めての消化器外科受診

【※ 今回は痔の診察に関する記事なので、興味本位では読まないで欲しい。こんな事は恥ずかしくて、本当は載せたくなかったが、同じ症状で治療中に痔で苦しむ人が結構いると聞いた為、私同様の女性に限らず、きっと悩んでいる人や不安な人もいるだろうし、何かの参考か情報、キッカケにでもなればと思い、敢えて載せる事にした。但し、診察の方法等はきっと病院や先生毎にやり方が違うと思われるので、あくまでも参考、として読んで頂きたい。】

 歯科の結果が大丈夫だった為、6/27の先生との約束通り、消化器外科を受診する事になった。前の晩から絶食(nothing by mouth)とか、或いは浣腸(enema;clyster)をされてから診察を受けるのか、等と思っていたが、そんな指示は前日も当日朝も一切無かったので、どうするのだろうと不安を覚えながら予約時間の10時半に診察室へと向かった。

 名前を呼ばれて恐る恐るおずおずと入ると、とてもやさしそうな、感じの良い、しかし男の先生に、にこやかな顔(爽やかとも言える程の笑顔)で診察室に招き入れられた。確率的にも女医に当たる可能性は少ないとは覚悟していたが、やはり。。。

 さて問題の痔(核)(hemorrhoids;piles)の診察であるが、問診(inquiry)と触診(palpation)があった。問診では、白血球(WBC;white blood cell)が少なくなって以降の、健常時たまに悪化した痔の時とは全く違う痛さ、感覚、症状を出来るだけ詳しく説明した。そして、診察を受けるからにはもう2度と起こらない様に切り取るなりなんなりして完全に治療して欲しい旨を伝えた。

 触診ではナースが介添えしてくれたが、もう嫌で逃げ出したく、ガチガチになっていた。今朝は便通がまだですが、と伝えてみるが、「大丈夫ですよ」との事。ナースから背を向けて横向きに丸くなって診察台に寝て下さいと言われ、言われる通り横になって丸くなるとナースにお尻をちょこっとだけ出された(自分で見た訳ではないので感覚だけの感想になるが、思ったよりは露出度は小さく、必要最小限だけ服を下ろされた)。それでももう羞恥心で消えてしまいたい位のストレス(stress)である。「(確か、顎を出して)口を開けて下さい、口を開けると肛門がリラックス(relax)した状態になりますから」とナースに言われたが、口を開け様としても緊張しまくりで余り開けられず、肛門はしっかり締まっている感じである。頭の中は混乱していて『恥ずかしい上に、なんでそんなアホなポーズをとらなあかんねん??』という言葉が渦巻いている。その上、今回は治療中にかなり痔をこじらせてしまったのか、白血球が増えた現在もまだ全快しておらず、腫れ(swelling)が引いていない。ナースに大丈夫ですから力を抜いてと言われ、先生には「痛そうですね、痛いでしょう」と声を掛けられながら、多分キシロカイン(Xylocaine)といった経皮(endermic、transdermal)麻酔剤を塗られていたとは思うが(終了後ナースがササッと拭いてくれた気がする)、まだ腫れている患部(the affected part)に指を入れられ、(自身の感覚としてはその指を)ぐるりと一回転され、これが跳びあがる程痛く呻くと、「もう終わりましたよ」と先生。ほんの一瞬で終わった。

 私は外側に突き出た痔核の様なものがあり、ひどい時は排便時に少々出血が見られるので内側にはポリープ(polyp)があると思っていたが、先生の説明は次の通りだった。

 先ず、いわゆる『いぼ痔(blind piles)』は内痔核(internal hemorrhoids;internal piles)と言い、痔核は血栓症みたいなものらしい。私が内側に出来ていると思っているのはポリープではなく、この内痔核だそうだ。次に『切れ痔(bleeding piles)』は裂肛(痔裂:anal fissure)と言い、この裂け目をカバーしようと(裂けた傷を覆おうとして)皮膚が伸びてきて、その結果、出来た物が『皮膚垂』となる。女性に多い症状という。私の場合、痔核かと思っていた、外側に飛び出ている部分はこの皮膚垂に当たるそうだ。以上専門用語の違いを、図示して丁寧に説明して下さった。

 さて、私が希望した手術の件だが、手術が必要なのはこの皮膚垂が大きくなり過ぎて肛門の内側部分までが突出してしまう『脱肛(anal prolapse;prolapsus ani)』の場合であるが、私のはそこまでひどくないらしい。つまり手術の必要はないと言われる。内部の痔に関しては、外側がまだ腫れているので、それが治まってからでしか詳しく診る事が出来ないので何とも言えないという。専用の器具で肛門内部を直接診るそうだ。つまり、もう一度診察を受けなければならないという事か。。。(嫌や。。。)

 取り敢えず、次の化学療法中には痛みをやわらげる成分の入ったネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)と、非常に痛む時用の痛み止めとして座薬(suppository)を処方する様に私の主治医に伝えるとの事だった。今まで使っていた強力ポステリザン軟膏(Posterisan forte)も一応痛みをやわらげる成分は入っていたらしいが、私の痛みに対しては全然効かなかった。疼痛時の座薬に関しては、恐ろしく痛みに苦しみ、一番ひどい時はロキソニン(Loxonin)も余り効かなかったので、そういう座薬があるのなら心強いと思う。しかし入院当初の便秘(constipation;obstipation)気味の折、下剤(cathartic)をお願いした時、イチジク浣腸といったものと勘違いされ、血液の病気の患者さんは浣腸によって万が一肛門内を傷付けては大変(出血が止まらなくなる危険性と感染infectionの危険性がある)だから処方しない事になっているといわれた話をすると、全然危険でも危なくもありませんから大丈夫ですよ、とまた爽やかに微笑まれておられた。痔等の診察は、恐らく嫌がったり尻込みしたりする患者さんが多いと思われるが、それに対して、出来るだけ不安を与えない様に、緊張をほぐす様にと配慮してのものかもしれないが、何故消化器外科を選ばれたのだろうかと、つい聞きたくなった。

 夜になって便通があった。処方されたネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)外用でケア開始する。取り敢えず、痔の痛み等が治まるまでケアは続け様と思う。また便通の為に今晩もラキソベロン液(Laxoberon Solution)を服用する。しかし、疼痛時の座薬はやはり『危険だ』と言う理由で処方される事はなかった。

2007-07-20

2006-06-30 (金) Bコース(2回目) 21日目その1 マルク

 手足指先のしびれ少々、喉少し痛い?舌の左側面中央の味蕾(taste bud)が一個赤くなり、痛む。シャワーは朝一番に浴びておく。

 マルク(Mark:骨髄穿刺;bone marrow puncture)は11時からTNB先生立会いの下、YM研修医によって行なわれた。よく麻酔が効いたせいか余り痛くなかったが、消化器外科受診にマルクと、非常に緊張する事が続き、施術後は疲れて一日中ベッドにダウンする。

 夕刻、骨髄穿刺結果(フローサイトメトリー:flow cytometry)は、今回も異常無しとの事。早速母に報告の電話を入れ、明日外泊許可(exeat;overnight)を得た旨を伝えた。

 先生は、血液検査の結果で、血小板(PLT:platelet)の上がり具合が悪いので、次の治療開始時期は来週に見送ったと言われた。血小板は治療開始には最低8万位欲しいそうである。白血球(WBC;white blood cell)が減ったのは、6/26よりも減っている点についてはノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射を止めたせいで、注射で無理やり増やしていた分のWBCが減ったのでは、と説明を受ける。前回と比べると、今回は私も増え方が悪い気がするが、これは(先生がよく使われる表現で言うと) 骨髄(bone marrow)が疲れてへばってきているせいなのかと訊いてみると、ノイトロジンで急激に増えたWBCの内、値が落ち付かないうちに次の治療を始め、正常なWBCも一気に叩いた(殺した)為、少し立ち上がりが悪いのではないか、といった様な説明をしてくれた様に思う(メモを取りきれていない)。なんだか疲れていたせいもあってか、よく理解出来なかったが、複雑な事が私の体の中では起こっているらしい。

【血液検査結果】6/30:
WBC(白血球数) 1,800 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 8.0 [g/dl]、PLT(血小板数) 33,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.6 [mg/dl]

