2007-05-14

2006-04-29 (土・祝) 寛解の判定基準について

 ところで、Aコース終了時、寛解(remission)だと思ったのに先生方からはハッキリとそうとは言って貰えなかった。前からその事が気になっていたので、どう考えておられるのかを聞いてみた。すると、寛解について、古い基準でいくのなら、即ち今も使われているヘマトロジカル的 (血液学的)基準でいくのなら、白血病細胞(leukemia cell)が5%以下に減ったら寛解というので、その意味では私は1~2%だったので寛解と言えるそうだ。先生に紹介して貰った本にもそう書いてあったので、一体どうなっているのだろうとずっと思っていたのだが、こう言って貰ってようやく納得した。しかし、先生曰く、今はもっと精密なレベルで白血病細胞を検出できる様になってきており、このレベルはまだまだ寛解と言えるレベルとは考えなくなっているそうである。

 では、どれ位のレベルを寛解と考えているのかと言うと、分子遺伝学的レベルで白血病細胞が検出されなくなった時点を『寛解』としているのだという。具体的に言うと、血液学的基準での寛解は5%以下。これは実際に顕微鏡で白血病細胞の有無を見て判断している。分子遺伝学的寛解は1万~100万分の1個レベルで検出されなくなった時点を言うらしい。

 ちなみにFISH (Fluorescence in situ hybridization)という方式(1,000分の1レベル?)があるらしいが、私の場合はこれが出来ないという(当てはまらないとか)。フローサイトメトリー(flow cytometry)は確か1万分の1レベルと聞いた気がする。RT-PCR(Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction)は100万分の1レベルで検出でき、FISHでも検出し難いレベルでの検出が可能だそうだ。

 RT-PCR等の遺伝子レベルの検査は外注の為、結果が分かる迄には時間がかかるという事で、この大学の検査部に出して結果がすぐに分かるフローサイトメトリーという方法で結果を見て、治療方針の決定や治療効果の判定に役立てているそうだ。このフローサイトメトリーとは生の細胞で検査が出来、その日のうちに結果が出るのだそうだ。PCRよりは精度が落ちるが、ここのK大学にはこの技術に命をかけているスペシャリストがいる、と妙に力を込めて言われたKB先生が何故か印象的であった。

 今度こそ、先生の目指しておられる分子遺伝学レベルの寛解になります様に、病気の細胞がいなくなります様にと祈るのみである。

0 件のコメント:

コメントを投稿