2007-07-19

2006-06-29 (木) Bコース(2回目) 20日目 帰院

 前回外泊時は私が母の為に作ったのだが、今朝は長姉が茶粥を作ってくれ、3人で朝食をとる。食後に今日シャワーを浴びないかと聞いてみるが、しんどいそうで、止めになった。長姉が来ている(家にいる)ので、断るのではないだろうかと何となく思っていたが、浴びる気にはならなかった様だ。ヘルパーさんも毎日午前・夕方と来てくれているので、シャワーを頼めば浴びられる筈なのだが、ずっと以前、長姉が上洛した時にも一度姉の介助でシャワーを浴びた事がある筈なのだが、結局ヘルパーさんにも姉にもシャワーは頼まず、時々濡れタオルを頼んで体を自分で拭く、頭はドライシャンプーをヘルパーさんに頼むのみで過ごしている。私に頼むのが一番、色々な意味で母にとってよいらしい。しかし近年はどうしても体力が無い、しんどいと言って、いくら勧めてもシャワーを浴びる事が無かった。少しでも気分の良い日には、頼んで浴びる様にすれば良いと思うのだが。

 今日、東京へ帰る長姉がまた外食に連れ出してくれる。混雑する時間帯を避けて、遅昼で出発し、焼きたてパンの食べ放題のお店でランチをする。食べ放題というのに弱い私は一杯パンのおかわりをしてしまったが、大満足である。

 行くかどうか直前まで随分悩んでいたが、今、美術館で催されている『藤田嗣治展』に行き、久しぶりに絵画鑑賞をしてきた。というか、長姉と相談して、感染(infection)の危険性を考えて行っても良いものかどうかお互いに悩みつつ美術館の前迄行き、そこで更にしばらく2人で悩んでから、外泊許可(exeat;overnight)も出ているし、マスクは2重にしているし、人も少なそうに見えたので、具合が悪くなったらすぐに出るという事にして、入場した。

 疲れるといけないからと、長姉が私を車椅子(wheel chair)に乗せ、押してもらいつつ鑑賞した。この車椅子は完全に人に押してもらうタイプで、自分で動かす事の出来ない形のものであった。TVでも宣伝していたが、以前、口腔外科へ行った時の帰り道、とある廊下の窓口にポスターが貼ってあるのを間近で見てから、出来れば行きたいなぁと思う様になっていた。彼の絵は何回か観た事はあるが、もしかするともうこんな機会は二度と来ないかもしれないと思い、思い切って長姉に頼んでみた甲斐は十二分にあった。猫の描写の可愛らしい事と、女性のあの肌色は、ポスターの中でもTVの画面でも再現は出来ておらず、唯一実物でのみ体験出来る感動の色、なんとも美しい色合いの不思議さであった。

 しかし、大好評の絵画展だけあって平日にもかかわらず、館内は予想外に人が多く、それだけでも大変だったのだが、車椅子から鑑賞する等、もちろん初めての事で、長姉も車椅子を押すのに慣れていない事もあって、しょっちゅう壁や角にぶつかったり、他のお客さんの足にぶつかりそうになるので足元に冷や冷やして緊張するわ、絵画を見上げるのに次第に頸が痛くなってくるわで、改めて美術館の絵画の配置は大人が立って鑑賞するのに丁度良い高さになっている事を痛感した。絵からある程度離れて観れば首も痛くならない事は分かっていたが、なにせ人が多いので離れると車椅子の高さからでは人の背に隠れてしまって絵が良く見えず、最前列まで近付くと見上げる角度が非常に大きくなるので頸が痛くなる。今迄車椅子で鑑賞している人を見かけても、特に何も思わなかったが、本当に色々と大変な事が多いと、その身になってみて初めて分かった。長姉とはこの美術館で別れ、東京へ戻っていったが、姉も疲れたのではないだろうか。でも美しい絵を観られてとても嬉しく、付き添ってくれた姉に感謝、感謝。

 タクシーで帰宅し、母にも絵画展が素晴らしかった事等を話していたが、たかだか3時間強の外出だったのに、恐ろしく疲れているのが分かり、母にも勧められ、昼寝をする事にした。頸を中心にひどく疲労している。

 不思議な事だが、本日は便通が3回もあった。やはり外泊時はスムーズに、しかも大量に便通がある事が多い。食べ過ぎ? それともリラックス(relax)するせい? まだ肛門の具合が完全ではないので、強力ポステリザン (Posterisan forte) 軟膏でしっかりケアをしておく。結局、今日は疲れや頸の痛みも重なった為、ロキソニン(Loxonin)は朝と夕方の計2回服用した。

 母との夕食後、洗濯物等の荷物をまとめ、時間まで母とお話等した後、頼んでいたYちゃんに病院まで送って貰い、消灯ぎりぎりの21時40分帰院する。血圧(blood pressure)は127-81、体温(body temperature)は36.3.℃で異常なし。今回の外泊の教訓は、『無理は禁物』である。入院も長期に渡ってくると、体力の消耗、減退は自分が考えている以上に進んでいるらしい。

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