2007-07-19

2006-06-29 (木) Bコース(2回目) 20日目 帰院

 前回外泊時は私が母の為に作ったのだが、今朝は長姉が茶粥を作ってくれ、3人で朝食をとる。食後に今日シャワーを浴びないかと聞いてみるが、しんどいそうで、止めになった。長姉が来ている(家にいる)ので、断るのではないだろうかと何となく思っていたが、浴びる気にはならなかった様だ。ヘルパーさんも毎日午前・夕方と来てくれているので、シャワーを頼めば浴びられる筈なのだが、ずっと以前、長姉が上洛した時にも一度姉の介助でシャワーを浴びた事がある筈なのだが、結局ヘルパーさんにも姉にもシャワーは頼まず、時々濡れタオルを頼んで体を自分で拭く、頭はドライシャンプーをヘルパーさんに頼むのみで過ごしている。私に頼むのが一番、色々な意味で母にとってよいらしい。しかし近年はどうしても体力が無い、しんどいと言って、いくら勧めてもシャワーを浴びる事が無かった。少しでも気分の良い日には、頼んで浴びる様にすれば良いと思うのだが。

 今日、東京へ帰る長姉がまた外食に連れ出してくれる。混雑する時間帯を避けて、遅昼で出発し、焼きたてパンの食べ放題のお店でランチをする。食べ放題というのに弱い私は一杯パンのおかわりをしてしまったが、大満足である。

 行くかどうか直前まで随分悩んでいたが、今、美術館で催されている『藤田嗣治展』に行き、久しぶりに絵画鑑賞をしてきた。というか、長姉と相談して、感染(infection)の危険性を考えて行っても良いものかどうかお互いに悩みつつ美術館の前迄行き、そこで更にしばらく2人で悩んでから、外泊許可(exeat;overnight)も出ているし、マスクは2重にしているし、人も少なそうに見えたので、具合が悪くなったらすぐに出るという事にして、入場した。

 疲れるといけないからと、長姉が私を車椅子(wheel chair)に乗せ、押してもらいつつ鑑賞した。この車椅子は完全に人に押してもらうタイプで、自分で動かす事の出来ない形のものであった。TVでも宣伝していたが、以前、口腔外科へ行った時の帰り道、とある廊下の窓口にポスターが貼ってあるのを間近で見てから、出来れば行きたいなぁと思う様になっていた。彼の絵は何回か観た事はあるが、もしかするともうこんな機会は二度と来ないかもしれないと思い、思い切って長姉に頼んでみた甲斐は十二分にあった。猫の描写の可愛らしい事と、女性のあの肌色は、ポスターの中でもTVの画面でも再現は出来ておらず、唯一実物でのみ体験出来る感動の色、なんとも美しい色合いの不思議さであった。

 しかし、大好評の絵画展だけあって平日にもかかわらず、館内は予想外に人が多く、それだけでも大変だったのだが、車椅子から鑑賞する等、もちろん初めての事で、長姉も車椅子を押すのに慣れていない事もあって、しょっちゅう壁や角にぶつかったり、他のお客さんの足にぶつかりそうになるので足元に冷や冷やして緊張するわ、絵画を見上げるのに次第に頸が痛くなってくるわで、改めて美術館の絵画の配置は大人が立って鑑賞するのに丁度良い高さになっている事を痛感した。絵からある程度離れて観れば首も痛くならない事は分かっていたが、なにせ人が多いので離れると車椅子の高さからでは人の背に隠れてしまって絵が良く見えず、最前列まで近付くと見上げる角度が非常に大きくなるので頸が痛くなる。今迄車椅子で鑑賞している人を見かけても、特に何も思わなかったが、本当に色々と大変な事が多いと、その身になってみて初めて分かった。長姉とはこの美術館で別れ、東京へ戻っていったが、姉も疲れたのではないだろうか。でも美しい絵を観られてとても嬉しく、付き添ってくれた姉に感謝、感謝。

 タクシーで帰宅し、母にも絵画展が素晴らしかった事等を話していたが、たかだか3時間強の外出だったのに、恐ろしく疲れているのが分かり、母にも勧められ、昼寝をする事にした。頸を中心にひどく疲労している。

 不思議な事だが、本日は便通が3回もあった。やはり外泊時はスムーズに、しかも大量に便通がある事が多い。食べ過ぎ? それともリラックス(relax)するせい? まだ肛門の具合が完全ではないので、強力ポステリザン (Posterisan forte) 軟膏でしっかりケアをしておく。結局、今日は疲れや頸の痛みも重なった為、ロキソニン(Loxonin)は朝と夕方の計2回服用した。

 母との夕食後、洗濯物等の荷物をまとめ、時間まで母とお話等した後、頼んでいたYちゃんに病院まで送って貰い、消灯ぎりぎりの21時40分帰院する。血圧(blood pressure)は127-81、体温(body temperature)は36.3.℃で異常なし。今回の外泊の教訓は、『無理は禁物』である。入院も長期に渡ってくると、体力の消耗、減退は自分が考えている以上に進んでいるらしい。

2007-07-18

2006-06-28 (水) Bコース(2回目) 19日目 外泊

 手足指先のしびれ少々。肛門の痛みは減少するが、今回はまだひどく腫れている。朝の回診に来られたTNB先生からは消化器外科は金曜日の予約でよいかと聞かれた。そして、次の治療のAコースも痔(piles;hemorrhoids)の傷が治ってからの方が良いだろうと話された。痔の診察というのは消化器外科で診て貰うものらしい。もう逃げられない、あきらめて診察を受けるしかない。ううっ、嫌だ。。。

 恒例の採血があり、結果は、血小板(PLT:platelet)が輸血(blood transfusion)ぎりぎりの値だったのだが、予定通り外泊許可(exeat;overnight)を出して貰えた。昼に珍しく姉が二人揃って迎えに来てくれ、そのまま車でステーキ屋へ行き、姉妹3人でランチをとる。なんだか嬉しい。元気な頃はステーキといえば焼き加減はレアで、というのが定番だったが、今は生焼けのものや刺身等、生もの禁止なので、しっかり火を通したウェルダンで頂く。ちょっと味がハッキリ分からない所もあったが、おいしく頂けた。

 帰宅すると、母は眠っていた。この所ますますしんどく痛いみたいだ。次姉は母を起こさずそのまま帰宅したが、幼馴染のYちゃんが顔を見せに寄ってくれ、白血病(leukemia)の少女が出てくるお話の絵本を貰う。題名は『チャーリー・ブラウン なぜなんだい?』。アニメにもなっていたそうだ。それにしてもピーナッツからこの様な本が出ていたとは知らなかった。きっと治る、というエールを込めた贈り物で嬉しい。図らずも白血病に罹ってしまった子供の為にもこの絵本はとっても良いだろうと思う。何より、大好きなスヌーピーが出てくる所がいい。ありがとう、Yちゃん♪

 その後はお昼寝から目覚めた母と色々お話をしたり、病院から持ち帰った衣類の洗濯やその片付け等をして過ごす。夜は母と長姉の3人で、母の部屋で夕食をとる。料理上手の姉手製のスパゲッティである。これまたおいしく頂くが、母はますます食べる量が減ってきた気がする。就寝後の午前2時前頃、何やら物音がするので心配で母の部屋へ見に行くと、母、大汗をかいて眼が覚めたという。着替えを用意し、体を拭いてあげる。こんな夜がよくあるのだろうか? そばに付いていてあげられず、私の病気の事で心配かけてしまって。明日は、母の体調が良ければ約束通りシャワーとそれに毛染めもしてあげたいと思う。

【血液検査結果】6/28:
WBC(白血球数) 2,900 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 8.5 [g/dl]、PLT(血小板数) 27,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 1.2 [mg/dl]、好中球数1,914個.

