2007-03-31

2006-03-28(火) CVカテーテル挿入

 朝6時に起床の放送が静かに流れた。間もなく朝の検温にナースが各病床を回ってきた。また、朝食前には採血があった。はじめ輸血(blood transfusion)してもらいたくて入院したのに血を抜かれてばかりである。今日治療の為に必要なCVカテーテルを胸に挿入するという。IVH(intravenous hyperalimentation)カテーテルとも言う。CVカテーテルといわれても良く分からないが、要するに中心静脈CV(central vein) (主として上大静脈)内にカテーテル(catheter、点滴の管と考えればよいか) の先端を挿入・留置するというのだ。その管(カテーテル)から抗癌剤(anti-tumor agent)等を点滴する事になる。なんだかゾッとする。しかし胸にそんなものをつけてしまえばもう風呂にも入れないと思い、ナースに聞くと、シャワーの予約を取ってくれたので、朝食後に昨日の右手首のカテーテルが濡れない様に防水してもらい、そろりそろりとシャワーを浴びた。この病気は感染が怖いのでお風呂(湯船に浸かる)のはNGだそうだ。シャワーならお湯が上から下へ流れ落ちていくので、許可しているそうだ。ただ、私がまだ極度の貧血(anemia)なので、万が一気分が悪くなったりめまいがしたらすぐにナースコールをする様にと心配そうにナースから注意された。そう、血小板(PLT:platelet)の輸血はあったが、赤血球(RBC:red blood cell;erythrocyte;red blood corpuscle)の輸血はまだなのである。

 11時、CTカテーテル挿入が昨日骨髄穿刺 (マルク:Mark;bone marrow puncture)をしたのと同じナースステーション一角の処置室で行なわれた。また3人の医師団が揃っていた。施術者はTS先生。このCVカテーテル挿入は非常に辛いものであった。例えば脈を診る時は手の親指側の手首静脈が見えるのでそこを押さえればよいと理解できるが、右の鎖骨下を走る静脈(鎖骨下静脈:subclavian vein)といわれても、体表から血管が透けて見えるわけでもないし、一体どうやって胸からその静脈を見つけるのだろうか?その静脈にカテーテルを挿入するというのだ。先生にどうやってその静脈を見つけるのかと聞いてみると、挿入法というのに沿って探り当てるのだと言う。やっぱり最後は勘なのだ。うまく見つかるというのが不思議だが、先生は熟練している様なので、信じて任せるしかない。

 またベッドに仰向けに寝、胸を消毒され一つ穴開きの布をかけられ、視界がさえぎられた。「チクッとしますよ」との掛け声で麻酔(anesthesia)がされ、「それでは今からカテーテルを挿入していきます」といわれた。どんな風にされているのかわからない。女性の場合、静脈が細くて当たりにくい(たぶん静脈に行き当たりにくい、と言っているのだろう)等と聞こえ、首をもう少し左に曲げてみてとか、もう少しだけ戻してとか色々言われた。麻酔は効いているのだと思うのだが、なんとも不快な痛みと言うか不自然な異物感があり、布が顔にかぶりマスクもしているせいで息苦しく、なかなか終わらないので泣きそうだった。いや、もう半泣きだった。私のうめき声を聞いてKB先生が布の間から私の顔を覗き込み、大丈夫ですかと声をかけてくれ、看護師さんはしっかりと手を握って頑張ってと励ましてくれた。

 「ちゃんと入りました、後は糸で固定しますよ」、「3ヵ所とめますよ」・・・「はい、終わりましたよ」とやっと言われ布がはがされると、右胸の鎖骨の下あたりから管が2本出ていた。管の直径が違うそうだ。看護師さんが手慣れた様子でその先端をガーゼで包んでくれた。ここから抗癌剤が入るのかと思った。先生の話では手首のカテーテルから抗癌剤を入れて万が一、血管の外に漏れた場合、(抗癌剤の種類によっては)腕がすぐに腐ってしまうのだそうだ。コワッ!! その為CVカテーテルは無くてはならない点滴ルートとなると言う。

 間もなくCVカテーテルが正常に挿入されているかどうかを確認する為に胸部のレントゲン(an X-ray (photograph))を撮りに行かされた。病室に戻ってしばらくして、ちゃんと挿入されていましたので安心して下さい、と先生が報告に来られた。非常に緊張してとても疲れたのでベッドに横になりたかったが、この右胸から出ているCVカテーテルが気になって、横になっても痛みがあり、リラックスなど出来ない。右胸に非常な違和感がある。そして、これからずっとこの状態で過ごさなければならないのだ。

 午後からは早速化学療法の抗癌剤点滴を始めるとの事であった。

~~~~~~~☆~~~~~~~☆~~~~~~~
080925追記: IVH挿入は大変な病気になった事を嫌でも自覚せざるを得ない出来事であった。入院中のIVHにまつわるトラブルや体験談、及びIVH自体の詳しい形状や情報等を知りたい方は、当ブログ『生亜紫路2006』の右サイドにある【ラベル:IVH】をクリックされると、色々と出てくるので、ご参照下さい。
  尚、このブログとは別に、退院後の通院記録や生活等を、もうひとつのブログ『生亜紫路』に現在進行形で書いている。

0 件のコメント:

コメントを投稿