2007-08-31

~☆~ 只今、入院闘病中の記録更新中止中 ~☆~

 2007年9月から、止むない事情により、引っ越し準備に入り、引っ越し後も色々あり、更新出来ないでいる。まして、この記事以降、思い出すのが辛く悲しい事件が多く続くので、今現在も、時間が経てば経つほど、続きを書くのに躊躇してしまっている。

 しかし、自分の経験からすると、ここを訪れる人があるとしたら、初発の不安・治療内容と、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)のくだりだと思うので、出来ればまた再開して、そこまでは仕上げたいと思っている。

 この病気治療で、患者にとっては辛いが、重要で必要不可欠な治療の中に、IVH挿入(CV挿入)やルンバール(Lumbar)・マルク(Mark)等がある。自分はどんな治療でも、詳しく知りたい性質だったので、それらについて、最近、詳しく調べてまとめてみたので、病気入院関連の最新記事は、当ブログ『生亜紫路2006』のTopにアクセスしてみて下さい。

 現在進行形のもうひとつのブログ『生亜紫路』は、不定期ながら更新を続けている。退院後(ちょっと経過してから)の記録の他に、普通のブログの様に日々感じた事なども書いている。よろしければ、こちらもお立ち寄り下さい。 

2008/08/20 記す。

2007-08-30

2006-07-21 (金) 外出、母の異変

 WBC(white blood cell;白血球)が増えて外泊許可(exeat;overnight)が取れる状態であるが、肛門等の痛みは激痛ではなくなったとはいえ、まだまだ大変痛い為、今日は少しだけ用事を済ませ、すぐ病院へ戻るつもりで外出許可を取った。その為、変に気を遣わせてもいけないと思い、家の母へは電話連絡をしなかった。

 14時半にタクシーで病院を出、振込みや小物の買い物等、雑用を済ませ、時間にまだ余裕があったので、ちょっとだけ家に立ち寄ってみた。

 帰宅後、何度か軽く声をかけたが、母はグッスリ(多分ぐったり?) 寝ていて起きないので、後片付け等をして起きるのを待つ。やっと目覚め、こちらを向いた母を見て、ちょっとギョッとした。前回外泊時は、10kgは痩せたのではないだろうかという程の激ヤセで驚いたのだが、今回はそれどころではなかった。顔の形が変わってしまう位に痩せているではないか? 「おかあさん、30kgあるの?」と思わず聞いてみた程だ。

 泣けてきた・・・

 もう自分でカーテンの開け閉めも危なくて出来ないので、ベランダのある日当たりのいい南側の窓は常に雨戸を半分閉め、カーテンも午後の太陽の光が眼を射って痛いと言う母の希望で、殆んど締め切った状態の薄暗い部屋になってしまっている。ヘルパーさんがいてくれる時間は光を入れてくれているらしいが、せいぜい2時間弱である。24時間ヘルパーさんがいてくれるわけでないので、夜に閉めてもらう事も考えるとこれが最善の選択だと母は言う。昼寝の時はアイマスクを利用する等して、もう少し部屋に太陽光線を入れて陽に当たらないと骨粗鬆症(osteoporosis)が進むよ、というのが精一杯であった。母もそんな事くらい百も承知の上の選択である。

 夕刻来たヘルパーのSNさんの話によると、ここ4、5日朝食も食べていない(食べられない)、水分もよく飲めない日が続き、食も細っているそうである。5月かそれ以前にこじらせた風邪が治らず、ずっと咳き込んでいるのも心配な要因という。何故今回のこの異変をもっと早く知らせてくれなかったのかとは、いつもとても良くして下さっているヘルパーさんには言えなかった。それ程あっという間に痩せてしまったのだろう。

 とにかく何か食べさせなければと思い、夕刻帰院後、先生に母の異常を話し、出来るだけ母の為に食事を作ってあげたいので、出来るだけ外泊・外出させて下さい、とお願いする。

 尋常じゃない母の痩せ方に、何とかしてあげたいと思うが、治療中の今の私には外泊が限度。日々の電話のやり取りで、次の外泊時にはうまいトリ雑炊が食べたいと母が言っていたので、美味い雑炊を作って一緒に食べようと思う。その他、消化に良さそうなもので、母の食べたそうな物も作ってあげたい。母の好物の料理も可能な限り作り置きしておきたい。つい5日程前の日曜日に次姉が作ってくれたジンギスカンを大満足で食べたと聞いていたので、まさかこんなにゲッソリとやつれ果てているとは夢にも思わなかった。

 ただ、ひとつ非常に不安な事は、私がMRSA陽性の保菌者と言われたので、弱りきった今の母に万が一、移してしまったら命取りになるではないかと言う事である。その点も十分に気を付けたいと思う。痛みもあるのだが、気が立ってしまってなかなか眠れない。

2007-08-29

2006-07-21 (金) Aコース(3回目) 17日目 MRSA陽性?

 WBC(white blood cell;白血球)が3,300に増えていたので、外出・外泊許可が出る。しかし、肛門のただれ、腫れはまだきつい状態で、座る、立つ、歩く・動くのがとても痛い状態である。この肛門痛・排便痛(朝と晩の2回)の手当てを今日も、ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)とキシロカイン(Xylocaine)で丁寧にする。ロキソニン(Loxonin)も貰って飲む(10時半と20時半の2回)。口内炎(stomatitis)もまだ痛く、夜よく寝られず、夜中にデキサルチン軟膏(Dexaltin Ointment)ケアをしてから寝直す様な状態である。

 外出許可をお願いしたので、6回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)注射をいつもより早めの14時前にして貰う。Aコース(3回目)のノイトロジンは本日で終了となる。

 ところで、7/13の咽頭スワブ(throat swab)の検査でMRSA(methicillin-resistant Staphylococcus aureus:メチシリン耐性黄色ブドウ球菌) 陽性の反応が出てしまったとTNB先生より告げられる。そして急に、セミ隔離(isolation)扱い(?) を受ける様になる。

 私はMRSAが陽性(positive)ではあるが、保菌(carrier)状態で発症はしていないと説明を受けたが、院内感染(hospital infection)で超有名なMRSAに引っかかってしまうとは……。何処で拾ってきてしまったのだろうか? 

 このMRSA陽性と出た私の扱いは気分的にひどいものである。今迄、血液の患者さんは免疫力が低いので、とシャワーも同階の内分泌系の患者さんとは分けて、午前中に一人ずつシャワーを浴びる、というものだったのに、今日WBCが増えたのでシャワーのお願いをすると、全ての患者さんが使い終わった後でシャワーを浴びるか、朝一番の浴場の掃除が入る前にシャワーを浴びる様に(そして私が浴びた後で清掃して貰う)という事に変更されていた。

 ナースが測ってくれる日に3回の血圧についても、腕に巻く血圧計に、何がどう感染(infection)するのか知らないが、私専用の血圧計がいつの間にか部屋に置いてあった。ナースが私に気付かれない様に、私が触った物をエタノールで消毒している場面も目にする。個室だったからまだしもだったかもしれないが、4人部屋だったら、もっと色んな変更があったかもしれない。洗面台等は共用だったからである。

 血液の病気になった患者さんは感染に注意、常に清潔にといわれ、シャワーも血液科の患者は他の患者さんより先に午前中にシャワーを順番に予約を取って浴びる様になっている。その習慣に馴染んできている所へ、MRSA陽性の為、他への患者さん等への感染を防ぐ為とは分かるが、一番最後の時間帯でのシャワーか、清掃前の朝にシャワーを浴びる様に言われ、少し複雑な感じだ。MRSA陽性の私の感染予防はどう考えておられるのだろうか? 感染拡大を防ぐのは良く分かるが、私が何故、何処から感染したかを調べ、私本人にちゃんと説明をする必要もあるのではないだろうか?