2007-07-17

2006-06-27 (火) 歯ブラシ事件

 移植(transplantation)に備えて歯も悪い所が無いかしっかり検査しておこう、と言う事で口腔外科(歯科)を受診し、歯磨き指導を受けたのだが、参ったのは、歯ブラシ(toothbrush)だった。

 私は犬歯(canine;dens caninus)が牙の様に出ていて歯並びが悪いのだが、指導員の予想に反して、私が綺麗に磨いていたものだから、持って来る様に言われていた自分の歯ブラシで磨ける所は合格点であった。磨き残しは、歯ブラシの届き難い窪みがある犬歯の所(叢生歯:crowded teeth「そうせいし」と読むらしい)で、「ふで型ハブラシ」というものを使って歯並びの凸凹している隙間の所の磨き残しを落としていくのを私の歯で実演してくれた。そして通常の歯磨きで落としきれない部位は、この特殊な形をした歯ブラシを使用して落とす様にと指導された。

 歯磨き指導の終わりに、その歯ブラシは購入してくれと言われた。てっきり貰えると思っていたので、今日使用した歯ブラシはくれないのかと聞くと、「これは消毒(disinfection)して次の人の時に使うので渡せない」旨を言われ、その時初めて使い回ししている事を知り、驚くと共に非常に気色悪い思いをした。

 余りのショックにその場では何も言葉が出ず、病室へ戻ったのだが、どう考えても理解出来ない。さして高い歯ブラシではないのだから、患者に買い取らせれば良いのに、何故使い回しをするのか、洗浄する手間賃の方が下手をすると却って割高になるのではないか? それに消毒と言うが、ブラシの部分は一体どの様なたぐいの消毒をしていると言うのか、乾熱滅菌(dry heat sterilization)等したら溶けてしまうだろうし、オートクレーブ(autoclave)? 薬品を使う? どんな方法を使うにせよ、他人の口の中に入ったものを使い回すとは、大学病院とは思えない無神経さである。口内なら、出血する事もある。血液から感染(infection)するウイルス(virus)や病気は色々ある。いくら消毒したと言っても、本当に全部菌が殺されているのかどうか、(知識がないせいもあるだろうが)俄かには信じがたい。

 この事を回診に来られたKB先生に話して訴えてみたが、先生も使い回しの事実は驚かれていた。消毒の件は多分薬剤に浸す方法ではないか、と言われる。殺菌力はしっかりしているのか等を聞くが、やはり気持ちが悪い。先生も改善すべき問題として聞いて下さるが、何故こんな事がまかり通っているのかと聞いてみると、恐らく今まで患者さんの方で気付く人がいなかったからではないだろうか、と推察された。

 何とかならないかを聞いてみるが、科が違うので、他科の者(KB先生自身)が口を出すとちょっとまずい事もある(角が立つ?) 可能性があり、それよりはご意見箱といったものがある筈なので、そこへ投書してみたらどうかと言われる。投書箱による患者さんからの直接の言葉の方が直接上層部に迄声が届く効果があると思われるからだそうだ。それならば、偶然ではあるが、ここの病院長は私が入院している科の教授でもあるので、2週間に1回ある教授回診の時に直訴してみましょうかと聞くと、「いやぁ~、それは、・・・??・・」とかなりひかれてしまった。それではご意見箱とやらは、どこに設置されているのかと聞いてみるが、確かにどこかで見たが、聞かれるとどこだったか思い出せない様で、また分かった時にでも教えて下さいとお願いしておいた。

 もしまた口腔外科(歯科)受診という事がある場合、歯磨き指導等があれば、もう絶対自分の持っていった歯ブラシ以外は拒否しようと思う。はっきり言って、これは新聞沙汰になってもおかしくない事件だと私は思っている。

※ 後日談になるが、この訴えは最終的には口腔外科に伝わり、現在はもう歯ブラシの使いまわしは行なわれていない。その詳細は、また次の機会に。

※ 追記(060714)

2007-07-16

2006-06-27 (火) Bコース(2回目) 18日目 歯科受診

 手足指先痺れ少々。肛門の痛みはまだ治らず、軽く出血しているが、痛みは随分と治まって、薬を飲まなくても我慢出来る位になった。白血球(WBC;white blood cell)が更に増えているのだろう、白血球って凄い! 便通は丸2日(48時間)無く、ご飯の量や間食も減らしてみているが、体重は増え続けている。但し、脚はむくんでいない。階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)は今日も3回する。夕食前に2日ぶりに便通がありホッとするが、今晩もラキソベロン液(Laxoberon Solution)を服用しておく。昼前にシャワー。IVH(中心静脈カテーテル)コネクターの交換がある。

 白血球(WBC;white blood cell)が増えてきたお陰で、今朝から食事は加熱食から化療後食になり、朝食は茹で野菜から生サラダへ、果物ジュースパックから生のフルーツへ戻った。小さな事だが、嬉しい。

 歯科(口腔外科)受診は午前と午後の2回に分けてあった。歯科は外来棟迄行き、午前は20分程受診待ちしてからの診察、その後、歯のレントゲン(X-ray)撮影をしてから一旦病室へ戻る様に言われた。午後は歯磨き指導があるので歯ブラシ(toothbrush)を持って来て下さいと言われていたので、昼食後、歯を良く磨いてから再度歯科へ行った。

 歯垢(dental plaque)は全体に殆んど付いておらず、歯の裏側は非常に綺麗だが、磨き残しが歯の表側、とくに歯並びの悪い犬歯(canine;dens caninus)の周囲に見られた。先生が期待していたより遥かに少なかったらしく、先生は意外という顔をされていたが、磨き残し部分の歯磨き指導を受けた後、歯石(dental calculus)と歯に付いたヤニや色素(イソジン(Isodine)の色が意外とよく歯を染めてしまっている)を取って貰う。結局、虫歯(carious tooth)も無く、歯槽膿漏(alveolar pyorrhea)も進んでおらず(通常程度)、骨にも異常が見られず、抜歯(tooth extraction;exodontia)どころかどこも治療の必要もないとの事で診察は今日1回のみで終了となった。

 今朝、歯科受診前にKB先生や、TNB先生が来られた時に、万が一、抜歯という事になるなら、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)は受けない旨を改めて伝えた。以前(6/17)、悪い歯があるなら抜歯、しかも4~5本抜く事になるかも、とサラリと言われたのが非常に心に引っかかっていたからだ。移植を受けない事になれば、もう痔(hemorrhoids;piles)の診察を受ける必要はない訳だ。しかし、抜歯宣言されなかった場合は、痔の診察を受けると約束してしまった(但し、その場合は手術をして痔を完全に治す事を前提に考えての事)為、結局、痔の診察を受けなければならなくなってしまった(多分金曜日)。非常に憂鬱で気が重い。

 15時から夕刻迄、長姉が見舞いに来てくれるが、最初の15分程は長姉がわざわざ呼んで私の個室に来て貰ったKB先生に、長姉が色々と質問や治療の進み具合等を聞いていた。私も一緒に話を聞いていたが、長姉がした質問等で印象に残ったものは以下の通り。私の現在の病状【先生の回答:遺伝子検査でも白血病細胞(leukemia cell)は見当たらない位になっている】、今後の生存率【私と同じ急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL)では、一般に4年で40%、4年以上で30%位だが、病院や統計の出し方等によって若干結果に差がある】、ミニ移植と言うものは適用出来ないか【一回移植手術を受けたが、再発(recidivation)して、もう一度抗癌剤(anti-tumor agent)の治療には耐えられない人とか、高齢の人でやはり抗癌剤治療に耐えられない人を対象に行なう治療法だそうだ】。

 今迄、生存率(survival rate)については話される場面が何回かあったが、私自身が聞くのではなく、本人がいる前でこうもストレートに聞いてくるのが、なんだか不思議な光景であった。今日明日で急にパーセンテージが変わるわけでもないだろうに、毎回畳み掛ける様に聞いてくる。私の病状を思って、正しい知識を得て最善の治療法は他に無いかを聞いてくれているのは分かるのだが。 後は2人で色々雑談をして過ごす。長姉の見舞いはいつも嬉しく、いつの間にか次回を心待ちにしている所がある。

 夕刻、TNB先生が歯科の結果を聞きに来られたが、この時、明日の血液検査の結果次第ではあるが、外泊許可(exeat;overnight)が出た。金曜日の事はまたその時の事として、取り敢えず、明日は気分転換、気分転換、家に帰れる!

