のどの痛さ、指先と舌のしびれは昨日と同様で軽頭痛(headache)がする。
朝食後、9時から予約されていた心臓超音波(心エコー法:echocardiography)に行く。心エコー受診は初めてで、何されるのかと不安だった。まだ白血球(WBC;white blood cell)が少ないのでマスクをして病棟から離れた一般外来の人も来る検査室へ行く。上着を検査着に着替え、カーテンで仕切られた薄暗いスペースにはいると機器とパソコンモニター、ベッドがあり、PCモニター画面を背にしてベッドに横向きに寝てバスタオルをかぶせられた上で心臓の辺りにジェリーみたいなものを塗られ、エコー器具をグッと押し付けられ、検査された。ぐりぐりと場所をさぐられる感覚が、非常に不愉快で、器具を押し付けられている所がなんとも不快に痛く、いつまで続くのかと我慢するのが辛かった。ずっと沈黙の中、検査が続き、どうなっているか全然説明もなくされているのも嫌だったが、ベッドの端に座って検査している男の先生とお尻が軽くくっつけられているのがどうしても不快だった。やっと検査が終わると、ティッシュBoxを渡され、塗られたジェリーを拭き取ったら病室へ帰っても良いという事だった。髪の毛も急に抜け落ちて、いよいよ病人らしくなってしまって、何ともむなしい気持ちで一杯になる。
心エコーがあったので今日一回目の抗生剤(antibiotic)の点滴は9時45分から開始された。いつもどおり、1日3回。そして15時に白血球を増やすノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)注射もいつもの通りあった。心エコーの結果は、後で担当医の先生が異常なかったそうだと報告してくれる。確かこの心エコーは、私が初めてルンバールを受けた時 に訴え、その後時々起こった奇妙な胸のあたりの痛みみたいなもの(どうやら私特有の反応だったらしい)に対して、念の為、心臓も見ておこうといっていた検査だと思う。
朝、KB先生が珍しく学生2人を連れて診に来られた。「KB先生回診(round)ですか?」とつい聞いてしまう。医療現場を見学させているという。いつも問診(inquiry)だけなので、別にかまわないが、なんとなく檻の中の動物って気分? しかし、学生は右も左も分からない様な感じでピヨピヨとKB先生の後をついて回っている様子が微笑ましかった。
昨夜また東京より来てくれた長姉が、母のヘルパーさんであるHさんを連れてきた。母は彼女を介護保険とは無関係の時給で雇っているのだが、私が何かして欲しいことがあったらHさんにも頼めばいい、と言ってくれている。とてもありがたいが、踏ん張れる所まで頑張れる所まで、出来るだけ迷惑をかけない様にしようと、やはり思ってしまう。私が母にしてあげられなくなった色々な仕事も一杯あるのに、この上私の為に母のヘルパーさんの時間まで割くなんて申し訳ないし、そんな事は出来るだけしたくない。
Hさんはとても優しい気さくな人で、かつてご自身の母親も介護した経験がある為、動きが不自由になってきた母の気持をよく理解してくれる人でもある。彼女は私の入院直前に交通事故で鎖骨骨折(fracture of clavicle)して入院していた。お見舞いの挨拶メールを出した私がまさか緊急入院してしまうとは、その時は思ってもみなかったので、なんだかこうして会うと不思議な気分になる。髪は殆んど抜けてしまったので、今回、母が昔使っていたカツラ(鬘:wig;hairpiece)を家から持ってきてもらった。今はタオルを頭部に巻いたスタイルにしているが、前髪と後ろ髪がタオルの端から少々覗いているので毛が抜けてしまった様には見えないと言ってくれる。編み物上手なHさんに毛糸の帽子を編んで下さいとお願いした。
長姉は今回、インターネット(internet)のカード(card)を入手して持ってきてくれたので、ようやく病室でノートパソコンのインターネットとメールが使える環境になる(病院には使えるかどうかの許可は得ている)。
3月分の入院費の請求書が来た。5日間なのだが、3割負担で11万円を超えたので想像より高くて驚いてしまった。今後どれ位かかってしまうのだろうか・・・金銭面でも大変な病気になってしまったと、改めて考えさせられてしまった。
2007-04-14
2006-04-13(木) Aコース(1回目)17日目 心臓超音波
2007-04-13
2006-04-12 (水) Aコース(1回目)16日目 教授回診