【血液検査結果】7/21:WBC(白血球数) 3,300 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 8.3 [g/dl]、PLT(血小板数) 37,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 4.1 [mg/dl]

2007-08-28

2006-07-20 (木) ICTが痛み治療の邪魔をする 

 今回私が肛門痛でかなり苦しんでいる様子を見て、同情(??) して下さっている感じのKB先生が次の様な話を教えて下さった。

 私の今の状態の場合、多分抗生剤(antibiotic)の点滴をすれば炎症(inflammation)が治り、肛門痛も解消される筈なのだという。ところが当病院にはICT(Infection Control Team)というのがあって、抗生剤を乱用しない様に監視しているチームがあるという。これは抗生剤乱用で耐性菌(antibiotic-resistant bacteria)が出来て、院内感染(hospital infection)が発生するのを防ぎたいという目的のもと、作られたチームらしい。

 ICTは、末端の痛み(私の場合は肛門痛)等に安易に抗生剤は使わず、全身発熱とか痛みが出た時に抗生剤を使う様にと監視しているそうだ。その為、私は痛みに我慢を強いられている、という図が出来上がってしまっているらしい。こんなに痛みで悶絶している時位は使用して貰えないだろうかと、患者の立場から思うのだが。

 18日の血液検査でCRP値も1.8と上昇しており(多分、今はもっと上昇していると思う)、炎症を起こしている(今回のは主に肛門痛に由来していると思われる)のに、ICTのお陰で局所の炎症には使えないという事に加え、痛み止めは感染(infection)の目印になる発熱を抑えてしまうのでWBC(white blood cell;白血球)が少ない時は出来るだけ服用して欲しくないという血液腫瘍内科の治療方針。ダブルパンチです。。。

2007-08-27

2006-07-20 (木) Aコース(3回目) 16日目 

 治療としては、15時過ぎにノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の5回目の注射がある。

 右下唇裏に出来た口内炎(stomatitis)は今日も痛く、食べづらい為、夜は試食用のカロリーメイトを主食にして済ます。デキサルチン軟膏(Dexaltin Ointment)で口内炎ケアを何回もする。

 一晩中肛門痛で寝返りも激痛が走る為、よく眠れず。昨日に引き続き身動きもままならぬ程の激痛。今回は長引くし、痛みもきつくて辛い。トイレの度にキシロカイン(Xylocaine)でケアをする。患部(affected part)が腫れており、近辺もただれてきている様で、ガーゼにつけて患部に当てる事も痛いので、ガーゼは使わず、塗るだけにしているのだが、とにかく塗るのも痛い。朝一番に体温を測って平熱である事を確認してからナースコールをしてロキソニン(Loxonin)をお願いする。飲んでも午前中の痛みは1/3位か少し和らぐ程度にしか効かなかった。

 ベッドからの起床、トイレ、歩行、全て激痛の為、出来るだけ動かない様に丸く横になって寝て過ごす。ロキソニンは起床直後と夕刻の2度お願いするが、先生は2回しか処方(prescription)してくれないので就寝前にもう1回手持ち(自前)のロキソニンを勝手に飲ませて貰う。 

  長らく続いた肛門の痛みも、夜も20時を過ぎて漸く薬が効いてきたのか、少し痛みが引いてきた感じがする。或いは待ち望んでいたWBC(white blood cell;白血球)がやっと増えてきたのかもしれない。入院時は患者さんが出来るだけストレス(stress)の無い様にするので何でも言って下さいと聞いていたのに、少なくともロキソニンは1日3錠迄は良い筈なのに、こんなに痛みで苦しんでいる時に痛み止めを制限するとは、ほんまに先生は酷やと思う。

2007-08-26

2006-07-19 (水) キシロカインビスカス 

 『キシロカイン(劇)ビスカス(Xylocaine Viscous) 経口表面麻酔剤100ml』が処方される。塩酸リドカインビスカスとも言うらしい。経口表面麻酔(oral surface anesthesia)剤で、今回は肛門痛を和らげる為にと処方された。

 見た目は透明でほんの少し粘度のある液体で、たっぷり付け様とするとすぐに流れてしまう位ゆるい粘度である。販売名の中のビスカス(Viscous)は『粘性の』という意味がある。少し甘い様な匂いがする液体だが、金属を侵す性質がある為、金属器具は使用しないのが望ましく、専用の小さなプラスティックスプーンが箱の中に入っている。使用した感じは液が冷たかった、或いは患部が腫れて熱を持っていたせいもあるのかもしれないが、ひんやりとして少しスースーする成分が入っている気がした。

 今回は肛門痛の緩和と言う事で、ナースが『ディスポーザブルRDガーゼ』というものを持ってきてくれ、これに液を垂らして患部に当てたら良いだろうと渡して貰った。

 経口(oral)と書いてあるだけあって、内視鏡検査、咽喉頭・食道部の麻酔、胃部麻酔等に飲み込んだり、口腔内麻酔では口腔内に広げたりして使用するらしい。説明書には経口投与時の諸注意が書かれていた。この瓶と添え箱に書いてある事等を以下に抜書きしておく。

・ 成分・含量: 塩酸リドカイン20mg/ml
・ 添加物:メチルパラベン、プロピルパラベン、サッカリンNa、CMC-Na、pH調整剤、香料
・ 劇薬(dangerous drug)、指定医薬品、室温保存。
・ 製造販売元:AstraZenecaグループ

※ 万が一、ショック様症状が起こった場合は、直ちに人工呼吸(artificial respiration)、酸素吸入等を実施する事と、説明書とは別に箱と瓶のラベルに注意書きがあった。主に経口投与時の注意と思われる。
※ 作用機序は、塩酸リドカインは神経膜のナトリウムチャンネルをブロックし、神経における活動電位の伝導を可逆的に抑制し、知覚神経(sensory nerve)及び運動神経(motor nerve)を遮断(blocking)する局所麻酔(local anesthetic)薬である。
※ 麻酔効果・作用時間は、塩酸リドカイン(Lidocaine hydrochloride)の表面・浸潤・伝達麻酔効果は、塩酸プロカイン(Procain hydrochloride)よりも強く、作用持続時間は塩酸プロカインよりも長い。

 私の場合は塗り薬として使用する様にと貰ったが、劇薬なのに飲んで使用する事もあると知り、ちょっと驚いて、劇薬の意味を調べてみると、『毒薬に次いで危険性の高い薬物』とある。しかし落ち着いて良く考えてみると、化学療法(chemotherapy)で点滴されている抗癌剤(anti-tumor agent)も劇薬である。薬は使用量が大変重要で、適正な量を使うからこそ薬としての威力を発揮しているという事なのだろうと、認識を新たにした。

2007-08-25

2006-07-19 (水) Aコース(3回目) 15日目 

 口内炎(stomatitis)で痛く、朝食のパンは食べるのを止める事にする。少しむくんだ感じがする。

 今日は肛門に少し力を入れるだけでも激痛が走る。肛門痛ひどいが、熱は無い事からロキソニン(Loxonin)を9時半に貰って飲む。回診(round)時に私がベッドに座るのも痛く、横向きに丸くなって寝ている様子を見て、TNB先生、KB先生のそれぞれのから、しっかりと手術(オペ:operation)した方が良いのではないかという話が出る。体の位置を移動するたびに激痛が走る。歩行もかなり困難な程、痛く、便通時に出血は無いが、排便痛が厳しく、ロキソニンも殆んど効き目無し。ケア等も激痛で、後はもうグッタリと寝る。それから昼に、少しでも苦痛を減らす目的も兼ねて、キシロカインビスカス(Xylocaine Viscous)を経皮鎮痛剤として処方されたので、以降、お手洗いの度に使用する様にする。

 15時過ぎにノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射がある。 

 TNB先生は、ロキソニンの服用はWBC(white blood cell;白血球)値が低い間は1日2回迄との考えが強い。次に痛み止めが飲める時刻まで時計と睨めっこしつつ、体温を測り、ナースにお願いして、今日は19時前に2度目のロキソニンを飲む。

 ところで前回外泊の折に新しいFaxの子機を持ってきた。家にはFax専用の他に通話専用電話と子機が2台あり、結構電話機が多いのだが、Fax専用の方を新しいのに変えた為、こちらに電話番号は何も登録されていない状態であった。夜、薬を飲んだ後、出来るだけお尻が痛まない様な姿勢で寝転んで、母を含め、ヘルパーさんも簡単に電話をかけられる様にと、よく使う電話番号の登録をする。これを次の外泊時に持って帰れば、親機への登録は転送すればよいので、次の外泊時に時間を取られずに済む。そんな事をして気を紛らわして過ごす。

2007-08-24

2006-07-18 爪切りについて

 今日は久々に手足の爪切りをした。爪切り等は患者自身が判断して適宜、切れば良いのだが、深爪にならない様に、治療中は特に気を付ける様にと、注意されている。本当はWBC(white blood cell;白血球)が増えてからの方がベターではあるらしい。

 この病気になって入院してから、指先と爪の状態も以前と違ってきている様に思う。これは私だけに現われる症状なのかどうかは知らないが、どう表現したら良いのだろうか。何かの弾みで指の爪先にちょっとの力が加わっただけでごく少々ではあるが爪の先端部分が少し指先の肉から離れてしまう。それが重なって、結果として深爪をしたかの様に指先が痛くなってくるのである。

 血が出る訳でもなんでもないのだが、必要以上に爪の接着面が剥がれると痛いのである。仕方がなく、それ以上剥がれたりしない様に、指先にテープ(IVH部を覆っているガーゼを胸に止めているテープ)を巻いて保護したりしていた。最初はその経験から、爪を切るのをなるべく控えていると、今度は長くなった爪が何かの弾みで物にぶつかるとか、ちょっと強い力が加わる等で、また爪の接着面が少し離れてしまうのである。

