2009-04-04

2009年04月02日(木) 骨髄移植に関する気になるニュース

 『骨髄移植、2月以降困難に? 移植フィルターをめぐる迷走』(第139回(2009年2月10日))という記事を見つけた。Yahooニュースで、書いた人は医療ジャーナリストの和田勉と書いてある。

 ネットの記事はいつ削除されるか分からないので、以下に、その記事全文をそのまま転記させて頂く。
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骨髄移植、2月以降困難に?移植フィルターをめぐる迷走』第139回(2009年2月10日)
国内の骨髄移植の9割以上で利用されている米バクスター社製の医療器具が在庫不足となり、2月以降の移植が一時的に難しくなる可能性が出ていることがわかった。毎月百数十件ずつ実施されている国内の骨髄移植手術に支障が出るおそれもあるため、厚生労働省はバクスター日本法人の担当者を呼び、調査に乗り出した。一私企業の都合で治療が困難になるほど、いまの医療は脆弱なのか。

骨髄移植時、ドナーは約1リットルの血液を失う
昨2008年12月20日、読売新聞は「米国バクスター社の医療器具が在庫不足となり、2009年2月以降の骨髄移植が一時的に難しくなる可能性がある」という趣旨の報道をした。同紙のこのスクープは、当然のことながら移植を予定・希望している患者・家族、ならびに医療関係者の間で大きな衝撃を与えた。
 バクスター社の医療器具とは『ボーンマロウコレクションキット』というものだ。このキットはドナー(骨髄提供者)から採取した骨髄液を濾過し、その中の不必要な成分を取り除く機能を持ち、別名「骨髄移植フィルター」ともいう。骨髄を移植された患者に血栓が出来るのを防ぐために欠かせないものである。
 骨髄移植は、白血病の治療のために行われる。ドナーに全身麻酔をかけ、注射器で骨髄液を採取し、その骨髄液を患者の静脈に点滴する。その骨髄液の中の造血幹細胞が患者の 骨髄で血液成分を作り始めると、骨髄移植は成功である。現在では骨髄移植は年間1000件近く行なわれている。
 ドナーは骨髄移植の手術日が決まると、数カ月前から準備にかかる必要がある。ドナーとしてふさわしいか、健康診断、血液検査など各種検査を受けなくてはならないからだ。ドナーは骨髄を採取する際に、骨髄液と共に約1リットルの血液が失われる。これは健康な大人でも致死量に近い量だから、当然輸血しなくてはならない。輸血は自己血が使われる。自分の血液をおよそ一カ月前から蓄えておくことになるわけだ。
 そんなわけで「骨髄移植フィルターの在庫がなくなる」とは、そのまま「ドナーがいなくなる」「ドナーはいても移植が不可能になる」ことを意味する。患者にとってはまさに生命に関わる一大事なのである。


2月の危機に対して手を打ったのが1月28日という製薬会社の「怠慢」
ところで、何故このような事態に至ったのだろうか。
 理由は単純だ。2007年3月、米国のバクスター社が血液療法部門から撤退したためだ。同社は『ボーンマロウコレクションキット』を製造していた事業部門を投資会社に売却し、これを受けた投資会社はフェンオール・インクという新会社を設立する。この新会社は『ボーンマロウコレクションキット』を製造していた工場をドミニカ共和国に移した。米国よりはドミニカのほうが人件費がはるかに安いためだ。
 必要な量を引き続き生産できるのなら、人件費が安い地に移転するのは患者にとってもメリットはある。しかし事はそう簡単ではなかった。米国では医薬品や医療器具の製造方法や製造場所を変更した場合、FDA(食品薬品局)など監督官庁に変更を申請し、新たに承認を受けなくてはならない。そこでどういう不手際があったのかは詳らかではないが、この承認の目処がまったくついていないようだ。これが『ボーンマロウコレクションキット』の在庫がなくなるカラクリである。
 バクスター日本法人は、どういう対応をとろうとしているのだろうか。私が問い合わせてみたところ、同社の答はこうだった。2009年1月28日に、米国バイオアクセス社の骨髄移植キット『ボーンマロウコレクションシステム』について製造販売承認申請を行なった、と。ただしこれはバクスター社自身が申請したものではなく、承認申請に「協力してきたところです」(バクスター広報部)という。
『ボーンマロウコレクションシステム』もまた骨髄移植フィルターだが、日本での承認は得られていない。その承認申請を行なうのは、もちろん正しいことではある。
 だが私は、バクスター日本法人の対応には大きな問題があると思う。「申請を協力した」というが、そもそも2月以降の移植に支障が出ると憂慮されているというのに1月28日に「申請協力」してきたとは、なんとものんきな話ではないか。


