2007-04-01

2006-03-28(火) Hyper CVAD化学療法開始

 午後からの化学療法(chemotherapy)開始にするにあたって、色々説明がナースからあった。先ず共同トイレの一角に自分専用の大きな容器が用 意されており、そこに丸一日分、毎回尿を全量別のカップに採っては溜めるという、蓄尿をしなければならないそうだ。これは尿がしっかり出ているかどうかな どを確かめる為で、出ていなければ利尿剤(diuretic)を処方する事になるという。これはすぐに大変面倒な作業である事が分かる。というのは点滴に 繋がれた状態で点滴バッグをつるしたキャスター付き点滴棒の支柱(イルリガートルIrrigator台という名前がついているみたいだ)を転がしながら病室を出、共同便所の棚に置いて あるカップを取ってトイレに行き、尿を採り、蓄尿容器置き場までキャスター付き点滴棒を転がして持って行き、尿を溜め、採尿カップを洗い、棚に戻す。しか も点滴が始まると非常に尿意が近くなり、何度も何度もこまめにトイレに行きたくなり、普段とは違って、待ったなしに尿が出てしまうので悠長にカップなど 取っている暇が無い程である。洋式トイレの場合は更に使用前後に使い捨て除菌ティッシュで便座を消毒する様に言われているし、抗癌剤を点滴しているので排尿後の手洗いは特にしっかりとする様に言われている。これには非常なストレスを覚える。

 13 時過ぎから先生の化学療法・使用薬剤の副作用(side effect)等の説明後、抗癌剤(anti-tumor agent)の点滴治療が始まった。即ち、吐き気(nausea)止めの“カイトリル”の後、ステロイド(steroid)と抗癌剤のエンドキサンの点滴(1時間)と平行して、この抗癌剤 の解毒剤(antidote)にあたるウロミテキサンの24時間点滴が、作ったばかりのCVカテーテル(中心静脈カテーテル;central vein catheter)から体内に注入され始めた。どんな副作用が出るかは個人差がある為、分からなかった。また、右手首からようやく待ちに待った(?) 赤 血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)も始まった。

 夕刻、長姉が私の幼馴染のY ちゃんを連れてきたので驚いた。長姉は常時京都にいられるわけではないので、ご近所のYちゃんに応援を頼んだ様だった。マスクをしたYちゃんは私の病気を 知らされて非常に驚いたらしく、点滴の管に繋がれている私に痛ましい光を瞳に浮かべつつ、会いに来てくれた。自由に動ける様(私の力になれる様)、家族に も話して協力を得たので、不便な事があったらいつでも何でも言ってみて、と言ってくれる。なんともありがたく涙が出た。 出来るだけ甘えない様にしようと心に誓った。

 ところで、抗癌剤投与により、白血病細胞(leukemia cell)と共に白血球細胞(WBC;white blood cell)を殺すので免疫抵抗が無くなってしまうので、もうトイレ以外は感染予防の為なるべく病室を出ない様にといわれていたので、入院に必要そうなもの を地下の売店に姉とYちゃんの3人で探しに行った。お箸は持ってきていたが、使い捨ての割り箸の方が衛生管理上楽だと思われ、割り箸を大量購入した。お茶 等もティーバッグの他にペットボトル飲料もしんどい時に楽だと思われ、購入する事にした。上着は胸に点滴の管(CVカテーテル)を付けてしまったので、T シャツだと点滴をつなぐ時にルートの先を出しにくいので、前が全部ボタンの胸ポケット付のYシャツなどが便利だという事が分かった。歩行が困難になって以 降、履き易い靴下が無いと嘆いていた母に良さそうな、“楽にはける”と銘打った靴下を見つけたので、Yちゃんにことづけた。「病人が病人の気にして面白い ね」と言われてしまったが、こんな所に案外掘り出し物や探していた物があったのだと私は感心していた。

 最後にYちゃんに院内にあるキャッシュコーナーへ車椅子を押して行ってもらい、5日間をかけて、気になっていた振込みを済ませた。これで少しだけだが精神的肩の荷が下りた。

  今日も22時に消灯だったが、化学療法が始まった為、22時半、23時にも抗癌剤等の点滴をつなぎに先生が来られ、終わると外してもらうのにナースを呼 び、24時間点滴もある為、管に繋がれたままキャスター付点滴スタンドを押してトイレに行っては蓄尿をしなければならず、暑くて騒がしくて煩雑でよく眠れず。

【血液検査結果】WBC(白血球数)67,800 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 6.2 [g/dl]、PLT(血小板数)73,000 [/μl]、好中球(Neutrophil) 3%、芽球(Blast) 93.5%、CRP(炎症反応)0.3 [mg/dl]、LDH 418 [IU/l]、γ-GTP 230 [IU/l]

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