  と言う訳で、爪の長さは切り過ぎず、伸ばし過ぎず、微妙に調整している。

2007-08-23

2006-07-18 マルクとノイトロジン(G-CSF)

 マルク(Mark:骨髄穿刺;bone marrow puncture)はノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)注射後、2日間位は避けた方が良いと聞いていたが、その理由をKB先生に教えて貰った。

 WBC(white blood cell;白血球)の値の上昇には当然ノイトロジンの影響もあり、WBC上昇直後やその2~3日位はまだまだノイトロジンのせいで増える可能性がある。そうなるとマルクでの診断が付き難くなるという。即ち、WBCが増え過ぎた場合、骨髄(bone marrow) の白血球が多くなり過ぎて、骨髄液(bone marrow aspirate)像が見難くなる等の影響があるという。

  但し、どれだけWBCが増えたとしても正常なWBCと白血病細胞(leukemia cell)との区別は出来るので、ノイトロジンのすぐ後でも寛解(remission)かどうかを確かめられる事には間違いないらしい。つまり像が混み過ぎて見落とす、見誤る等の危険を避ける為に、その様な時期のマルクを避けているという事か。

2007-08-22

2006-07-18 BMTと消化器外科 

 20時前にTNB先生が来られ、私のお尻の痛みについて話に来られた。私が今日もロキソニン(Loxonin)無しで肛門の痛みを我慢出来なかった事に対し、もう少し本格的に消化器外科で内視もして貰って、移植(transplantation)を前にしっかり治して貰った方が良いだろうとのお話だった。

 そこで私の方も、処方(prescription)されたネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)の鎮痛作用は少なく、ロキソニンの方が遥かに良く効いていると思われる点、こんなに痛むのに、この激痛時にと消化器外科の先生から処方された筈の座薬(suppository)は血液内科では却下されているという矛盾、更に、消化器外科の先生は白血病(leukemia)患者が治療中に痔を患った時というのは、あくまでも私の経験からであるが、恐らく健常人が患う時とは体や患部(the affected part)の状態が違うという事を理解して貰えていないと思われる点を話した。具体的にいうと、私の場合、この白血病(leukemia)の治療で白血球(WBC;white blood cell)が測定不能までに減少している時の患部の状態(肛門の粘膜や筋肉)は、肛門部が感染(infection)してびんびんに腫れて熱を持っているのだが、健常時(入院前)やWBCが多い時の状態とは違って、非常に弱々しくふにゃふにゃと力(りき)が無い状態なのである。うまく表現出来ないのだが。。。 

  更に、この前の消化器外科の診察で、私のは皮膚垂で通常この程度なら切らなくても良いと言われたが、今回、内出血(internal bleeding)は無い状態ではあるが非常に痛む事、炎症(inflammation)で腫れて排便痛が厳しいという事等、色々話をTNB先生に聞いて貰う。先生も消化器外科の先生にもっと踏み込んで、移植に向けての(痔の)治療を考えて貰う様に話をしてみると言って下さった。そうなると、もう一度診察を受けなくてはならなくなるのか。どう転んでも憂鬱だが、この痛さから開放されるのなら、もう既に1回診察されているのだから、再診も我慢出来るというものである。

  骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)の直前には現在の化学療法(chemotherapy)よりももっと厳しい治療で、徹底的にWBCを殺す処置をする。その為、移植時に肛門に炎症を起こすと、七転八倒する位、もっとひどい痛みに苦しむ患者が多いという。移植自体、大変リスク(risk)があるというのに、この話を聞かされると、少しでも移植のリスクを減らす為にも、もう一度受診した方が良いのだろうとも思う。

2007-08-21

2006-07-18 (火) Aコース(3回目) 14日目 

 手足指先のしびれはごく少々、頭痛(headache)は無い。右下唇裏で1ヶ所膿んで痛かったのが2ヵ所に増え、痛い。起床一番で咽頭スワブ(throat swab)があった。

 ステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)の点滴が1時間かけてある。これで今回のAコース全ての点滴が終了する。そして15時過ぎに白血球を増やすノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射がある。

 朝から肛門痛がひどく、出血は無いが排便痛もきつく、ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)ケアにも涙が出る。昨夜ロキソニン(Loxonin)を飲んでから8時間以上経過している事と、朝一番の検温で平熱であった(発熱はしていない)事を確かめてからナースにロキソニンを頼む。ナースは先生に確認を取ってから持って来てくれる。お尻と口が痛い事もあってか、血液検査で炎症反応を見るCRP値も上昇している。残念ながらWBCはまだ底値である。余りの痛さに午後は体を動かさない様にそっと寝て過ごす。17時過ぎにもロキソニンを頼み、夜中にくしゃみ(sneezing)をした時にも猛烈に肛門に激痛が走り、耐え切れず、真夜中の0時半にもロキソニンを飲む。  

 母とのいつもの電話で、今日は体が痛いという。痛みの種類は違うけど、私も唇とお尻の痛みで苦しんでいます。。。

【血液検査結果】7/18:
WBC(白血球数) 測定不能、HGB(ヘモグロビン) 7.8 [g/dl]、PLT(血小板数) 32,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 1.8 [mg/dl]

2007-08-20

2006-07-17 Aコース(3回目) 13日目 IVH交換時期について

 IVHコネクターを右胸に直接留めている糸が3本の内の1本切れてしまっているのだが、うまく固定出来ていないと見え、少々ねじれるのか、管の挿入部が痛い。それとは別に、昨日から茶色のカテーテル側から久々に逆血が見られる様になり、管の詰まりが少し解消したのかと思い、少し精神的安心材料である。

  それでも交換しなければならないのか、やはり不安ではあり、次の治療コースの合間にIVHカテーテル(intravenous hyperalimentation catheter、中心静脈カテーテル)を交換するのかどうかTNB先生に訊いてみると、私の場合、血管が細い事から、リードワイヤーがうまく入るかどうか(2006-06-13参照)が疑問という点と、カテーテルは2本とも完全に閉鎖している訳でもなく、太い管につながっている茶色のカテーテルは十分流れているし、細い方のカテーテルも流れが少し固くなっているだけで通っているので、交換は移植(transplantation)まで見送ろうかと考えているそうである。これを聞いて、更に少し安心した。とにかくあれ(IVH挿入)は辛い。

2007-08-19

2006-07-17 (月・祝) Aコース(3回目) 13日目 今回も

 諸症状に変わりなし。その他としては、右下唇内側に以前少し噛んで傷を作っていた所が治りきらず、少々膿んでいる気配である。

 今日の治療は11時にステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)の点滴が1時間かけてあったのと、15時半に白血球を増やすノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射があるのみであった。

 金曜にWBC(white blood cell;白血球)数がどん底になったせいか、8時前の便通時、出血はないのだが排便痛があり、その後、肛門の痛みが次第にきつくなる。そして10時前にも再度便通があるが、この時には、とにかく排便痛が厳しく、ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)でケアすること自体も非常な苦痛を伴なう程痛くなっており、ここ2~3日、ヤバイかもと思っていた事が現実となってしまった。今回も肛門内の傷がしっかり治らないうちにWBCが減ってしまったのが原因だと思われる。

 今迄先生に頼んで処方された強力ポステリザン軟膏(Posterisan forte)や、消化器外科の処方のネリプロクト軟膏を塗布、又は注入しているが、後者等は腫れを引き局所麻酔(local anesthesia)作用もあると説明書きにあるが、WBCがどん底の時等は全然効かない(効いているとは思えない)。痛みは引かず、肛門の周りがただれてきても、それを保護する効果も無い。消化器外科受診時の先生がひどく痛む時には良く効く座薬(suppository)を処方してくれると言って下さっていたが、やはり、血液腫瘍科の先生は座薬の許可はしてくれなかった様で、未だ処方してはくれていない。WBCやPLT(platelet:血小板)が減少している時期の座薬は危険と判断されたのだろう。となると、残りは飲み薬の痛み止めロキソニン(Loxonin)である。しかし痛み止め薬は、感染(infection)したというシグナルでもある発熱(fever)を下げてしまう作用もあるので、WBCが少ない時期、先生方はなるべく飲まない様に我慢して下さい、とよく言われる。言われている内容は分かるのだが、余りに辛く痛いので、午後一番にTNB先生に痛み止めをお願いすると、夜に飲んでも良い許可を得た。