米国流の市場原理主義が医薬品類の在庫を消した
未承認の骨髄移植フィルターを海外から輸入して利用する場合、費用の負担が問題になってくる。患者・医師が個人輸入する場合は混合診療になり、患者は500万~1000万円という高額な医療費を負担しなくてはならない。混合診療を避けるためには、高度先端医療制度、あるいは治験で費用を負担する方法しか考えられない。しかし骨髄移植は今や国で300施設で行なわれている一般的な医療行為であり、高度先進医療にはなじまない。
 NPO法人・全国骨髄バンク推進協議会(大谷貴子会長)は、「国内未承認のキットを使用した場合でも、骨髄移植を保険診療と認めてください」と要望を記した署名活動を行い、舛添厚生労働大臣に陳情しようとしている。舛添大臣が「英断」を下すことに強い期待を表明しておきたい。
 それにしても、生命にかかわる医薬品や医療器具が一私企業の都合であっさり在庫がなくなるとは、米国の企業が――それこそ医療機器を製造している企業であっても――いかに強い市場原理主義で動いているかという証左でもある。私は本稿では市場原理主義についてとやかくいう気はないが、少なくとも医薬品や医療器具の場合、在庫を維持するという最低の公共的責任を果たしてもらわなくてならないとは思う。
 むろん、わが国の医療行政の危機管理の希薄さ・迷走ぶりも、いかにも悲しい。混合診療、高度先進医療制度など、規制の枠にとらわれる必要があるのか。患者の命に関わる医薬品や医療器具の供給が途絶えたとき、閣議決定で緊急輸入するというくらいの危機管理が必要ではないかと強く訴えておきたい。


和田 努(わだ・つとむ)
1936年広島市に生まれる。早稲田大学卒業、NHKに入局。TVディレクターとして数多くの作品を制作・演出。主に原爆問題、医療問題を扱った番組で評価を受ける。現在フリーのジャーナリストとして活躍。医療・福祉の分野を得意とする。著書は『カルテはだれのものか』(丸善ライブラリー)、『医療事故自衛BOOK』(小学館)、『バイオエシックス・ハンドブック』(法研)など多数。
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 骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)に関しては、思う所は一杯あるのだが、この記事で、ドナー(donor:提供者)が致死量に及ぶ骨髄液(bone marrow aspirate)を提供しているという事は、全く認識していなかった。ある意味、この事実に衝撃を受けてしまった。当時、自己血液をあらかじめ保存しているという話を聞いていたにも関わらず、自分はそこまでドナーの状況について調べ様という余裕はなかった。自分の未熟さに恥じ入ると共に、万難を排して骨髄を提供してくれた次姉に、今、改めて感謝する気持ちで一杯になった。

 次姉上様。。。。。。本当に、ありがとう……そして、ごめんね。。。。。。私の為に、要らぬ苦労を背負い込んじゃったのではありませんか? それから、骨髄移植のドナーになって下さった多くの皆様にも、その勇気と善意にただただ感謝という気持ちで一杯です。移植を受けた一人として、本当に心から有難うと言わせて下さい。ありがとうございます。

 今迄にIVHルート(CVルート)やルンバール(Lumbal:腰椎穿刺)に関してはまとめている。ただ、自分は移植(transplantation)される側の患者(patient)であった。それでも、患者の立場からの情報だけでは片手落ちだと考えていたので、ドナー側の情報も含め、骨髄移植についても、一度詳しくまとめておかねばと思い、資料を集める所迄はしている。その中に、今回の記事にも出てきている『ボーンマロウコレクションキット』(バクスター ヘルスケア社)という資料も得ている。しかし、ちょっとその段階で力が尽きてしまい、まだまとめていない。恥かしい事だ。

 骨髄移植については、素人がどれ位 詳しく纏められるかは分からないが、これも難しい内容なので、御報告出来る迄にまだ時間を貰わなければならないと思う(まだ自身にその時間的余裕がない)。それでもこの件について、患者側からの視線で必ず纏めたいと思っている。

 ドナー側の情報を書く事で、移植を受けた患者側の感謝の気持ちを込めるつもりだったのだが、まだまだ、その実態を把握し切れていなかったらしい事を、今回思い知らされた気がする。。。

2009-04-02

携帯から投稿してみる

ちょっと息抜きで、携帯で写真を撮って投稿してみる。

携帯からも投稿出来ると分かったので、ちょっと練習だ。

写真は去年伯母宅から分けて貰ったアッツザクラ。とっても綺麗に咲いてくれている。かわいらしい……

うちのお墓にもこの前、植えてきた。あそこでも綺麗に咲いてくれているかなぁ……