今日は血液内科の回診(round)の日であると放送が流れ、例によって良く訳が分からない教授回診があった。毎週水曜日が回診の日になっている。先生の一団は各病室の前の廊下に先ず集まり、教授と先生方は各患者(patient;Kranke:クランケ)の現在の状態説明を受けてから入室する。診察が終わると次の病室へ一団は移動していく。変なのは、普通、私の時はその説明を私の担当の先生がしてくれるものと思っていたのだが、知らない先生が説明しているのである。私の担当している先生は4人もおられるのにこの回診の一団の中に一人も入っていないのだ。つまり知らない先生ばかりが教授の後にゾロゾロついて回るのである。もう1つ、いつもと違ってハイテンションなのが看護師長さんだ。教授が部屋に入るに先立ちパタパタと入ってきて回診がある事を告げ、ポケッとしてベッドに座っていた私の上着のボタンを外し始めた。教授が入ってこられ、やさしく問診(inquiry)の後、聴診器(stethoscope)を当て、触診(palpation)をされたが、その間、看護師長さんは服の片側を持ち上げて他の先生から胸が見えない様にしてくれたりしていた。回診はまだ他にも続いているので、一団が部屋から去ると、看護師長さんは「教授回診の時は診察がすぐに済む様に予めバスタオルを用意しておいて、上着のボタンを外してバスタオルを胸に当てて寝て待つ様にしておいて下さいね。」と手早く説明をしてから次の部屋へと小走りに出て行かれた。この説明は初めて受けたので、驚いた。後で他のナースの聞いたのだが、教授は忙しいので、教授回診は2週間に一回位の割合で、その他の週は他の先生(助教授?)が回診されるそうだ。そういえば先週の回診時は問診とお話だけで、触診等はされない先生だった。
今朝は両手の指先は第一関節のあたりまでしびれている。舌も全体にしびれかけた様な感じだが、まだ食欲はある。午後になると、指や舌のしびれはきつくなった感じがする。KB先生の話では、手足のしびれの原因はオンコビン(Oncovin)の副作用(side effect)による可能性が高く、ルンバール(髄注) (Lumbal:腰椎穿刺)時のメソトレキセート(methotrexate)も手足のしびれという副作用があるという。目下、ステロイド(steroid)の効果が弱くなったので(月曜日に最後のデカドロン(Decadron)の点滴をしている)、副作用(side effect)として強く出始めているのかもしれないという(というのは、ステロイドは悪い症状を隠してしまう所があるので)。オンコビン等のこのしびれの副作用は神経に働いて何年も続くのだそうだ。今後の治療で何度もこの抗癌剤が使われるのだが、蓄積されていく為、しびれは全ての治療を終えた後でないと軽減していかないとの事(数年かかるらしい)。かなり長期に渡り後遺症(secondary disease)として残る人もいるそうだ。重症な人になると稀にお箸が持てなくなる程のしびれが出る人もあると聞き、身震いしてしまった。人によってどうなるかは分からないので一応覚悟しておかねばならない、と思った。
本日の採血で血小板(PLT:platelet)が少なくなってきていた、との事で輸血(blood transfusion)があった。白血球(WBC;white blood cell)は前回より少し増えてきたので、これからはどんどん増えるだろう、との説明が先生からあった。炎症反応を示すCRPは4/7に6.9と高かった為、抗生剤(antibiotic)の点滴が始まったのだが、それが良く効いてきたのか、今日は1.0とかなり減っている。この抗生剤の点滴は今日も1日3回、そして15時に白血球を増やすノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)注射もいつもの通りあった。
のどが少し痛いがこれは粘膜(mucosa)がやられる抗癌剤(anti-tumor agent)があるので、その副作用かもしれない、との事。今日は時間が経つにつれ、のどの痛さも増してくる感じがする。熱が少しだけあった(37.3℃)。便通(bowel movement)はしっかりした量がある。肛門(anus)粘膜保護が感染(infection)予防に大切と昨日聞いたので軟膏(ointment)でケアも丁寧にする。
脱毛(alopecia)手入れ、今日はもう殆んど毛が抜けなくなった。頭頂部が集中的にほぼ抜けたのだが、髪はきれいさっぱり全部抜けるわけではなく、周辺部に抜けずに残った毛が随分ある。バンダナかタオルで頭を覆う様にしてつけると抜け残った前髪少々と襟足の髪の毛がバンダナの端から覗くので、いかにも「まだ髪の毛はありますよ」って感じにまだ見えるかも? しかし、最終的には完全に抜けてしまうらしい・・・