 ところで処方された塗り薬が余りに効かないので、入院後としては初めてなのだが、持っていたメンソレータム(Mentholatum)を塗ってみた。かつて入院する前、痔になった時、メンソレを患部に塗っていた経験から、ただれている皮膚の保護と腫れた部分の熱を取ってくれるのではないかと期待しつつ塗ってみた。もう立ったり座ったりの僅かな動きすらも痛みで大変厳しくなってきているので、藁をも掴みたい気分で試してみたというのが本心だ。

 さて、その効果はとても大きく、痛みもかなり引き、熱も少し取れている様な気がした。何よりも、余りの痛みの為、もう午後早々に痛み止めのロキソニンを頼まなければならないかもと思っていたのが、これなら何とか夜まで我慢出来るかもしれないと出来るだけ我慢し、夜になってロキソニンを飲む。

  今日は母の所に泊まってくれた次姉が帰る前の午後に15分程、病院に立ち寄ってくれる。母は、昨夜たくさんジンギスカンを食べ、便通もあっておなかがペッタンコになるほどすっきりしたと大変満足していたそうだ。この話を聞くと、母の便秘(constipation)はやはり、平生の食事量が絶対的に少な過ぎるのも原因の1つなのではないかと思う。私の場合、(普通便や軟便ですら)WBCが最低の時の排便が余りに痛くひどいので、とにかくWBCが増えるまで便秘になってもかまわないから便通はあって欲しくないと思う位なのだが、母にとっては大仕事の便通がしっかりあったと聞くと、やはりおめでとう、と言ってしまう。

2007-08-18

2006-07-16 (日) Aコース(3回目) 12日目 ノイトロジン開始 

 諸症状は昨日同様。朝の便通で出血はなかったが、かなり軟便になっている。ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)ケアをしておくが、金曜よりWBC(white blood cell;白血球)がどん底になっているせいか、時間が経つにつれ、じんわりと肛門が痛み出している感じがする。ラキソベロン液(Laxoberon Solution)は就寝前に1回服用するが、今回もまた痔(piles;hemorrhoids)で苦しみそうだ。

 10時半から献血ヴェノグロブリン-IH ヨシトミ (Kenketsu Venoglobulin-IH YOSHITOMI)の点滴が約1時間かけてあった。14日に血液検査で時々行なわれる免疫グロブリン(immunoglobulin:Ig)の項目があったが、その値が減ってきていたからだろう。これが終了してから、Aコース治療後半のステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)の点滴が1時間かけてある。

 15時に第1回目のノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)の注射が始まる。オンコビン(Oncovin)前後のノイトロジンは避ける様にと訊いていたが、オンコビンの静注(intravenous injection)から丸24時間以上経っていると大丈夫なのだろう。

  11時過ぎから14時まで次姉が見舞いに来てくれる。姉と2人でおしゃべりをする。今日は珍しく母のいる実家に泊り込んでくれるという。とてもありがたい。夜、ジンギスカンを用意していて、母のいる2階の部屋で夕食を予定しているそうだ。そして、夜、母から、久々の珍しい夕食に満足したと言う電話をしてきてくれた。母は、いつも夜はヘルパーさんに用意して貰った夕食を一人で食べているが、去年年末に転んでからは、欲しいものがあってもすぐ近くの冷蔵庫から取り出す行為自体が大変でかつ危なくなってきている為、諦めてしまっている事が多い。食器も止むを得ず朝まで放置状態である。でも今日は次姉がいるのでそんな心配等する事なく、また次姉はそのまま泊まるという事で久々に安心していられると思う。私は治療で病院からなかなか出られない為、どんだけ気にしてもすぐに何かしてあげられる訳でもなくもどかしいけど、今日は良かったね、お母さん。

2007-08-17

2006 歯ブラシ事件補足

 歯ブラシ事件の件の追記をしておく。

 歯ブラシ(toothbrush)を消毒(disinfection)して使い回しにされていた事に驚いて、一体どんな方法で消毒するのかをKB先生に訊いた時、先生は歯ブラシの消毒方法はよく知らなかったが、胃カメラ(gastrocamera)等はグルタルアルデヒド(glutaraldehyde)で消毒するのだと言われ、ビックリした。私の仕事ではお馴染みの薬品で、生物組織等を固定(fixation)するのに使用している。それが消毒薬として使われているとは全く知らなかったし、想像した事も無かった。消毒した後はよく洗浄するのだろうけれど、グルタルアルデヒドは強力な固定液というイメージが強いので、今後、胃カメラを飲む機会があるとしたら、それなりに複雑な気分になるかもしれない。

 それはさておき、例えどんな消毒方法があろうとも、歯ブラシの使い回しは気持ち悪く、何とかならないかと先生に訴えた時、口腔外科に先生自身の口から伝えるのを何となくためらう言動をされていた。その時、とにかく上層部に直接話が通る方が効果的と思われた根拠となる話をして下さった。

 KB先生は10年以上前に刑務所にも勤めておられた事があるらしい。そこでの話だが、囚人のヒゲ剃り用のカミソリ(razor)は全て使い回しになっており、毎回全員分のカミソリを回収しては洗浄して次回使用分に回していたと言う。先生は服役者の中にはC型肝炎(hepatitis C)の人もいれば、少数ながらAIDSの人も存在する可能性があり、非常に危険なので、カミソリは個人持ちにする様にと訴えたが、「前例が無い」とか、「管理し切れない」等の理由によりついに聞き入れて貰えなかったそうである。

 ところが、組織の下(末端)の者(ここでは先生自身)がなんぼ叫んでも通らなかった、このカミソリの個人持ちの件(もちろんカミソリを服役者が保管する事は出来ないが)は、ある時、鶴の一声で上層の人がOKを出したら、すんなりとそれが実現(実行)されたという。

 この様な経験から、出来るだけ直接上層部に話が伝わる方が、下手に先生からその科へ話を通すよりは、改善させ易いと考えられた様だ。伝え方が悪いとその科の長(上司)に伝わる前にうやむやになってしまう可能性も無いとも言えないみたいだった。

 それにしてもKB先生は本当に色々な所で勤めておられると、ちょっと感心してしまった。

2007-08-16

2006-07-15 (土) Aコース(3回目) 11日目 

 諸症状変わりなし。午後と深夜にようやく便通があるが、また最後の方に鮮血が付いていた。ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)でケアをしておくが、この調子だと、明日あたりからまた痛み出すのではないかと、少々怖い。ラキソベロン液(Laxoberon Solution)は、今日は1日2回服用する。

 Aコースの後半、11時にオンコビン(Oncovin)の静注(intravenous injection)後、ステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)の点滴が1時間かけてある。ステロイドは今日から丸4日間、点滴がある。

 今回2回目のオンコビン静注前にWBC(white blood cell;白血球)が早くも最低になっていたが、これは早過ぎるのか、許容範囲内なのかを訊いてみた。これは、治療にはいる時のWBCの値が低かったのも一因と考えられるとの事。調べてみると、確かに今回はWBCが2,000位から治療が始まっていた。TNB先生は、しばらくWBCの底値が続くがステロイドの影響で、もし発熱(fever)してもそれを抑えてしまう傾向があるので、感染(infection)や発熱に注意する様に、と言われる。そして次回の採血は月曜日が海の日で祝日なので、火曜日にするとの事だった。

  夜はいつもの様に母と電話でおしゃべりをする。今日は昨日より気分が良くなったらしい。

2007-08-15

2006-07-14 (金) Aコース(3回目) 10日目  脱毛始まる 

 久々の快晴になった。諸症状は変わらず、おおむね良好である。頭髪は残り少なくなったとはいえ、急にパラパラと抜け始めたので、今回の治療での脱毛(alopecia)が始まったらしい事が分かる。

 今日も化学療法(chemotherapy)は無いのだが、今朝の採血で、WBC(white blood cell;白血球)が無くなっていたので、今日からは極力部屋からも出ない様に心がける事となる。また、HGB(hemoglobin;ヘモグロビン)も7にまで減っていたので、赤血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)が2単位あった。夕方から始まったが、これは終了するのに5時間近くもかかった。

 それから普段は大体午前中にある便通が1日無かったのと、治療も中盤でWBCが測定不能にまで減少したので、便秘便で肛門を傷付けない様に、下剤(cathartic)のラキソベロン液(Laxoberon Solution)の服用を今晩から開始する事にする。便を軟らかくするカマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)をいつもは1日3回服用しているが、明日使われる抗癌剤(anti-tumor agent)のオンコビン(Oncovin)の副作用に対応する意味も兼ねて、昨日から1日4回に増やしている。