2007-07-15

2006-06-26 (月) Bコース(2回目) 17日目 

 手足指先のしびれ他、前日同様。体重は昨日食事量を減らしてみたのだが、増加傾向のままである。月経(menstruation;menses)が始まったかと思ったが、今回も違った様だ。完全にリズムがおかしくなってしまっている。

 今朝はまだ排便もないからか肛門の痛みもかなりマシで、もしかすると白血球(WBC;white blood cell)が増えてきたのかもしれないと思ったが、9時過ぎから次第に痛みがきつくなってくる。10時前TNB先生が来られ、「今朝は痔の痛みもマシなのでは?」と言って、白血球数がどん底から800に増えてきている事を伝えてくれ、痛み止め服用の許可が出来た。それならばとシャワーについて聞いてみると、こちらも晴れて許可が出た。ロキソニン(Loxonin)は早速10時に飲むが、午後も遅くなると、痛み止めとは別に、昨日より痛みもずっと和らいできているのが分かった。改めて白血球の力って凄いんだなぁっと感心しきり。とはいえ、まだかなり痛むので、19時半にもロキソニンを頼む。また、便通がなかったので就寝前にラキソベロン液(Laxoberon Solution)を飲む。

 15時半過ぎに10回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射があったが、WBCが増え始めたので、今日で終わりとなる。

 シャワーの許可も出たので今日から1日3回の階段昇降(6階分)の自主リハビリ(rehabilitation)を再開した。水曜日はもっと白血球が増えているだろうから、きっと外泊許可(exeat;overnight)が出るだろうと思う。

【血液検査結果】6/26:
WBC(白血球数) 800 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 8.4 [g/dl]、PLT(血小板数) 36,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 2.5 [mg/dl]

2007-07-14

2006-06-25 (日) Bコース(2回目) 16日目 

 手足指先痺れ他、前日同様。朝一番に便通あり、排便痛、腫れてぴんぴんに尖っている。ひどく痛く、きつく辛い。内外を軟膏(ointment)でケアするが、ケア自体も痛くて痛くて涙が滲む。ロキソニン(Loxonin)を頼むが、次を貰えない場合を考えて、出来るだけ我慢して9:45に飲み、薬が効く迄寝る。体重は減らず、増加傾向にある。

 昼食後まもなく次姉が見舞いに来てくれるが、このあたりでやっと薬が効いてきて、痛みが少しマシになってくる。姉に頼んでメンソレータム(Mentholatum)等を持って来て貰ったのだが、姉が去った後で、肛門の腫れたあがった所に塗ってみる。メンソール(Menthol、mentha)の効果で、腫れている部分の熱等を取ってくれないかと期待して試してみたのである。薬が切れてくると、真っ直ぐ普通に座る事も出来ず、円座の座布団に座る事も痛さの方が勝って無理な位である。

 15時半前に9回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射がある。

 ロキソニンは最低6時間以上空けてから次を服用する様にと注意されており、ナースに前回何時に飲んだか等をチェックされている。また、ロキソニンで感染(infection)等による発熱(pyrexia、fever)がマスクされるのを先生は避けたがっておられるので、出来るだけ我慢し、8時間経った頃、体温を測り、平熱である事を確かめて、再度ロキソニンをお願いし、18:00に許可が出たので貰って飲む。この2~3日は、トイレに行く事自体が非常な苦痛になっているせいか、大小合わせてトイレに行った回数は1日に3~4回。

 18時頃、TNB先生こられ、痔(核)(hemorrhoids;piles)の具合を聞かれ、今回はひどく痛む旨を伝えると、嫌かもしれないが、痔の診察を受けて、薬で抑えるなり、手術するなりして移植に備える必要があるだろうと言われた。骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)に痔になると生死をさまよう位、悶絶する事が多いそうだ。その治療は移植直前になるだろうが、取り敢えず、診察だけは今週あたり白血球(WBC;white blood cell)が増えてきたら歯科と共に受けられる様に予約すると言った話をされた。

 拒否出来るものなら断固拒否したい。嫌やっ! 少なくとも歯を先に見て貰いたいと思う。もし抜歯(tooth extraction;exodontia)等と言われたら、移植を止める方向で考えている。これの片が付いたら(即ち抜歯しなくて済むと診断された場合)、痔の診察を受ける事も考えても良いが、薬で抑えられるのならば(先生は、そんな方法もある様な口調だった)、直接診て貰わずに、問診だけで、済ませて欲しいと思う。見なければ診断出来ないと言うのならば(どちらにせよ見られてしまうのならば)、薬だけで治療等という形にせず、ちゃんと手術等をして完全に治して欲しいと思う。以上の内容を改めてTNB先生に伝えたかったが、宿直と聞いていた先生はついにこの日は来られなかった(現われなかった)ので、翌朝来られたKB先生にこの意思を話してみた。

2007-07-13

2006-06-24 (土) Bコース(2回目) 15日目 入院3ヶ月

 体調はいつもに同じ、と言うか、今朝は超軟便の便通だったが、排便痛が厳しく、体調云々どころではない。身体を動かさなければ痛みはマシだが、少しでも体位を変え、動くと非常に痛む程ひどい状態になってきた。昨夜の先生との約束通り昼迄ひたすら我慢して、体温を測り、35.8~35.9度で発熱していない事を確かめてから、TNB先生にロキソニン(Loxonin)を飲んでも良い許可を得る。一回分だけ貰ったので、もう貰えないかもしれない事を想定して更に14時まで我慢してからロキソニンを飲む。昼食後体温が少し上昇し、36.6~37.1度になったが、両手足の先が熱く、オデコとか体躯は熱くない状態である。ロキソニンを飲んでも痛みは、完全には無くならず、少しやわらぐ程度である。

 15時半前に8回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射がある。食事、トイレ、注射以外は殆んどベッドにネコの様に丸く横たわりながら、痛みを我慢して過ごす。

 夕刻よりまた強烈に痛み始め、夜になるともう我慢出来ない位になった。ロキソニンを1日1回だけにして様子を見ようと言われていたが、余りの痛みに耐え切れず、21時頃ロキソニンを追加して貰えないかのお願いをナースにしてみた。30分経ってやっと、当直の先生より許可が下りたといって、ナースがロキソニンを持って来てくれた。どれだけ痛くて苦しんでいるか、分かって貰えないものらしい。夜間で連絡がスムーズに行かなかった等もあろうが、30分のなんと長い事か。それでもやっと届いた薬はとてもありがたい。もうベッドに普通に座っていられず、ベッドから立ち上がるのも痛くて涙が出るし、一歩歩くのすらひどく辛く、トイレ等では尿も滲みて、紙で拭くのは激痛が走る。とにかくパンパンに腫れ上がってしまっていて、身動きもままならない状態になって来ているからだ。

  今日は軟便にもかかわらず、肛門は痛くて悲鳴を上げるほど腫れ上がっている。痔(hemorrhoids;piles)が余りにも痛くて辛いので、一日くらい便通が無くても、間もなく白血球(WBC;white blood cell)が増えてきたら前回の様に痛みも嘘の様に引くのだからと思い、今晩は下剤(cathartic)は飲まない事にする。今日で入院90日目、3ヶ月経った。まさか、痔の痛みでこんなに苦しんでいるとは思わなかった。

2007-07-12

2006-06-23 (金) Bコース(2回目) 14日目 痛みとロキソニン

 今朝は体温(body temperature)が35.2度ととても低く、測り直しても35.5度であった。日中になり平熱(normal temperature)に戻る。その他の体調はいつもに同じ。7回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射は15時半前にある。

 採血結果は今日もWBC(white blood cell;白血球)はゼロ(測定不能)、HGBは昨日の赤血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)で増え、血小板(PLT:platelet)は33,000と減っている為、16時から血小板の輸血が10単位分あり、全部点滴するのに今日は約3時間かかった。

 便通は2回ある。一回目の朝は、出血はなかったが排便痛があり、徐々に痛みがきつく我慢出来なくなってきたので、ナースに頼み10時頃、ロキソニン(Loxonin)を飲む。夜は19時にロキソニンを貰い、漸く痛みが引いてきた20時頃、再度便通があり、排便痛は非常にきつかった。痔核(hemorrhoids;piles)の様なものが出来ているのかもしれない。肛門の一部が赤く尖って突出していて非常に痛み、かすかに出血もある。その部分を出来るだけ肛門内に押し戻しつつ、強力ポステリザン軟膏(Posterisan forte)を塗り、注入して内外のケアを念入りに丁寧にしておく。個室のトイレの中なので、人や時間を気にする事なく、しかし激痛で涙を一杯浮かべながらのケアである。今日も夜中に明日の便通の為に、ラキソベロン液(Laxoberon Solution)を15滴服用する。

 今日は21時前にまたTNB先生が回診に来られ、私の痔の調子、他の身体の具合を訊かれた。痔が辛い事を伝える。先生は、今日の血液検査で炎症反応をみるCRPが1.7に上昇している(1以上だと要注意と2日前に言われている)事から、今後発熱(pyrexia、fever)に特に注意しなければならないので、明日は出来るだけロキソニンを飲むのを我慢して貰えないかと言われる。発熱は色んな感染症(infection)の感染等のサインになる。しかし、今服用している痛み止めのロキソニンは、鎮痛解熱薬(analgesic-antipyretic drug)なので、もし発熱が起きてもそれも抑えてしまう作用もある、つまり発熱を隠してしまう作用もあるので我慢して欲しい、との事である。

