2007-07-17

2006-06-27 (火) 歯ブラシ事件

 移植(transplantation)に備えて歯も悪い所が無いかしっかり検査しておこう、と言う事で口腔外科(歯科)を受診し、歯磨き指導を受けたのだが、参ったのは、歯ブラシ(toothbrush)だった。

 私は犬歯(canine;dens caninus)が牙の様に出ていて歯並びが悪いのだが、指導員の予想に反して、私が綺麗に磨いていたものだから、持って来る様に言われていた自分の歯ブラシで磨ける所は合格点であった。磨き残しは、歯ブラシの届き難い窪みがある犬歯の所(叢生歯:crowded teeth「そうせいし」と読むらしい)で、「ふで型ハブラシ」というものを使って歯並びの凸凹している隙間の所の磨き残しを落としていくのを私の歯で実演してくれた。そして通常の歯磨きで落としきれない部位は、この特殊な形をした歯ブラシを使用して落とす様にと指導された。

 歯磨き指導の終わりに、その歯ブラシは購入してくれと言われた。てっきり貰えると思っていたので、今日使用した歯ブラシはくれないのかと聞くと、「これは消毒(disinfection)して次の人の時に使うので渡せない」旨を言われ、その時初めて使い回ししている事を知り、驚くと共に非常に気色悪い思いをした。

 余りのショックにその場では何も言葉が出ず、病室へ戻ったのだが、どう考えても理解出来ない。さして高い歯ブラシではないのだから、患者に買い取らせれば良いのに、何故使い回しをするのか、洗浄する手間賃の方が下手をすると却って割高になるのではないか? それに消毒と言うが、ブラシの部分は一体どの様なたぐいの消毒をしていると言うのか、乾熱滅菌(dry heat sterilization)等したら溶けてしまうだろうし、オートクレーブ(autoclave)? 薬品を使う? どんな方法を使うにせよ、他人の口の中に入ったものを使い回すとは、大学病院とは思えない無神経さである。口内なら、出血する事もある。血液から感染(infection)するウイルス(virus)や病気は色々ある。いくら消毒したと言っても、本当に全部菌が殺されているのかどうか、(知識がないせいもあるだろうが)俄かには信じがたい。

 この事を回診に来られたKB先生に話して訴えてみたが、先生も使い回しの事実は驚かれていた。消毒の件は多分薬剤に浸す方法ではないか、と言われる。殺菌力はしっかりしているのか等を聞くが、やはり気持ちが悪い。先生も改善すべき問題として聞いて下さるが、何故こんな事がまかり通っているのかと聞いてみると、恐らく今まで患者さんの方で気付く人がいなかったからではないだろうか、と推察された。

 何とかならないかを聞いてみるが、科が違うので、他科の者(KB先生自身)が口を出すとちょっとまずい事もある(角が立つ?) 可能性があり、それよりはご意見箱といったものがある筈なので、そこへ投書してみたらどうかと言われる。投書箱による患者さんからの直接の言葉の方が直接上層部に迄声が届く効果があると思われるからだそうだ。それならば、偶然ではあるが、ここの病院長は私が入院している科の教授でもあるので、2週間に1回ある教授回診の時に直訴してみましょうかと聞くと、「いやぁ~、それは、・・・??・・」とかなりひかれてしまった。それではご意見箱とやらは、どこに設置されているのかと聞いてみるが、確かにどこかで見たが、聞かれるとどこだったか思い出せない様で、また分かった時にでも教えて下さいとお願いしておいた。

 もしまた口腔外科(歯科)受診という事がある場合、歯磨き指導等があれば、もう絶対自分の持っていった歯ブラシ以外は拒否しようと思う。はっきり言って、これは新聞沙汰になってもおかしくない事件だと私は思っている。

※ 後日談になるが、この訴えは最終的には口腔外科に伝わり、現在はもう歯ブラシの使いまわしは行なわれていない。その詳細は、また次の機会に。

※ 追記(060714)

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