 夜になって、微かに花火の打ち上げられる音がしてきた為、ブラインドを開けて窓の外を見てみると、Tヶ池の花火が夜空を飾っていた。私の個室からは建物や山に遮られる事なく綺麗に見える。何か国際会議でも催されているのかもしれない。前いた4人部屋の角度では花火は見られないので、その時は花火を見られる廊下の突き当たりまで歩いて見物に行ったが、打ち上げの音に気付いた他の部屋の患者さん達が既に数人集まって楽しんでおられた。私の今度の個室もなかなかの絶景で、部屋の明かりを消して、しばし花火見物を楽しませて貰った。この夏、あと何回か楽しめるだろう。

【血液検査結果】7/14:
WBC(白血球数) 100未満 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.0 [g/dl]、PLT(血小板数) 82,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.1 [mg/dl] 、
Ig-A 54.7、Ig-G 479.0、Ig-M 45.5

2007-08-14

2006-07- 13(木) 最近の眉とまつ毛 

 この2~3週間の眉とまつ毛の様子についてまとめてみる。

 6/17はケモ(化学療法:chemotherapy)も中盤、全8クール(Kur)あるうちの4クール目で、Bコースの2回目(day8)である。最近、眉毛(eyebrow)もまつ毛(eyelashe)もかなり抜けて、スカスカの、情けない状態になってきた。

 6/24、Bコース2回目の15日目で、入院90日目(3ヶ月)である。まつ毛は右の上目蓋に長いのが2~3本残っているのみで、長いまつ毛は全て抜けてなくなっている。中くらいと非常に短毛のまつ毛がまばらに生えて残っている。短毛のまつ毛はもしかするとケモ(化学療法:chemotherapy)とケモの間の回復期に新しく生えてきたまつ毛かもしれない。眉毛はかなり全体的に薄くなり、貧相になってきた。まつ毛は抜ける時、よく眼の中に落ちてくる事が多く、困る。

 7/5、入院101日目で、Aコース3回目が始まった。この日、まつ毛は一本抜けてとうとう左下目蓋に1本、右上目蓋に1本だけになってしまった。それにしても抜ける時のまつ毛は何故か皆、目尻側に横向きに倒れて行き(寝そべって行き)、挙句の果て、力尽きるかの如く眼の中に抜け落ちる率が高い。その為、目の中のまつ毛を取り除くのに毎回苦労する。

 7/8、左下目蓋に一本だけ残っていた長いまつ毛が抜けて目の中に入ってしまう。これで長いまつ毛は右上目蓋に1本のみとなった。後は、ごく短毛が少々生えているだけである。

 7/13、Aコース3回目の9日目、最後まで残っていた長いまつ毛1本がとうとう抜けてしまった。

 現在薄い布製の帽子をかぶっているが、何かの折に壁にもたれようとした時、頭が壁にゴツンと当たり、ひどく痛くて驚いた事があり、髪の毛は自分の想像以上に頭部を守るクッションの役割もしていたのだなぁと改めて感心している。その他、最近気が付いたのだが、薄くなったが眉毛がまだ少々残っているのに対し、まつ毛はごく短毛以外、全て抜けてしまい、驚く事に鼻毛がいつの間にか殆んどなくなっていた。最近、何か熱いものを飲んだり食べたりすると、鼻水がテーブルの上等にストレートにポタッと落ちてしまって、おかしいなぁと思って鼻の穴を鏡で覗いてみて、つんつるてんになっているのを発見し驚いてしまった。鼻水が落ちない様に、しょっちゅう鼻をかんでいるので、結構難儀している。鼻毛がこんなに大切だとは知らなかった。

 抗癌剤(anti-tumor agent)で脱毛する(毛が抜ける)とは聞いていたが、とにかく毛という毛、鼻毛に至るまで抜けて行ってしまう。頭髪は剃らなかったので、まだ抜け切らずに襟足あたりにごく少し残っているのが分かるのだが、髪は全部抜けても我慢出来る。しかし、眉毛やまつ毛が無くなるにつれ、貧相な、何となく怖い顔になってしまい、鏡で自分の顔を見たくなくなる。試しに眉墨で眉を描いてみようとしてみた事があるが、毛が抜けてしまうと、皮脂(sebum)が出てくるとみえ、なんだかはじいて眉墨が上手くのらない(描けない)のである。

 白血病(leukemia)のドラマや映画が色々あり、抗癌剤治療で頭髪が抜けるくだりでは、多くはニット帽をかぶってそれを表現している。しかし帽子をかぶった役者さんには当然、眉毛やきれいなまつ毛がある。長いまつ毛の影がおちる横顔が美しい。もちろんそこまで剃ったり抜いたりする必要等、ストーリー上、全く必要ない。現に抗癌剤治療を受けて頭髪が抜けてしまった患者さん達は大半が帽子をかぶっている。しかし、治療初期はまだ眉毛やまつ毛が残っているのだが、治療を繰り返すにつれ、抜けて無くなっていく。それを知らなかった。カツラ(wig)をかぶれば良いと思っていたが、眉もまつ毛も無くなると、カツラをかぶってもなんだか違うのである。

 不思議なもので、まつ毛等も抜け始めて無くなってくると、先生やナース、テレビに出てくる人物等、やたら人の眉毛やまつ毛ばかりに目がいってしまう様になった。妊娠(pregnancy)すると道行く妊婦が目に付く様になるといった話と似ているのかもしれない。先生やナースは必ずマスク(mask)を着用しているが、目や眉はマスクの外で見えているので尚更見入ってしまう。みんなしっかり生えているなぁ~っと。

 化学療法(chemotherapy)で、無くなるのは毛だけでなく、健康だった顔色もである。普通ではない、どの様に例えたらよいのか、とにかく病的な色になってくる。無くなってくると、帽子も今迄以上に目深にかぶってしまう。こういった精神的なものもあるが、一方で無意識に深くかぶってまつ毛の代わりにしようとしているのかもしれない。まつ毛が無くなるとゴミや埃がよく目に入る様になって困る様になったからである。


  私の入院での先輩患者さんのISさんの事を、入院初日に見た時、心の中で怖いと思ってしまった事が申し訳なく、今の自分はまさにその状況になって来ている、もう立派な白血病患者なんだと、日々自覚する、そんな毎日を送っている。

2007-08-13

2006-07-13 (木) Aコース(3回目) 09日目 治療の中休み2

 諸症状と腰痛(lumbago;backache)等は前日と変わらず。便通では今日は出血は見られなかったが、ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)ケアを開始する。昨日シャワーの許可を貰っていたので、シャワーを浴びておく。もうそろそろ白血球(WBC;white blood cell)数がグンと減る頃なので、またしばらく浴びられなくなるだろう。

 今日も治療の中休みで何も無いので、階段昇降自主リハビリ(rehabilitation)、計3回と、ついでに入院費の支払い等を済ませておく。その他、届いたメールの返事を作成したり、TVを見たりと、結構リラックス(relax)した一日を過ごす。

  母は(一昨日は便秘を除く限り気分が良いと言っていたが)、昨夜便通があったと嬉しそうに電話で話してくれた。母は脚も大変弱ってきているのに便秘によるトイレは大変エネルギーを消耗する大仕事になってきているので、とにかくおめでとうと、言いたくなる。お母さんもガンバって。

2007-08-12

2006-07-12 (水) ベッドマット交換

 ベッドマットをもう少し柔らかめのものに交換して貰う。

 入院初期に、私は椎間板ヘルニア(disk herniation)による腰痛(lumbago;backache)がある為、病院のベッド(bed)が固くて辛い話をした時、ナースは並々の突起のあるスポンジ状のベッドマットを敷いてくれた。これは体を面ではなく点で支える分、腰にも負担が少ないと言われているらしい。しかし実際に寝てみると、見た目程柔らかくなく、これは腰痛の改善とも現状維持ともどっちとも付かない感じで、私には家のベッドの方がより快適な寝心地に感じていた。しかし、病院ではこんなものなのだろうと思って、それ以上は何もお願いはしていなかった。

 ところが昨日、看護主任であるFDナースがその事を思い出してくれたのか、急にベッドマットの寝心地を聞いてこられ、もう1つ他のタイプの、コンニャクみたいにぐにゃぐにゃしたマットがあるから試してみないかと言ってくれたので、取り敢えず一晩試す事になったが、何となく前のよりも良さそうな感じであった。

 一晩使用した感想は、今回のベッドマットは私の好みに近いらしく、今朝の腰痛はマシであったので、このマットで、このまま続けて使用する事にした。ベッドマット(クッション)には色々種類があるらしく、我慢せずにもっと早くナースに聞いて試したら良かったらしい。

2007-08-11

2006-07-12 (水) Aコース(3回目) 08日目 治療の中休み

 手足指鼻舌先、ごく軽く痺れを感じる。唇の皮は相変わらずよく剥ける。これと同じ調子で舌の表面(表皮)も剥けている感じがする。頭痛(headache)無し、立ち眩み(dizzy)は時々起こり易くなった感じがする。喉の奥に痛みというか少々違和感がある。脚にむくみは無く、体重は漸く正常に戻った様である。気分は随分良く、治療は中休みで何も無く、階段昇降自主リハビリ(rehabilitation)を今日も計3回行なう。