 先生の言われている事は理解出来るのだが、この痛みを我慢するのは酷だ。どう表現したら良いのか分からないが、健康な時に稀になった痔の時の痛みと、治療で白血球がゼロになっている時のこの痔の痛みは別格で全然違い、重症と言いたくなるほど痛むのである。我慢出来ない位きつい、と答えるが、取り敢えず、明日の朝はしばらくロキソニンは我慢して、発熱していないか体温変化に気を付けてみる事になる。

【血液検査結果】6/23:
WBC(白血球数) 100未満(測定不能) [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 9.1 [g/dl]、PLT(血小板数) 33,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 1.7 [mg/dl]

2007-07-11

2006-06-22 (木) 血球の寿命

 赤血球(RBC:red blood cell)の寿命は120日位、血小板(PLT:platelet)は1週間から10日位だそうだ。

2006-06-22 (木) Bコース(2回目) 13日目 

 手先指先のしびれと腰痛(lumbago;backache)少々あり。眼の乾きや歯茎(歯肉:gum;gingivae)の痛みはかなり引く。最近視力が変な感じなのだが、視力は左眼が落ちている気がする。深く前かがみしてから頭を上げると少し頭が痛む。6回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射はいつもの通り15時頃にある。

 赤血球(RBC:red blood cell)が減っていたという事で2単位分の輸血(blood transfusion)があった。

  昨日まで痔(核)(hemorrhoids;piles)の痛みはなかったが、白血球(WBC;white blood cell)が底値になった今朝は、起床時より肛門(anus)が痛む。便通(bowel movement)後ケアをするが、痛みが引かず。そのせいか身体がだるく1日寝て過ごす。18時前、痔の痛み、いよいよ我慢できなくなり、ナースに頼みロキソニン(Loxonin)を頼み服用すると、間もなく痛みが引いてきて楽になる。排便痛を避ける為、毎食後カマグを服用して便を軟らかくしているが、便通をスムーズにさせる為に就寝前にラキソベロン液(Laxoberon Solution)を15滴に増やして服用してみる事にする。今回は白血球が増えるまで、この痛み(軟便ですら排便が辛くなる等)に悩まされそうである。

2007-07-10

2006-06-21 (水) 下剤など 

 入院して環境が変わって、便秘気味になった時、ナースに下剤(cathartic)を下さいと頼むと、何故か浣腸剤(enemas;clysters)と思われてしまい、看護師長に話が伝わり、「血液腫瘍科の患者さんは下手に浣腸剤を使うと、出血してしまい、出血が止まらなくなったりするのを恐れて浣腸剤は処方しない」と説明されに来られて戸惑ってしまった事がある。単に便を軟らかくする薬とか、緩下剤(laxative)の飲み薬が欲しいと理解して貰うのに時間がかかってしまって難儀した。

 5月中旬頃から、便通によって肛門が切れるのを防ぐ意味で、酸化マグネシウム(magnesium oxide:カマグ)を1日3回飲む様になった。副作用の1つに便秘(constipation;obstipation)があると言われるオンコビン(Oncovin)が投与される前後は1日4回に増やしている。酸化マグネシウムは便を軟らかくする作用がある。

 プルゼニド錠(Pursennid)12mgは9時間後位に効く下剤(cathartic)だそうだ。腸を動かす作用があるらしい。

 ラキソベロン液(Laxoberon Solution)7.5mg/mlは、1ml中にピコスルファートナトリウム(Sodium Picosulfate)7.5mg含有(1mlは約15滴)の便秘薬で、大人は最初10滴位から始めて、10~20滴位の間で各自調整する。水などに滴下して(希釈して)服用する。今回私の場合はプルゼニドからラキソベロンに変える事になったのだが、ラキソベロンは腸を動かす作用に加え、便も軟らかくする作用もあり、酸化マグネシウムとの併用が可能だそうだ。

 同様の下剤でラキソセリン液(Laxoselin solution)というのを入院前は使った事があったが、これも水で希釈して服用する。この原液が甘かった覚えがあるので、試しにラキソベロンもちょっと舐めてみたが、やはり原液は甘い味がする。

2006-06-21 (水) Bコース(2回目) 12日目 

 手先指先のしびれと腰痛(lumbago;backache)少々あり。眼の乾きは少しマシになってくる。但し、何となく視力が変な感じ(見え難い感じ)というのはここ2~3日続いている。歯茎(歯肉:gum;gingivae)の痛みもかなりなくなる。この歯茎の為に6月16日から始めていたフロリードゲル(Florid oral gel)での口内ケアは、同日の咽頭スワブ(throat swab)の結果、カンジダ症(candidiasis)には陰性(negative)だったという事で、ケアは昨日までとし、一旦使用中止となった。5回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射はいつもの通り15時頃にある。

 午後、漸く便通があったが、内部よりの出血があり、強力ポステリザン軟膏(Posterisan forte)で内外をケアしておく。今日の血液検査で炎症反応が0.6と上昇してきている(1以上になったら要注意だそうだ)のが心配だ。つまり、この肛門の傷が炎症(inflammation)を起こしたとすると、白血球(WBC;white blood cell)数が測定不能の100未満になった今、またひどく痛くなって苦しむかもしれないと思うと、ひどく憂鬱である。

 下剤(cathartic)としては昨日プルゼニド錠(Pursennid)を処方されたが、酸化マグネシウム(magnesium oxide:カマグ)と併用可のというラキソベロン液(Laxoberon Solution)に変更された。取り敢えず今日は10滴から試してみて下さい、との事。

【血液検査結果】6/21:
WBC(白血球数) 100未満(測定不能) [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.1 [g/dl]、PLT(血小板数) 54,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.6 [mg/dl]

2007-07-09

2006-06-20 (火) ノイトロジンとエポジン回収ニュース 

 今朝、ノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)とエポジン(Epogin)回収のニュースが流れているのを偶然テレビで見た。ノイトロジンと言えば、白血球(WBC;white blood cell)を増やす注射として、化学療法(chemotherapy)の各コース後半から毎日15時に皮下注射(subcutaneous injection)されている、まさにそれである。思わずニュースに聞き入ると、BSE未検査時の米国牛血清が使用されて作られていた為、そのロットを回収しているとの事。製造期間等を見ると、恐らく私に使用されてきたノイトロジンは回収の対象外と思われ、取り敢えずホッとするが、余りいい気はしない。ちなみに、エポジンはかつて4人部屋で同室だったMYさん(60歳位)が、多発性骨髄腫(multiple myeloma)の治療で使っていた薬の1つだ。

  いつもの様に回診(round)に来られたKB先生にこの問題になった血清はどの様に使われているのかを尋ねてみると、ノイトロジンを作る際の培養細胞の培養液に加える牛血清(bovine serum)の事だという。これは細胞培養の時に加える栄養剤みたいなものである。ニュースになったロットはかなり古いものらしく、この病院のは大丈夫だそうだ。また、万が一問題の牛血清が使われて作られたとしても、その牛血清自身が成分になる訳ではないので、危険性は殆んどなさそうである。

2006-06-20 (火) Bコース(2回目) 11日目 

 今朝の予定に咽頭スワブ(throat swab)があったのだが、朝4時半のナースの巡回時に、例によって私が目を覚ましていたので、ついでにと言って、採取していかれた。何故かナースの巡回の数分前に、フッと眼が勝手に覚めてしまう事がしばしばある。

 手先指先のしびれ少々、眼はまだ乾いた感じである。歯茎(歯肉:gum;gingivae)の痛みはかなり引いてきたが、フロリードゲル(Florid oral gel)での口内ケアは今日も1日2回しておく。4回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射はいつもの通り15時頃にある。

 血小板(PLT:platelet)の輸血(blood transfusion)、10単位が午後からあった。血小板の袋には『照射濃厚血小板10U-R』とかいてあるのだが、この照射って何なのだろう?