【血液検査結果】
WBC(白血球数)300 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.3 [g/dl]、PLT(血小板数) 21,000 [/μl]、リンパ球 99.0%、CRP(炎症反応) 1.0[mg/dl]
2007-04-12
2006-04-11 (火) 肛門痛について
朝、丸一日おいて便通(bowel movement)あり、ほっとする。このところ、排便(defecation)しなくても抗癌治療開始以降は肛門(anus)が痛くて困っていた。治療が始まって、一度排便時にちょっと切れたかなぁと思った事があった。通常ならすぐに治るところなので気にもしていなかったが、今回は治らず、化学療法(chemotherapy)が進んで白血球(WBC;white blood cell)の少ない状態(200個位)が続くにつれ、次第に肛門が怪しい状態になり、以前ごく稀に起こしたひどい痔(hemorrhoids;piles)の時の様な痛みが一日中ある様になった。
化学療法開始以降、しびれとかで頬を触ってみてもごく軽くだが麻痺(paralysis)した感じやし、舌もしびれ、脱皮でもするのじゃないかと思う位、口の中の皮がめくれたりし、腕等の皮膚にも自分の皮膚なのに違和感を感じている。これとある意味同様な感覚で、肛門の皮膚も自分の皮膚でない様な感覚で、しかも全然“力(りき)”が無く、ふにゃふにゃな状態なのに、炎症(inflammation)を起こしてパンパンに腫れ上がってしまっている。
先生に聞くと、白血病(leukemia)の治療の最中に、痔の症状を訴える人は多いという。肛門のちょっとした傷を治すのは白血球の仕事なのだが、その白血球を治療でひたすらゼロに近付けている最中なので、傷を治すだけの数が足りず、炎症を起こすのだそうだ。のどの痛みも同様で、今迄知らずにいたが、白血球がそんなに体をマメマメと守ってきてくれたのかと、身をもって感心した。しかし、痛いものは痛い。
ずっと我慢していたが、ただれてきたのか、触れるだけでもひどく痛む様になったので、何か適当な塗り薬はないかと軟膏(ointment;unguentum;unction)を頼んだのが4月8日。するとこの日からナースや先生が来るたびに肛門の具合ばかり毎回毎回聞いてくるので難儀する。というか、一度誰かが聞いたらみんなにその日の状況を分かる様にでもしておいて欲しいと思うのに、判で押した様に来る人来る人に同じ事を聞かれうんざりするし、いい加減腹立たしく思う位になる。いずれ4人部屋に戻った時この調子で聞かれるとしたら、「○○さん、今日は、痔の具合はどうですか」と聞かれている様なものだから、たまったものではない。
軟膏(強力ポステリザン軟膏)は排便後に一回だけ使用したのみで、残り数回分は残っている状態である。肛門は一日中じんわりと痛い感じなのだが、4月11日にナースのKNさんがその件について説明してくれた。それによると、この治療で患者さんの中には肛門の痛みがひどくなって手術(operation;surgery)をしなければならなかった場合があるという。それから、この肛門の痛みというのは、のどの痛み(のどの粘膜が弱っている)と同様で、肛門側の粘膜(mucosa)が弱っていないかを心配しての質問であるという。つまり抗癌剤(anti-tumor agent)のうちで粘膜を傷付けてしまう副作用のあるものによって、のどから胃腸・大腸、肛門に至るまで(一本に繋がっている)の粘膜系がやられてしまうのでそこからの感染(infection)等を注意しなければならないのだという。この説明を受けてようやく納得した。しかし、理解は出来ても、こう毎回みんなに肛門の具合を聞かれるのはなんともかなわない。
2006-04-11 (火) Aコース(1回目)15日目 IVHコネクター交換
今日はIVHコネクター交換があった。IVH(intravenous hyperalimentation )をCV(central vein;中心静脈)と言う時もあるみたいだ。ナースや先生によって言い方が統一されていないのは、初めてその言葉を聞く患者にとってややこしいだけなのだが、大体同じ意味で使われているらしい事がナースや先生に質問等しているうちに分かった。IVHカテーテルは胸から体内の中心静脈(CV)へ先端が挿入されている(留置カテーテル:indwelling catheter)が、体外で2本の管に分かれて出ている(カテーテルによっては3本に分かれたもの、1本だけのもの等があるらしい)。そして点滴の種類によって先生方は直径の違うカテーテル(catheter)を使い分けている。私のカテーテルはコネクター部分が色分けされており、茶色が遠位(distal:より心臓に近い方)で開口している直径の太い14GAへ、白色が近位(proximal)で直径の細い18GAのカテーテルに繋がっているそうだ(※)。