 13時に便通があり、便に血が混じる。普通に軟らかい便で下痢(diarrhea)でもなかったのだが、少々腹痛(abdominal pain;abdominalgia)を伴ない、便の表面に鮮血が付いているという状態であった。肛門内の粘膜は、前回の治療中のダメージ(白血球数がゼロになった時に長く痔をこじらせた等)からまだ十分に回復していなかったらしい。これから白血球(WBC;white blood cell)が減少する時期でもある事から、回診(round)に来られたKB先生と相談し、ネリプロクト軟膏(Neriproct Ointment)の使用を再開する事にする。

 血液検査の結果はWBCが700で好中球(Neutrophil)数が630個であった。TNB先生は夏休み中なので、YM研修医に明日シャワー可かどうかを訊くと、明日の朝、熱が出ていなければシャワーを浴びてもよい、と許可が出た。YM先生曰く、先生方によって判断がまちまちになるので、どの先生の考えによるかが難しいところらしい。確かにTNB先生なら許可が出るかどうか微妙な値である。ちなみにこれは病院によっても異なってくるらしく、KB先生がかつておられた北陸のKZ医大は、WBCが測定不能の0になってもシャワーの許可を出していたそうだ。ちょっと驚きである。

 今朝は曇り空だったが、アブラゼミがジージーと鳴き始めた。いよいよ夏になったみたいだ。

【血液検査結果】7/12:
WBC(白血球数) 700 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.4 [g/dl]、PLT(血小板数) 110,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.1 [mg/dl]

2007-08-10

2006-07-11 (火) Aコース(3回目) 07日目 キロサイドのルンバール

 腰痛(lumbago;backache)少々。昨日下痢(diarrhea)が続いたので、カマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)は服用中止する。今日は2回、下痢気味だったが午前で大体おさまり。食欲も出てきた。喉の奥が痛い感じがするが、これはスープを飲んだ時のやけどによるものかもしれない。階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)を、1日で計3回、その他、色々と雑用をして過ごす。

 本日の治療予定は、例の気の重い、ルンバール(Lumbal:腰椎穿刺)のみである。注入する抗癌剤(anti-tumor agent)はキロサイド(Ara-C:Cylocide)である。10時開始予定だったのだが、夏休みを取られたTNB先生の代理立ち会いの先生が所用か何かでなかなか現われず、10時半になってようやく代行の代行立ち会い先生(IO先生)に、少し遅れて当初の代行予定のMI先生も加わり、YM研修医の施術で行なわれる。彼女は、ルンバールは慣れているらしく、前の病院では先生の立ち会い制度が無かったので、今すぐに開始出来るのですが、と立ち会いの先生が来られるまでの待ち時間に話しておられた。とにかくルンバールの時はいつも「丸く、丸く、出来るだけ丸くなって」とTNB先生に声掛けられていたのだが、今回はそんなに丸くなりもしない内に、私の背中で先生達の和やかな冗談話等が交わされている内に、髄液(脳脊髄液;cerebrospinal fluid)の回収と抗癌剤の注入がすんなりと済んでしまった。うまくいけば、あんなに膝を抱え込んでキュウキュウに丸くならなくても施術が出来るのだと初めて知った。その分、いつもよりはとても楽であった。自主的に2時間仰向け安静(rest)に寝て過ごす。夕刻結果を報告しに来てくれたが、今回も無事、悪い細胞は検出されず。

  今日は月に2回のIVHコネクタ交換日。ナースにお願いして、コネクタ部分を記念に貰う事にした。これは点滴を繋ぐコネクタで、IVHカテーテル(intravenous hyperalimentation catheter、中心静脈カテーテル)の胸の外に出ている2本の管(カテーテル)に連結されている。写真で水色端が点滴と繋ぐ側、透明端がIVHカテーテルに繋がれる側、管の途中に見える青色の部分はストッパーで、点滴時はストッパーを解放する。点滴を自由落下でなく、装置を通して機械的に流す場合、このストッパーがしっかり閉じていても、装置に入力した設定時間と液量で流れてしまう為、ナースはごく稀に、このストッパーを外すのを忘れた事に気付かない事もある。

2007-08-09

2006-07-10 (月) 皮膚に茶色のしみ(色素)出現 

 最近、皮膚(体表)に茶色のしみ(色素)が出現しているのに気が付いた。今迄には無かった左人差し指側面とか右中指に少々濃いのが見られる。顔では、これもかなり前から口唇すぐ下や左下唇、右口角の外側にしみか薄いほくろの様に3つ色素が見られる。これらは今まで見た覚えが無い。もともとそばかすが多いのだが、こちらも増えている感じがする。鼻の先などのしみも急に増えている。

 また、7/1(土)の外泊時、母に言われて気が付いたのだが、肌(皮膚)の色が黒くなった。太ももや二の腕の内側等は真っ白な位、色が抜けて白かったのに、どこもかしこも茶色くなっている。

 抗癌剤(anti-tumor agent)等の副作用かと思い、色素沈着(pigmentation)とかしみの出現等はあるのかをKB先生に色々と訊いてみた。すると、先生は抗癌剤の副作用よりも、肌が茶色くなった原因の1つに、鉄分(Fe)沈着が考えられると答えられた。

 どういう機序かというと、抗癌剤で血球を殺していくので、赤血球(RBC:red blood cell)を作る成分の1つの鉄分が使い切れない上に、輸血(blood transfusion)迄する為、消費し切れないまま鉄分が過剰になってくる。この場合、体全体が鉄色に黒ずむ事はあり得る現象だと言う。これが肝臓とか心臓(腎臓と言っておられたかもしれない)に沈着すると、少々問題があるとも言われたので、体全体が茶色になったけれども、肝臓とかに集まらなかっただけ良かったのかも、とも考えた方が良いのかもしれない。どれ位で元の体色に戻るのかを聞いたが、年単位でかなりかかりそうな事を言われた。本当に自分でしっかりと受け止める暇も無い位に様々な事が次々と自分の体に起こってくる。自分の体なのに。。。

2007-08-08

2006-07-10 (月) アズノール軟膏 

 アズノール軟膏(0.033%) (Azunol Ointment)、成分はジメチルイソプロピルアズレン(グアイアズレン)0.033%で、チューブに入った塗り薬である。

 これは以前、ガーゼを止めるテープ(紙テープ等)でかぶれてしまった時に処方された軟膏で、炎症性皮膚疾患治療剤である。

 今回、肛門を単純に保護する塗り薬が欲しいといった時、これが使える事が分かった。前回の治療中で、痔になってしまい肛門が弱っているので、通常の便通でも肛門が切れてしまったりする危険性を少しでも防げないかと思って頼んでみたのだ。しかし、使用部位が肛門という事もあり、肛門専用のものを別に用意した方が良いだろうという事で、小さな蓋付きの容器に入れたものを用意して貰った。

2006-07-10 (月) Poikilocytosis 

 本日の血液検査結果表にPoikilocytosisというのがあり、結果欄に「+」と出ていた。これについては先生からは特に説明が無かった。

 辞書で引くとPoikilocytosisは奇形赤血球症、変形赤血球症というみたいだ。調べた内容は以下の通り。

・ 医学辞典では、赤血球の形状が変形する疾患で、『ポイキロチトーゼ』と読むらしい。

・ 末梢血(peripheral blood)血液中に変形赤血球が存在する事。

・ 様々な形をした赤血球がある状態をいう。巨赤芽球性貧血(megaloblastic anemia)や鉄欠乏症貧血等の造血異常を伴なう疾患で見られる。また、火傷でも見られる事がある。

・ 変形赤血球(増加)症、異形赤血球(増加)症。奇形赤血球の多数出現する場合を言い、播種性血管内凝固症候群、血栓性血小板減少性紫斑病等で見られる。

2007-08-07

2006-07-10 (月) Aコース(3回目) 06日目 

 今朝は九州に台風接近で曇り空。しんどくだるい。体重((body) weight)は昨日と殆んど同じで変化なし。脚はむくんでいない。食欲は無く、ムカムカする感じである。先生曰く、今日あたりから食欲は戻るだろう、との事。しかし昼食は、こう言っては悪いが非常にまずいお魚のおかずだったので、食欲がわかず、ご飯も残し、冷凍野菜スープとバナナ等で済ます。夕食もインスタントのスープパスタとおかず半分で済ます。それでも少しずつ食欲が戻りつつある感じがする。