便通なし。これで丸2日無いので、便秘(constipation;obstipation)が心配になってきたのでナースに頼み、下痢(diarrhea)をお願いする。貰ったプルゼニド錠(Pursennid)12mgは9時間後位に効くと聞いたので、21時に飲んでみる。ちなみに便を柔らかくすると言う酸化マグネシウム(magnesium oxide)は5月中旬頃からほぼ毎日1日3回服用している。

 母は電話で建築当初からある家の老朽化した中央暖房(ボイラー)を止め、全面的にガス急騰に替えたと言う。これでお風呂やシャワー等、すぐにお湯が出る様になると言う事で、私も嬉しい。お湯の温度調整がボイラーでは難しかったからである。母はしばらく体清拭やヘルパーさんによるドライシャンプーのみだったので、次回私の外泊時に、今度こそ頑張ってシャワーを浴びようね、思いっ切り綺麗に洗ってあげる、と約束する。

2007-07-08

2006-06-19 (月) 献血ヴェノグロブリンIHについて 

 献血ヴェノグロブリン-IH ヨシトミ(Kenketsu Venoglobulin-IH YOSHITOMI) (2.5g、50ml)を2本点滴された。これは50ml/hの速さで点滴するもので、『ポリエチレングリコール(polyethylene glycol)処理』、『人免疫グロブリン(献血国:日本)』と書いてあった。

 どんな時にこれを点滴するのか等、先生に訊いた所、現在の私は、Ig-G(免疫グロブリンG;immunoglobulin G)が500以下になり、ステロイド(steroid) (免疫抑制)も使っている為、またIg-Gは増えないので、免疫力が非常に落ちている状態で、これを補う為にγ-グロブリンの点滴をした方が良いと思われ、実施する事にした、と説明された。

 以下にその他の内容を、箇条書きする。
・ 免疫グロブリン抗体が不足して抵抗力が弱い人に対して、細菌(bacterium)やウイルス(virus)から体を守る為に、免疫グロブリンを補う薬。

・ 血液製剤(blood preparations;blood products)の為、アレルギー(allergy)反応が出る事もあるので、ゆっくりと時間をかけて点滴をするらしい。

・ ヒト免疫グロブリンGの血液由来成分

・ 副作用に、発熱(pyrexia、fever)、頭痛、吐き気(nausea)、手足のむくみ(swell;bloat)、倦怠感(malaise)、尿量減少、皮膚掻痒、咳(cough)、くしゃみ(sneezing)等。

・ γ-グロブリンはヒト血液(加熱)製剤で、非常に高価な薬である。これは月3回までは保険が適用される、と言った薬だそうだ。薬価は29,716円×2本という事になる。ちなみに、この薬は使えば使うほど病院側の持ち出し(負担)が多くなる薬だそうで、これはDPC(医療費包括化)導入の為にそういう事になったと言う話だった(6/18 DPC(Diagnosis Procedure Combination)参照)。

 この点滴が原因かどうかはわからないが、点滴が終わる前後、しばらく寒気がし、指先も冷えてしまったが、体温は36度であった。14時半頃、体温を測ると37.2度と微熱(low grade fever;subfever)が出ていたがすぐに正常値に戻った。アレルギー反応が出るかもしれないと言われたので、入院最初の輸血(blood transfusion)の時みたいに緊張したが、何も起こらなかったのでホッとした。

2006-06-19 (月) Bコース(2回目) 10日目 自主リハビリ

 手先指先痺れ、腰痛(lumbago;backache)少々。今日も両眼が乾いた感じでヒリヒリと痛む。朝一番の血圧(blood pressure)は82-50と低く、もう一度計り直して91-50で、立ち眩み(dizzy)の傾向もある。HGB(hemoglobin;ヘモグロビン)が減少しているのでその影響もあるかもしれない、という訳で、午後に赤血球(RBC:red blood cell) 2単位の輸血(blood transfusion)があった。今日から加熱食になり、15時に3回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)注射があった。1日便通なし。

 午前中に献血ヴェノグロブリン-IH (Kenketsu Venoglobulin-IH)という点滴が免疫力(immunity;immunization)を補う意味で、2.5g、計100ml分あった。何でも、かなり高価な薬だそうだ。

 階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)は、筋力維持にと5月24日に始めて以降、血球数の多い時に行なっているのだが、今日も3回しておこうと思って、朝食後に一往復していた。この頃は慣れたせいか、足も痛くなくなったが、今日は息が上がってしまった。これも多分HGBが少なくなっているせいだろう。午後の輸血の様子を見に来てくれたナースから、「TNB先生に訊いたところ、今日の血液検査の結果、WBC(white blood cell;白血球)が下がってきているので、人混みを避けて、もう売店へは行かない様に、との事です」と連絡をされた。またしばらくの間、自主リハビリが出来なくなるが、赤血球の輸血もして貰ったし、非常階段は日中でさえ人通りが非常に少ないので、人通りの途絶える夕食後の面会終了後の時間(売店も閉店している時間)、まだWBCが600ある今日のうちに、いつも通り合計3往復(残り2往復分)しようと思い、夕食後と、21時前に最後の一往復をしに行った。

 非常階段をゆっくりゆっくり気をつけて静かに下りていたら、誰かが降りてくる音が聞こえた。その足音の主は私に気がついてか、すぐにスピードを落として降りてくる様感じた。一向に追い越そうとはしない。先生やナースが非常階段を利用する事があり、帰宅や交替の時間帯なので1階でその足音の主とは分かれるかと思ったのだが、私が降りる地下1階までついてくる様に聞こえた。そこで、誰なのだろうと思って、最後の一段を降りきった所でサッと振り向いて見上げてみると、なんと、あのスリムなTNB先生が少し小首を傾げた様な感じで付いてこられていたのである。思わずビックリして縮こまってしまった。先生は地下にある、まだ開いているもう1つの売店(日中や人混みの多い時間帯は免疫抵抗力の落ちた患者は避ける様に言われている、遠い方の売店)に行こうとされていて、偶然私を見つけ、ちゃんと降りられるか様子を見ながら付いて降りて来たのだという。

 一応注意されたが、人のいない時間帯だった事、地下の売店も閉じている時間帯だった事、明らかに筋トレのリハビリをしているのが見ていて分かったという事で今回は大目に見て貰った。ナースから聞いていなかったのと訊かれ、何ともバツが悪かった。先生曰く、私に関しては信頼しているので、正直に話して下さい、と言われ、もう売店は避けるようにとナースに言われていたが、WBCの結果が600だったので、体力維持の為の階段リハビリをどうしてもやっておきたく、今日までは大丈夫と思い、階段昇降をしていたが、入院時に言われた500を切っていたら止めていたと素直に答えた。

 TNB先生は、体力維持は大変良い事なので、リハビリは今後も無理のない程度に続けて欲しいが、WBCが減少している時期で、もしかするとふらっとする事もあり得、心配なので慎重に昇降して下さいと言われる。いたずらを見つかった子供の気分で、なんだか凄く恥ずかしかった。 また焦りが出ていたのかもしれない。反省、反省。

【血液検査結果】6/19:
WBC(白血球数) 600 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 6.4 [g/dl]、PLT(血小板数) 32,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.1 [mg/dl]

2007-07-07

2006-06-18 (日) DPC 医療費包括化について 

 KB先生が来られると、時々色んな雑談になる事がある。北陸やアメリカの大学にも行っておられた様で、医療現場が違うと方針も違う等、興味深い話も多い。

 今日は、大学病院もやり繰りが大変、という話から、DPC 医療費包括化という制度の話をされた。Diagnosis Procedure Combinationの略みたいで、直訳すると診断・診察行為組み合わせ(診断郡分類)となるのだろうか。計算式があるらしく、【報酬総額×係数(0.7~1.4)】という式で、この係数は病院によって与えられる係数が違ってくる。例えば1,000万円の支払請求に対し、ある病院(係数が0.7と与えられている)では700万円、別の病院(係数が1.4)では、全く同じ請求内容でも係数が違う為、1,400万円の支払いを保険から受けるという事である。病院によっては左団扇の所もあれば、やり繰りに追われる所も出てくるという。そのDPCという制度が出来た為に、この病院も色々と計算等が大変なのだそうだ。

  どうしてこういう事になっているのかは知らない(ちょっと理解不足で、ちゃんとまとめきれなかった)が、インターネットで調べていると、DPCはDekirudake Poor & Cheapの略だ、と皮肉っているページがあり、これが私の中では受けてしまった。

2006-06-18 (日) Bコース(2回目) 09日目 

 手足指先のしびれは、先端部分だけに減っている。両眼は今日もひどく乾いて痛い。口腔内の歯茎(gum)の痛みはかなりマシになる。今日はフロリードゲル(Florid oral gel)での歯茎ケアは昼と夜の計2回する。頭痛(headache)は無いが、しばしば立ち眩み(dizzy)がする。便通(bowel movement)は2回、 うち一回は下痢(diarrhea)になる。肛門(anus)ケアはしっかりしておく。