今日の交換はこの胸から出ているIVHカテーテルの点滴と繋ぐ側の管の部分(20cm位)であった。定期的に交換するそうだ。最初「IVHコネクター交換」と聞いてIVHカテーテル全体を交換するのかと思い緊張していた。しかし胸から血管へ挿入したカテーテル部分は詰まったり外れたりしない限りずっと交換する事なく入れたままだとナースから聞き、少しホッとした。またあんなに痛く辛い思いはしたくない。
化学療法(chemotherapy)の点滴は昨日で終わったが、抗生剤(antibiotic)の点滴は今日も1日3回、そして15時にまた「痛いですよねぇ、すみませんねぇ」とナースが言いながらしてくれる白血球を増やすノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)注射があった。
指先、舌先しびれる。右耳またボゥーっとすることが多くなり、耳抜きが出来ない。夜になると指先と舌全体のしびれが増してくる。食欲はまだ落ちていない。また、今回の月経量はたいしたことは無いのだが、そのうちでも今日が一番多いかもしれない。通常なら経血量(menstrual blood loss)は減ってくる頃なのだが・・・
脱毛(alopecia)は、多分今晩で抜けきると思ったのだが、意外と髪の量は多い様で、もう一日はかかりそうである。昨夜同様、指で髪を梳いて抜け毛の始末をする。今日もこんもりと一山出来た。髪が抜けたらどんな気分になるだろうかと不安だったが、個別の部屋に入れてもらっているせいもあるだろうが、意外と冷静に、機械的に髪を梳き取って集めている自分がいるのが不思議な感じである。
※ 遠位と近位、カテーテルの直径に出てくる数字等、人によっては読んでいて逆の様に感じる所もあるかもしれないが、この表記に間違いはない。
2007-04-11
2006-04-10 (月) Aコース(1回目)14日目 脱毛が始まる
今朝から病室で採血を寝て待つ事になった。ナースに採血してもらってから朝食となる。先週金曜日の採血で2度目の気絶をしてしまったので、今後ずっと採血はベッドで待つ様に言われている。なんだか恥ずかしい。それから今日は検尿(urinalysis)があった(結果は異常なしだったとの事)。のど痛はほぼ解消したが、頭痛(headache)がする。この頭痛は厄介で、先週始まって以来、ベッドに起き上がってしばらく何かをしているとひどく痛み出し、すぐに横にならないとどうしようもなく、長い時間起きていられない。日中殆んど何も出来ない。いつまで経っても治らない。いつになったら治るのだろうか、この様に結構長く続くと辛いものである。指先のしびれはごく少々だったが、午後より指先・舌先しびれが少しきつくなり、目がちかちかする(flicker;glitter)。便通なし、昨日もごく少量しか出なかったので、便秘(constipation)が気になる。
ステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)の4回目の点滴は昼の12時前から約1時間あった。昨夜は深夜2時半のナースの見回りで目が覚めてしまい、余り寝直せず、あきらめて今朝は4時半より起きて少々雑用をしたり横になったりを繰り返していた。これもデカドロンの影響だろうか。これでAコースの治療は全て終わった事になる。但し先生は、「1日3回の抗生剤(antibiotic)の点滴とノイトロジン(Neutrogin;G-CSF)は今後もしばらく続く」事になるという。デカドロンが終わったので明日からまた食欲も落ちるだろうとも言われたので、しっかり食べておく様にした。
また、4/7(金) 、炎症反応をみるCRP値の上昇で急遽実施された検査の結果は、咽頭スワブ(throat swab):Normal flora(正常値以内)、静脈血(venous blood:CVカテーテルから採ったもの):菌なし、末梢血(peripheral blood:腕から採ったもの):菌なし、という事で一安心。治療で白血球(WBC;white blood cell)減少時に起こる炎症のうちでも心配する程、重篤なものではなかった事がわかった。今日の結果でもCRP値は2.0と下がってきているので抗生剤は効いている、との事。