 今日は治療が無い日なので、シャワーを浴びたり、血液検査の結果、白血球(WBC;white blood cell)等の値がまだ多かったので、午後は階段昇降自主リハビリ(rehabilitation)をしたりする(6F分、午後、夕刻、夕食後と計3回)。午後にはKB先生と長々と雑談をする。体調の事とか、生理不順、色素沈着や肌の黒ずみ、卵子(egg;ovum)保存、個人情報の扱いと大部屋の矛盾等など。。。 先生もガス抜きと称して、色々話しに付き合って下さった。

 便通は午前2回、午後は計3回、昼からは下痢(diarrhea)気味になったので、ラキソベロン液(Laxoberon Solution)は午前の1回で、夜は中止にし、下痢が続いたので、就寝前の(4回目の) カマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)も止める事にしたが、体重は漸く減ってきた様だ。

 母との恒例の電話では、今日も気分が良さそうで良かった。いつもの様に本日の治療経過報告をする。

【血液検査結果】7/10:
WBC(白血球数) 1,800 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.7 [g/dl]、PLT(血小板数) 148,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.0 [mg/dl]

2007-08-06

2006-07-09 (日) Aコース(3回目) 05日目 

 未明の深夜、見回りの新米ナースがごそごそしていた為、起こされてしまう。【中略】

 今朝も手足指先のしびれ(numbness)は前日同様。両手足の痒みはまだ少々残る。朝からだるく、朝食も出されてから1時間以上経ってから漸く何とか食べてみる。食欲なく、1日中ムカムカする。これは昨日の抗癌剤(anti-tumor agent)の副作用と思われ、明日には治まるだろうと思う。ここ2~3日、また私だけに特有らしいと言われた、ルンバール(Lumbal:腰椎穿刺)後に起こる胸の奇妙な痛みが時々生じる。今日は点滴が外れている午前と夕方の計2回、階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)をする。やはり、(自己アレンジ)踏み台昇降よりは達成感があって自分に合っている様に思う。

 体重は1kg弱減ったが、脚のむくみ(軽度)は前日同様で良くも悪くもならない。結局、利尿剤(diuretic)の効果があったかどうかは良く分からなかった。昨日の便通の量はたいした量ではなかったので、TNB先生と話し合って下剤のラキソベロン液(Laxoberon Solution)を朝晩の2回(10:20と22:30に各15滴)に増やしてみる事になる。ラキソベロンは、1日30滴迄は大丈夫なので、その範囲内で様子を見ながら調整して下さい、という事で量は自分で調整する。便秘(constipation;obstipation)で苦しむよりは、と思い、先ずは大目(普通は逆だろうが)にした。

 TNB先生は来週の火・水・木と夏休み(summer vacation;summer holidays)をとられるそうで、7/11(火)のルンバールは先生と同期のMI(松井)先生に立ち会って貰う様にしたので、心配しなくても大丈夫、との事であった。こういう事を事前にちゃんと連絡して貰えると、いきなり聞かされるよりは遥かに安心出来る(心の準備が出来る)。

 本日の治療プログラムは、12時からのソルデム・メイロン(Soldem・Meylon)の5時間点滴のみ。明日は何もないので、ちょっと息がつける気分だ。それともう1つ、今回、IVHカテーテル(intravenous hyperalimentation catheter、中心静脈カテーテル)のへパフラッシュ(点滴の管にヘパリン(heparin)を通す事をヘパフラッシュと呼んでいる)で、茶色の太い方のルートに、久々に逆血があった。最近、IVHカテーテルの通りが悪い、固い、詰まりかけているので挿入し直した方が良いのではと言われたりとか、留めている糸が切れたりとかして、やり直さねばならないのかと、かなりビクついていたが、通りが良くなった(元通りになった)みたいなので、少しホッとする。願わくば、この調子で白色ルートも逆血して欲しいと思う。

2007-08-05

2006-07-08 (土) ラシックス 

 利尿剤のラシックス(lasix)はフロセミド(furosemide)製剤で、降圧剤(hypotensive drug;antihypertensive (drug);depressor)・利尿薬(diuretic)である。

 これは静注(静脈内投与;静脈内注射:intravenous injection)されたが、最初の1時間は20~30分毎にトイレに行きたくなる程の利尿作用があった。『ラ・シックス』という名前だけあってこの効果は6時間持続する、という話もあるそうだ。

2006-07-08 (土) Aコース(3回目) 04日目 

 指先、鼻の末端がしびれている感じがある。便通は昨日ごく少々あったのみで今朝はまだである。その為か、体重((body) weight)は入院以来最高となるが、脚はそんなにむくんで(swell;bloat)いない。両手足が痒いのは続くが発疹(exanthema;eruption)はない。目を左右に動かすと、目じり側に粘膜が目ヤニの様に寄って来る。

 本日4日目の治療は11時にナースがデカドロン(Decadron)のステロイド(steroid)の1時間点滴を繋いで行った後、TNB先生が来られ、先ず吐き気止めのカイトリル(Kytril)を静注(intravenous injection)後、抗癌剤(anti-tumor agent)のオンコビン(Oncovin)を静注、蓄積毒性があるといわれる、毒々しいオレンジ色のアドリアシン(Adriacin)の点滴を1時間の予定でセットされた。TNB先生は、私に余り吐き気(nausea)症状が出ないので、今晩のカイトリルは中止にすると言われる。但し、吐き気等の症状が出てくればすぐに連絡して下さい、との事である。24時間持続点滴終了後、14時半からソルデム・メイロン(Soldem・Meylon)の5時間点滴が始まった。

 今日はそれに加え、体重が増加しているので、11:15に利尿剤(diuretic)のラシックス(lasix)を追加で静注される。TNB先生は、体重増加で、取り敢えず利尿剤を打ったが、オンコビンとアドリアシンもあるので、今日は水分を多く採りつつ、尿を出す様にして欲しい、と言われる。先生の話では、抗癌剤のエンドキサン(endoxan;cyclophosphamide)で体重増加現象が起こる事もあるらしい。KB先生の話では、デカドロンでも体重増加する事もあるという。

 点滴疲れか、1日うとうととしつつ、利尿剤の為、小まめにトイレに通う。20時にやっと全ての点滴の管が外され、Aコース前半の主な点滴が終了した。

  夕食は気分が悪くなり、おかずを半分のみ食べ、ご飯は食べなかった。少しむかつきがあったが、もう夜の点滴もないので、先生を呼ぶ事はしなかった。就寝前、ラキソベロン液(Laxoberon Solution)を服用する。

 ところで、昨日のWBC(white blood cell;白血球)の値が十分高かった為、朝一番にTNB先生にシャワー許可を得、24時間持続点滴の終了する13時から13時半までにシャワーを浴びておく。入院当初は治療が始まればコース終盤の白血球が再度増える時まで絶対シャワー等無理だと思っていた。しかし入院も長期になり、同じ治療を繰り返し行なっている間に、ここでは治療中でもまだ白血球数の多い時期で点滴がない時なら、シャワーの許可が出る期間がある事を知ったので、出来るだけ浴びる様にしている。やはりホットタオルで体を清拭するよりずっと楽である。私の拭き方が悪いのか、何かコツがあるのかは知らないが、病室のベッドで、温タオルで体を拭くのは結構体力を消耗して疲れるものである。 

2007-08-04

2006-07-07 (金) Aコース(3回目) 03日目 七夕

 今朝は曇り空。手先指先のしびれ少々。頭痛なし。喉奥に少々違和感がある。腕・足が昨日より少々痒い。金曜日なので午前中に恒例のシーツ交換がある。

 毎食後カマグ(酸化マグネシウム:Magnesium Oxide)を飲んでいるが、今晩から就寝前にもカマグを飲む事にする。明日抗癌剤(anti-tumor agent)のオンコビン(Oncovin)があるのだが、これの副作用に便秘(constipation)がある為、それに備えて飲む様にTNB先生に言われたからである。その他に、ラキソベロン液(Laxoberon Solution)も服用する事にする。

 ステロイド(steroid)の影響とはいえ、WBC(white blood cell;白血球)が10.5と増え過ぎ位の値に増えてくれている。網赤血球数(reticulocyte)は高値なので、赤血球(RBC:red blood cell)はまだ自力で増加の可能性があるそうだ。PLT(platelet:血小板)はまずまずといったところである。炎症反応を見るCRPは0.1に更に減り、治療開始に当たって、取り敢えず一安心である。

 本日分の化学療法(chemotherapy)の点滴も前日と全く同じ内容である。その点滴の合間に踏み台昇降を前日と同じく、120回を計2セット、自主リハビリ(rehabilitation)のつもりで行なってみるが、本日も点滴等の疲れで、1日よく寝て過ごす。