 朝一番の血圧(blood pressure)は低めだった(90-59)が、10時半の血圧が73-48で、低過ぎるとKNナースに言われ、間もなくYM研修医も様子を見に来てくれる。先生も血圧を測って下さるが、84-48とや はり低いので立ち眩み等に注意する様にと言われる。その為、今日の階段昇降(6F分)の自主リハビリ(rehabilitation)は、立ち眩みに気を付けながら、計3回実行した。夜も82-59と低めだった。

 今日は15時に2回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)注射があった他は何も治療予定は無かった。

2006-06- 17(土) 骨髄移植と歯について

 夕刻回診に来られたTNB先生に歯茎(歯肉:gum;gingivae)の調子を話していたのだが、以前、初期の歯周病(periodontosis)だと言われ、歯磨き指導を受けた事があると話すと、移植(transplantation)を前に、歯を5~6本抜かなければならないかもしれない、と言われ、ショックを受ける。同じ白血病(leukemia)に罹った人のホームページとかで移植の為に抜いたと言う話を読んだ事もあるが、それは歯が悪かったからだろうと思っていた。移植時は免疫(immunity)抵抗が全く無くなるので、少しでも炎症(inflammation)を起こす危険があるもの、例えば虫歯等は抜いてしまうと言うのである。何故治療じゃなくて、“抜く”と言う事になってしまうのかが理解出来ない。

 抜かれるという事態だけは絶対拒否したいと思う。かつて大学生の頃、親知らず(wisdom tooth)が痛んで抜いた事があるのだが、この時は私のあごの形と歯並びから、治療器具が届かず、抜いた方が良いという事になって抜いたと記憶している。ところが顎骨に引っかかっていたかなんかでなかなか抜けず、やっとの事で抜かれた時、生命が何年分か一緒に抜かれる様なひどい消耗を味わった経験がある。何せ、グラグラになったとか虫歯でボロボロになった歯とかではなく、健康そのものの歯を抜いたのだから無理もないと思う。たかだか1本でもあんなに消耗するのに、病院の先生はいとも簡単に抜くと表現される。しかも5~6本抜く事もあるとあっさり言われるのである。歯は抜いたらもう2度と生えて来ないのに、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)に備えて抜いた方が良い場合があるとは、一体どういう事なのだろうか? どんな説明を受けたとしても、やはり歯を抜く事は拒否したいと思う。

 いずれにせよ、一度移植を前提にこの病院の歯科で精密な歯科検診を受けなければならなくなるらしい。診察だけならば、見て貰った方が気分的に安心ではある。

2007-07-06

2006-06-17 (土) ノイトロジンについて 

 ノイトロジン(Neutrogin)は白血球(WBC;white blood cell)を増やす注射で、G-CSFとも言う時もある。今までに見聞きした内容をちょっとまとめておく。

・ アンプル(ampule;ampoule;ampul)にはヒトG-CSF製剤と書いてある。100μgと書かれているのものは、1バイアル(vial)中にレノグラスチム(遺伝子組換え)原液100μg含まれている。

・ 皮下注射(subcutaneous injection)をし、注射した所を揉まない様にと注意されている。ゆっくりと吸収させる為らしい。

・ 白血球のうちでも好中球(Neutrophil)を増やす注射で、赤血球(RBC:red blood cell)や血小板(PLT:platelet)を増やす事は無いとの事。

・ オンコビン(Oncovin)投与の前後は、この注射を避ける。

・ マルク(Mark:骨髄穿刺;bone marrow puncture)はノイトロジン皮下注射期間中、及びノイトロジン直後2日程はしない方が良いらしい。

・ノイトロジンは非常に高価な薬だそうだ(既出:5/11)

2006-06- 17(土) Bコース(2回目) 08日目 ノイトロジン開始。

 手足指先しびれは前日同様。両目がここ1~2日ひどく乾いて痛い感じがする。便通は2回あり、ケアを丁寧にしておく。体重((body) weight)漸く減る。口腔内(歯茎gum)の痛み等は少しマシになるが、歯磨き時に出血がある。今日もフロリードゲル(Florid oral gel)でケアを毎食後と就寝前にする。シャワーは今日までなら大丈夫と許可が出たので、頑張って浴びておく。間もなく白血球(WBC;white blood cell)が無くなるので、その前にと、階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)も3回行なう。

 今日から15時に第1回目の白血球を増やす注射のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)皮下注射が始まった。まだ白血球数が下がり始めたばかりなのに、この時期に注射が始まる。毎回思うのだが、早過ぎるのではないかと、なんか奇妙な感じがする。

 今日、母のヘルパーHさんがお見舞いに来てくれたのだが、その時、母が毎週家まで往診に来てくれるYN先生に一週間程入院する手続きを取って欲しい、と頼んでいたそうだ。それくらい、体の具合が良くなかったらしい。夜の電話で色々聞くが、その後は、もっぱら、移植(transplantation)時に良くない歯は抜かなければならないかも(しかも5~6本)と言われた話をしていた。母も抜歯(tooth extraction;exodontia)には猛反対で意見は一致した。母という賛同者が出ると特に心強い。

2007-07-05

2006-06-16 (金) フロリードゲルについて 

 歯茎(歯肉:gum;gingivae)の具合が悪いと言った結果、『フロリードゲル経口用(2%、5g)』というのを1日あたり0.5本の割合で都合6日分を処方された。フロリードゲル(Florid oral gel)は口腔・食道カンジダ症(candidiasis)治療剤である。これにはミコナゾール(miconazole)が20mg/g含有の塗り薬である。

 この薬には『この経口用剤の効果的な使い方』という服用の手引きが添えられてあった。それによると
1.先ず、うがい(gargle)をして口の中を清浄にする。

2.薬の含み方として:適量、又は指定量を1回か、量が多い時は何回かに分けて口に含む。チューブから直接・きれいなスプーンを用いて・よく洗った指先にとって、等と例示されている。

3.口腔内にカビ(molds;Fungi)が生えていると言われた場合:薬を舌でまんべんなく口内に塗り広げ、この状態で出来るだけ長く口内に含んだ後で飲み込む。入れ歯の人はよく洗浄した入れ歯にも少し薬をつけておく。  食道にカビが生えている(口内に異常が見られない)と言われた場合:薬を口内に5分程度含んだ後で、少しずつ飲み込む。

4.服用後、少なくとも1時間位はうがい、歯磨き、飲食をしない様にする。

 以上、今迄で経験した事の無い類の塗り薬である。

  このカンジダ菌とは、主として健常人の口腔、消化管等に常在菌としてみとめられる酵母菌(yeast)の一種で、宿主の全身的・局所的抵抗力の減弱によって病原性を発揮し、皮膚粘膜に病変を生じるのだそうだ。私の場合、口内はあちこち白くなった部分が見られ、これがカビかもしれないとの事だった。いずれにせよ、カンジダ症に罹ったのかもしれないとか、口内にカビが生えている等とか言われると、複雑な気分である。

2007-07-04

2006-06-16 (金) Bコース(2回目) 07日目 キロサイドのルンバール

 手足指先のしびれは前日に同じ。排便時の出血(便に付いた鮮血)が少々多かったのだが、何故か今日は、1日肛門は痛くならなかった。階段昇降の自主リハビリは朝・昼・晩と計3回する。

 白血球(WBC;white blood cell)数がまだ多かったので、ルンバール(髄注:intrathecal injection)の前にシャワーを浴びる。

 10時からルンバールがTNB先生立ち会いの下、YM研修医によって行なわれる。今回も大して痛く無かった。2時間安静(rest)にして寝る。夕刻に結果をYM研修医が教えに来てくれたが、今回も髄液(脳脊髄液;cerebrospinal fluid)に異常は無かったそうだ。これでBコース全ての予定が終了した。

 この頃、歯磨きをするとひどく歯茎(歯肉:gum;gingivae)が痛み、白くふやけた感じになってきている。イソジン(Isodine)で何度もうがい(gargle)する様にしたが、痛みは改善しない。ここ2~3日で急に口内炎(stomatitis)が起こった話を先生にすると、カビの可能性があると言われ、歯茎に塗る薬フロリードゲル(Florid oral gel)を処方された。また検査の為に咽頭スワブ(throat swab)をされる。今日は夕食後と就寝前にこのゲルでケアをする。この時、歯茎をしげしげ観察すると、右下の歯6番目の大臼歯(molar;dens molaris)の根元が一部、歯茎から覗き始めているのを見つけ、無茶苦茶ショックを受ける。歯はもつのだろうか? 抜けてしまうのではないだろうか? ひどく不安である。

