2007-07-01

2006-06-13 (火) IVHカテーテルについて 

 6/10(土)のBコース初日の抗癌剤(anti-tumor agent)の点滴を繋ぎに来られた当直のMI先生に、この頃IVHカテーテル(中心静脈カテーテル:intravenous hyperalimentation catheter)のヘパリン(heparin)液等の通りが悪くなっていると言う話をした時、レントゲン(an X-ray)でどの様に入っているか見た事があるかと聞かれた。見ていないと答えると、気軽にそのレントゲンを探して病室まで持って来て、私のはどうなっているのかを見せて下さった。

 右鎖骨下のカテーテルが挿入されている所までは、自分の体外の事なので見えるのだが、体内でカテーテルの続きがどうなっているかは話を聞いて想像していただけである。レントゲン像ではIVHカテーテルが右鎖骨下から頭部方向に挿入されていて、それが大きくカーブして胸の中心やや右寄りに真っ直ぐおりていて、丁度大文字のJを逆さにした感じに見える。この先端は右心房(right atrium;atrium dextrum)の入り口に向けて挿入されているのだ。

 カテーテルは2本を1つに束ねて挿入されており、コネクターの茶色の1本(14GA、遠位distal:より心臓に近い所まで伸びている)は管の先端が開口しており、径の小さい白色のもう1本(18GA、近位proximal:茶色のカテーテルよりはちょっと短い)は先端ではなく管の側面に穴が開いており、点滴液は2種混合する事無く静脈血中に放出される仕組みだそうだ。この側面に開いている穴が血管壁に当たってしまっていると、穴を塞いだ形になっているのでヘパリンの通りも悪くなってしまう事があると言う話をして下さった。

 さて、現在、IVHカテーテルの白の(細い)方も茶色の(太い)方も、両方の管ともヘパリンや点滴の通りが悪い状態が続いている。点滴の量やスピード等は専用装置に点滴の管を通して機械的に流している事が多いので、少々カテーテルの流れが悪くなっても差し支えはないのだが、この事についてTNB先生は、治療はまだ半ばで、この様な状態のまま続ける場合もあるのだが、IVHの静脈に挿入されているカテーテルを一度新しいのに入れ替えた方が良いのではないかと考えている、と言われる。あんな辛い思いは嫌なので、何とかもたして下さいというが、先生曰く、新しいカテーテルを胸に押さえておく為にもう一度縫わなければならないが、挿入自体は現在入っているルートをそのまま使用するので、それほど大変ではない、と説明される。即ち、IVHを挿入し直す場合、静脈血内にワイヤーリードを現カテーテルに沿って右心房近くまで挿入してから、現カテーテルを抜く、次に新カテーテルをワイヤーリードに沿って挿入し、ワイヤーリードを抜く。最後に胸に出ているコネクター部分を皮膚に縫い付けて止める為、これが少々痛い、と言われるのである。恐らく手技的には初めて挿入する時(3/28参照)よりはルートが確保されているので簡単なのだろうが、どんな説明をされてもゾッとするばかりで、カテーテルが詰まらない限りは現状のままで続行して欲しいとひたすら願う。

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