15時に2回目のノイトロジン注射があった。これは筋肉注射(筋注:intramuscular injection)なのだが、注射する位置によってかなり痛いものらしい(痛がる患者さんが多いという)。ナースは「痛いですね、すみませんね、もうすぐに終わりますから」というが、今のところ、そんなに痛く感じない? その直後すぐに赤血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)が始まった。
ところで土曜日にホットタオルで念入りに身体を拭いたら垢が一杯出てきてしまった。日曜は風呂が無いので月曜日まで待って朝シャワーの予約をナースにお願いした。しかし、白血球数が少ないからと先生からストップがかかった。白血球が200以下というのがどういう状況なのかをまだよく理解していなかった。入院時貰った注意書きによると、500以下で外出禁止、100以下で家族との面会も制限される事があるとあったが、24時間点滴に繋がれた状態ではなくなっていた為、点滴のしていない時で、しんどくない場合はシャワーにかかれると勘違いしてしまっていた。という事で、シャワーは白血球数が増えるまでお預けという事がわかった。ガクッ・・・(この白血球数の基準はあくまでも私が入院した病院でのものある事にご注意願いたい。)
脱毛(alopecia)が始まりかけているみたいだ。否、始まったらしい。ちょっと恥ずかしい話だが、朝トイレに行った時、下の方の毛がパラパラッとやたら抜けて「あれ?」と思ったのだが、頭髪をといてゴムで束ねようとしたら抜け毛が多くなっているので脱毛に気がついた。夜中になって指で髪を挟む様にして梳(す)きながら抜け毛の始末をする。全部抜けるわけではなさそうで、こんもりと一山、抜け毛の山が出来、ゴミ箱に捨てるのもなんだか抵抗があったので紙袋にまとめて入れておく事にした。
現在の私のノートパソコンからは、メールは送れないし、インターネットに接続も出来ない環境なのだが、何故か時々メールチェックをするとメールの受信が出来てしまう時がある。その事を知っている両姉より励ましのメールあり、嬉しい。
【血液検査結果】
WBC(白血球数)200 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 6.3 [g/dl]、PLT(血小板数) 47,000 [/μl]、網赤血球数(reticulocyte) 0.5[プロミレン]、リンパ球 98.0%、単球 (Monocyte) 1.0%
GPT 33[IU/l]、γ-GTP 156 [IU/l]、尿酸(UA) 2.2[mg/dl]、クレアチニンキナーゼ(CK) 26[IU/l]、CRP(炎症反応) 2.0[mg/dl]
2007-04-10
2006-04-09(日) Aコース(1回目)13日目 ノイトロジン(G-CSF)開始
抗生剤(antibiotic)が効いてきたのだろうか? のど痛はほぼ解消した。今日は3食しっかり食べることが出来た。多分体重((body) weight)減少も止まった様に思う。この抗生剤の点滴は今日も1日3回ある。指先のしびれはごく少々、頭痛(headache)も少々あり。また、昨日夕刻から始まった月経(menstruation;menses)の経血量(menstrual blood loss)は非常に少ない。いつもなら最初の1、2日目は量が多いのだが・・・やはり、通常とは違う状態になってきているのだと実感する。一日のかなりを寝て過ごす。また今晩より、ミコシストカプセル[100mg](防カビ剤)の服用再開となる。
ステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)点滴は今日も11時頃から約1時間ある。デカドロンは今回の治療ではB cells(B細胞)にアポトーシス(Apoptosis:細胞自滅)を起こさせているのだという。イメージが沸かないのでその機構はよく理解出来なかったが、私の病気はB細胞の急性リンパ性白血病(acute lymphocytic leukemia;ALL)と聞いていたので、アポトーシス(※)という、身体に負担の無い、炎症を起こさない様な形で、病気になってしまったB細胞(bone marrow derived cell:Bリンパ球,Bセル;B lymphocyte)を除去しているのだろう、と想像している。どうなのだろうか?