【血液検査結果】6/16: 
WBC(白血球数) 1,400 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.8 [g/dl]、PLT(血小板数) 86,000 [/μl] 、CRP(炎症反応) 0.2 [mg/dl]

2007-07-03

2006-06-15 (木) Bコース(2回目) 06日目 

 手足指先の痺れは前日同様。脚のむくみも同様で、体重((body) weight)も減らず昨日と同じで、何となくだるく、ずっと寝て過ごす。昨夜から起こっている、変な胸苦しさ(大きなゲップが上がってくる様な感じの苦しさ)が朝食時に急に起こり、それと同時にムカつきが起こり、食欲無くなる。鼻をかむとちょっと出血傾向があり、歯磨き時、歯茎(歯肉:gum;gingivae)から血が少し出る。歯茎の具合も悪い。

 便通は普通に(むしろ軟らかめで)あったのだが、例の胸苦しさも再発した。肛門の内外に出血があり、軟膏(ointment)で内外ケアをしっかりしておくが、次第に痛みが増して来、やっと来てくれたナースにロキソニン(Loxonin)を貰い、昼前に一錠飲む。ナースの話によると、血液の患者さんが増え、次々と点滴があって忙しかったそうだ。

 痔(hemorrhoids;piles)の傾向がある事を話すと、TNB先生は、便通を良くする為にもう少し、カマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)を増やして調節してみた方が良いでしょうと、アドヴァイスをくれ、KB先生に訊いた時は、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)を前にした段階で、やはりしっかり治しておいた方が良いでしょう、と言われる。こちらはちょっとショックで、何とか避けたいとしか返事のしようが無かった。

  バクタ錠(Baktar)は今日昼から服用再開になる。24時間持続点滴は16時半に漸く終了し、久々に点滴の管から開放された。昨日の白血球(WBC;white blood cell)数はまだ十分あったので、人気の少ない非常階段で、6階から地下1階迄の階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)を、計2往復する。その他、5月分の入院費の支払いや、売店等に寄ったりして散歩する。

2006-06- 14(水) ロキソニンについて 

 朝の便秘(constipation;obstipation)による痔(hemorrhoids;piles)で耐えがたく肛門が痛くなってきた。体温は36.9度と平熱だったので、ナースに痛み止めを頼むと、持って来てくれたのはロキソニン(Loxonin)ではなくピリナジン0.4gだった。6月からピリナジン(Pyrinazin)の処方になっているという。前回全然効かなかったのでロキソニンにして貰った話をナースにすると、先生に話を通してくれ、しばらくするとYM研修医がロキソニンを持って説明しに来てくれた。

 それによると、今回のケモ(化学療法:chemotherapy)に使われている薬剤のうち、ロキソニンと相性が悪いものがある為、外していた(代わりにピリナジンにしていた)のだと言う。しかし、もう大方ケモも終了したので、TNB先生とも確認をとったが、ロキソニンを飲んでも大丈夫と言う事になった、というので、無事、希望通りのロキソニンを飲める事になった。肝心の、ケモのどの薬と相性が悪いのか、詳しく聞かなかったので分からなかったが、飲んで約3時間後には、痛みはほぼ全面的に治まった。

2007-07-02

2006-06- 14(水) Bコース(2回目) 05日目 

 手足指先のしびれ、前日と同様。脚のむくみも昨日とほぼ同じで、体重((body) weight)は400g減った位で、まだいつもよりは重い。本日より、体重計測は毎日測定から月・水・金のみで良くなるが、むくみが引かないので自主的に毎日計測を続けようと思う。今日も尿は十分に出ているので、心配する程ではないのだろうが。ちなみにこの夜中も2時間毎にトイレ通いに追われる。食欲は少し落ち、ごく少々ムカつく感じがする。

 昨日便通が無かったら、今日便秘(constipation;obstipation)便になってしまい、強力ポステリザン軟膏(Posterisan forte)でケアをするが、肛門内外がひどく痛み始め、耐えられなくなってきたので、ナースに頼んで痛み止めを貰う。15時にロキソニン(Loxonin)を飲んだのだが、3時間後位に痛みが治まる。就寝前のトイレでも便通ではなかったのだが、肛門付近に少々出血が見られた。血液検査では白血球(WBC;white blood cell)数は減少し始めているが、まだ5,800ある。今からこの調子なら、今回は白血球が最低になった時、また前みたいに大変苦しむ事になりそうで怖い。

 化学療法(chemotherapy)は6時間おきにあったロイコボリン(leucovorin)の全開点滴が今朝6時の分で終了する。14時に24時間持続点滴(ソルデム・メイロン(Soldem・Meylon))の交換があり、これが明日終われば、Bコースの点滴が全て終了となる。1日4回のフルメトロン点眼(Flumetholon)も今日で終了である。バクタ錠(Baktar)中止も今日迄で、明日からまた再開となる。

 夜、私特有と言われている、初回ルンバール(髄注:intrathecal injection)の時に起こった様な、変な胸苦しさ(大きなゲップが上がってきそうな感じの痛さ)が起こってしばらく続き、夜中も時々起こった。どういうタイミングでこの現象が再発するのか、よく分からない。

【血液検査結果】6/14: 
WBC(白血球数) 5,800 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 8.0 [g/dl]、PLT(血小板数) 136,000 [/μl] 、CRP(炎症反応) 0.0 [mg/dl]

2007-07-01

2006-06-13 (火) IVHカテーテルについて 

 6/10(土)のBコース初日の抗癌剤(anti-tumor agent)の点滴を繋ぎに来られた当直のMI先生に、この頃IVHカテーテル(中心静脈カテーテル:intravenous hyperalimentation catheter)のヘパリン(heparin)液等の通りが悪くなっていると言う話をした時、レントゲン(an X-ray)でどの様に入っているか見た事があるかと聞かれた。見ていないと答えると、気軽にそのレントゲンを探して病室まで持って来て、私のはどうなっているのかを見せて下さった。

 右鎖骨下のカテーテルが挿入されている所までは、自分の体外の事なので見えるのだが、体内でカテーテルの続きがどうなっているかは話を聞いて想像していただけである。レントゲン像ではIVHカテーテルが右鎖骨下から頭部方向に挿入されていて、それが大きくカーブして胸の中心やや右寄りに真っ直ぐおりていて、丁度大文字のJを逆さにした感じに見える。この先端は右心房(right atrium;atrium dextrum)の入り口に向けて挿入されているのだ。

 カテーテルは2本を1つに束ねて挿入されており、コネクターの茶色の1本(14GA、遠位distal:より心臓に近い所まで伸びている)は管の先端が開口しており、径の小さい白色のもう1本(18GA、近位proximal:茶色のカテーテルよりはちょっと短い)は先端ではなく管の側面に穴が開いており、点滴液は2種混合する事無く静脈血中に放出される仕組みだそうだ。この側面に開いている穴が血管壁に当たってしまっていると、穴を塞いだ形になっているのでヘパリンの通りも悪くなってしまう事があると言う話をして下さった。

 さて、現在、IVHカテーテルの白の(細い)方も茶色の(太い)方も、両方の管ともヘパリンや点滴の通りが悪い状態が続いている。点滴の量やスピード等は専用装置に点滴の管を通して機械的に流している事が多いので、少々カテーテルの流れが悪くなっても差し支えはないのだが、この事についてTNB先生は、治療はまだ半ばで、この様な状態のまま続ける場合もあるのだが、IVHの静脈に挿入されているカテーテルを一度新しいのに入れ替えた方が良いのではないかと考えている、と言われる。あんな辛い思いは嫌なので、何とかもたして下さいというが、先生曰く、新しいカテーテルを胸に押さえておく為にもう一度縫わなければならないが、挿入自体は現在入っているルートをそのまま使用するので、それほど大変ではない、と説明される。即ち、IVHを挿入し直す場合、静脈血内にワイヤーリードを現カテーテルに沿って右心房近くまで挿入してから、現カテーテルを抜く、次に新カテーテルをワイヤーリードに沿って挿入し、ワイヤーリードを抜く。最後に胸に出ているコネクター部分を皮膚に縫い付けて止める為、これが少々痛い、と言われるのである。恐らく手技的には初めて挿入する時(3/28参照)よりはルートが確保されているので簡単なのだろうが、どんな説明をされてもゾッとするばかりで、カテーテルが詰まらない限りは現状のままで続行して欲しいとひたすら願う。