 今日は七夕であるが、昼食は綺麗な色の付いたそうめんが入った七夕そうめんであった。今年初めてのそうめんである。麺類は好物なのでとても嬉しい。ここの病院食は決してお世辞にもおいしいとは言えないが、こうした節目節目に季節を感じさせるメニューがある。その時はちょっとリッチな食材を使ったメニューになっている。空調の効いた部屋で治療中は病棟から出ない様にいわれている病気になり、こうも長期入院となると、こういうのが少し楽しみになるし、これがなければ今の季節はいつなのかとか、よく分からなくなってきてしまいそうだ。気分的にもいい。夕食は鮎の塩焼き等、少し豪華な食事だった。次は何時だろう♪

【血液検査結果】7/07:
WBC(白血球数) 10,500 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 8.2 [g/dl]、PLT(血小板数) 185,000 [/μl]、CRP(炎症反応) 0.1 [mg/dl]

2007-08-03

2006-07-06 (木) 個人情報と知りたい情報

 TMという名前の人が、クリーンルーム(無菌室:clean room)入りしていた。この人と直接面識は無いが、私が4人部屋から個室へ移り、かなり経ってから大部屋に入って来た人の名前である。廊下を歩いてトレーニングしている時に各部屋のネームプレートを見ていたので知っていた。何故かというと、ここの階は血液の患者さんが少なく(上の階が主の病棟らしい)、4人部屋は男女各1つ、それ以外は個室に分散している。そして血液の患者名は黄色のプレートを使用、老年科の患者名はブルーのラインが引いてあり、その他(内分泌科・代謝内科)は普通の白プレートに名前が書かれているので、部屋の前のプレートだけで区別がつくのである。

 このTMさんは4人部屋に一番新しく入室し、一番誰よりも早くクリーンルーム入りした事になる。そして19時頃偶然前を通りかかった時、クリーンルーム内に先生方とナースが多数集結しているのが見え、「今から移植が始まります」という声が聞こえた。ちなみに私の担当の先生方は一人も混じっていなさそうであった。

 いずれ私も移植をする方向で治療がなされているので、やはり非常に気になり、夜の検温に来たナースに、今、移植が始まっている人は何という病名で、移植の種類は何か、臍帯血(cord blood)移植か、骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)か等を聞くと、ある程度以上の事はやはり個人情報法に引っかかるらしく、病院側からは話せないという。

 4人部屋で毎朝先生が入れ替わり立ち代わり数人、ほぼ同じ内容の事を担当患者に対して問診して行かれる。しかも患者によって担当の先生が違うとそのグループの研修医等も加わるので、それだけ回診(round)で出入りされる先生の数も増える。カーテンだけで仕切られたスペースなので、他の人に聞かれたくない内容(例えばお尻の具合)等もあるのに、知られてしまう(聞こえてしまう)。個人情報云々というのなら、こういったデリケートな所の情報こそ、人に聞こえない様にして欲しいと思うのだが、そうなると、毎回大部屋の患者さんは個室に呼んで問診する必要が出てくる。しかし、患者の体調によってはベッドから動けない事もあるので、個別診察に当然無理も出てくる(限界がある)のは分かるのだが。逆に言うと、他の患者さんの事も自然と聞こえてくるので、特に患者同士で直接聞かなくても随分とわかってしまう事も沢山ある状況である。これは以前にも書いた通りで、ひどく矛盾した状況なのだが、一旦、個室に移ってしまうと、今度は接点がなくなってしまう分、何の情報も入って来ない。誰が骨髄移植をするか等、今回の様にクリーンルームにネームプレートが掛かったから分かるのであって、わざわざ4人部屋に行って声をかける勇気等なかなか沸かない。

 以前、私が隣のベッドに寝ている人の病名を聞いた時に、KB先生も個人情報なので、といって教えてはくれず、代わりに、「患者同士が話をする分には問題ないですが」と答えられた事がある。本人が嫌と言えば当然聞かなくてもいいと思っているが、なかなか自分で直接聞く事はキッカケか何かが無いと難しいと感じる。その仲介役を先生かナースが受け持って貰えないだろうかと常々思っているのだが。

 ところで、今回も、個人情報保護と言って何も教えて貰えない一方で、4人部屋では情報だだ漏れという、その矛盾等をKB先生に色々と質問したり聞いたりしていたのだが、その中で、かつて先生が在籍されていたアメリカの病院では全室完全個室だったと言う話があった。それならばプライバシーは完全に守られそうだが、1日の室料のみで1,000ドルだったという。余りに高いので驚いたが、ハリウッドスターの入院も多い病院だったそうな。高い分、至れり尽くせりの完全看護体制が整っていたという。国とスケールの違いに驚かされた。

  話がそれてしまったので、話を元に戻すが、本当に知りたいのは、教えて貰いたいのは、例えば移植が決まった患者さんに不安や心配はないかとか、通常病室に戻った移植患者さんに、移植はどんなものなのか、クリーンルームでの生活はどうなのか等といった、実際に治療を受ける患者側の生の声である。先生やナースからの話だけでは知り得ない(聞いても得られない)、もっと踏み入った事も、もし聞いて教えてくれる患者さんがいたら教えて貰いたいと思うのだが、知り合うきっかけがないし、全く病名(病気の種類・性質)が違う人に声掛けてしまっても却って迷惑を掛けてしまうのではないかと思うのである。本心としては私と同じ急性リンパ性白血病の患者さんがいるのなら知り合いになりたいと、入院以来ずっと思っているのである。私と同様の治療を受けておられる患者さんでも、病名が違えば点滴される薬の内容が違うからだ。ネットで検索してみても、この病院で行なわれている治療法はたかだか4~5年目の新しいものと言われただけあって、同じ治療を受けている人(のページ)を未だ見つける事が出来ていない。急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL)に罹る人は急性骨髄性白血病(acute myelocytic leukemia;AML)の人より少ないので尚更である。しかしこの病院内なら同名の病気の人に出会える確率が大(当然治療法も同じ可能性が大)である。それなのに、病名すら教えて貰えず、キッカケがつかめず、ちょっとジレンマ(dilemma)を感じる。

2007-08-02

2006-07-06 (木) Aコース(3回目) 02日目 MTXのルンバール

 手足指先のしびれは先端部分に少々ある。舌左側の痛みは消失した様だと先生(YM研修医)に伝えると、塗り薬は再び痛む事があれば再開する事にするとして、デキサルチン軟膏(Dexaltin Ointment)の使用は一旦中止する事になった。塗るのは少し面倒というか付けにくいものだったが、本当に良く効く薬だった。

 10時にYM研修医によるMTX(メソトレキセート:Methotrexate)のルンバール(Lumbal:腰椎穿刺)が、TNB先生の立ち会いの下、自室のベッド上で行なわれた。今回は少し背骨右側に針を挿されている感じが続き、気持ちが悪かったが、ひどく痛む事は無く、無事に終わった。施術後はいつもの通り、先生から言われた時間よりも1時間位余分に仰向け安静(rest)にして、頭痛(headache)予防に備えた。

 本日分の化学療法(chemotherapy)の点滴が前日と全く同じ内容で始まった。副作用なのか、ルンバールの緊張からか、1日だるく、眠い。

 踏み台昇降を試みる。治療が開始されると24時間点滴の管に繋がれてしまうので、非常階段を利用した階段昇降の自主リハビリ(rehabilitation)は当然出来ない。日々体力が衰えているのを外泊時に痛切に感じ、点滴に繋がれたままでも出来る、何か体力維持になる様な運動はないかと考えていた時に思い付いたので、試してみたのだ。個室にある来客用の椅子(座面高35cm位)を利用して120回を計2セット行なってみた。果たしてこれがどれだけ効き目があるかは不明だが、何もしないより、した方がいいと信じて黙々と。。。

  夜、母と電話をする。今日は気分良いそうだ。一日中ひどく痛く苦しい日が続くと思えば、今日みたいにずっと楽な日があるらしい。

2007-08-01

2006-07- 05(水) 点滴スピードについて 

 よくナースが点滴の落ち具合を見に来る時、点滴のスピードを時計と睨めっこしながら確認している事がある。約2秒で1滴というのが多い様な気がする。但し、これは点滴装置を使わない、自然落下に任せた時の点滴の話である。

 ある時、新米ナースに点滴スピードについて聞いてみた時、「確か15滴で1mlと習いました」という話をしてくれた。そこで、ちょっと計算してみたのだが、もし15滴で1mlというのが正しいのなら、100ml(1,500滴に相当)の点滴を1時間(60分)で済ませるには、1滴を2.4秒で落とせばよい事になる。

 1滴を2秒で流す様にすると、50分かかる計算になる。

  しかし、これは計算上の話で、実際は、寝た姿勢から座ると遅くなってしまう等、体勢によっても変わってしまうので、あくまでも目安という事になる。