今日から白血球(WBC;white blood cell)を増やす注射ノイトロジン(Neutrogin)(第1回目)を開始するという。ノイトロジン、又はG-CSFと言う時もあった。白血球のうちでも好中球(Neutrophil)を増やす注射で、赤血球(RBC:red blood cell)や血小板(PLT:platelet)を増やす事は無いと説明してもらう。化学療法(chemotherapy)では病気の白血球、即ち白血病細胞(leukemia cell)を殺す為、残っている正常な血球も一緒に殺してゆき、白血球(WBC;white blood cell)数がほぼ最低になる頃にこのノイトロジン(G-CSF)を注射し始め(毎日注射するという)、病気の白血病細胞が再び増えてくる前に、正常な白血球をいち早く増やす手助けをするのだそうだ。こうして増やした白血球の中に、入院時よりははるかに少なくなっただろうが、白血病細胞がまだ残存している事が考えられる為、ある程度増えたら、次の化学療法に入り、再度血球を殺す抗癌剤治療をし、同様に白血球数がゼロに近づいたらノイトロジン(G-CSF)の注射を開始する、という繰り返しになるそうだ。この繰り返しで最終的に白血病細胞を限りなくゼロにするのがこの化学療法の第一の目標である。と、こんな感じに先生の説明を理解したのだが、あっているかなぁ。
幼馴染のYちゃんが来てくれる。昨日電話で口喧嘩してしまった母からの手紙をことづかってきたという。素直な気持ちになれず、また口論になったりする方が治療の妨げになると思い、読まずにテーブルの上にしばらくそのまま置いておく事にした。
※ アポトーシスとは、オタマジャクシがカエルになる時、尻尾が消えて無くなる現象に例えられる事が多いが、炎症を起こしてしまう壊死という形ではなく、細胞が自ら死んで不要になった部分を取り除く現象といったら分かってもらえるだろうか。
2007-04-09
2006-04-08(土) Aコース(1回目)12日目
CRP(C-反応性蛋白:C-reactive protein)値が高かった(炎症反応があった)為、昨日から急遽始まった抗生剤(antibiotic)の点滴は、時間は少々前後したが9時、15時、22時の1日3回。昼前には化学療法(chemotherapy)12日目のプログラム、ステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)の点滴、約一時間。今日の点滴予定はこれだけだが、抗生剤の点滴が面倒だ。6時間おきにあり、その度に点滴棒に繋がれる拘束感がある。この抗生剤さえなければ今日はデカドロンだけでおしまいなのだが。
のどの痛みはかなり少なくなる。また、指先や舌先のしびれ(numbness)も少なくなる。これは抗生剤の点滴のせいかと思っていたが、ステロイド(デカドロン)のせいだという。ステロイドはこんな症状を隠してしまう所があるので注意する必要があるのだとか。先生方によるとデカドロン(ステロイド)副作用に不眠症(sleeplessness)や躁鬱(manic depression)があるそうで、その為に昨夜よく眠れなかったのではといわれる。そういえば入院当初の3/28-3/31もデカドロンの点滴があったが、この間不眠傾向だった。環境が変わっただけではなかったらしい。その他にも“多幸感”というのもあるという。そのせいか、一日気分がよい。デカドロンの点滴は月曜日迄だが、それが終わると火曜からまたグッタリしてしまうのだろうか? とにかく調子が良いので事務や手紙の下書き等、色々仕事をする。
あるかどうかと気にしていたら、いつもより早く月経(menstruation;menses)が始まってしまった。通常は4~5週間であるのだが、前回は緊急入院直前にあった。入院して血球を殺す化学療法をしている最中で、血もしょっちゅう抜かれて検査されるし、輸血もしたり等していて、果たして次はちゃんとあるのかどうか、またあったとして、月経の間、治療以外にも経血で血が失われる訳である。大丈夫なのだろうかと心配していた。先生に聞いてみると、あっても心配はないが、人によっては化学療法の治療で止まってしまう人や、逆に薬で月経を止めてしまう場合もあるという。いつもと違う異常があれば報告して欲しい、との事だった。
夜、母より電話あり。母は最終的には私が本当の事を母に言わなかった(再生不良性貧血(hypoplastic anemia)だと告げて入院した)事を恨んでいるというので、口論になってしまった。何の為に私は苦しんで気を遣ったのか、まるでこの努力は無駄だったという事になり、悲しいだけの最悪の気分になってしまった。母が多発性脳梗塞脳梗塞(cerebral infarction)でなければ、元気な頃の母ならば、医学的知識も豊富でいつも的確に診断してくれていた母に、真っ先に相談したかったし、そうでなくても母に相談して病気の事を一杯聞きたかった。裏目に出たのが悲しくさびしい。
2007-04-08
2006-04-07(金) Aコース(1回目)11日目
今朝は朝一番で咽頭スワブ(throat swab:咽頭ぬぐい液)というのがあった。のどの痛みは唾を飲み込むのもつらくなってきている。そこでのどに細菌がいないか調べる為、長い綿棒でのどの奥の粘膜をこすり取って検査するものらしい。その他の症状としては頭痛(headache)、37.4℃の微熱、指先がしびれ(numbness)。昼過ぎになるとしびれがきつくなってきた気がする。唇や舌先もしびれている感じがする。抗癌剤(anti-tumor agent)のオンコビンの副作用か。
採血のたびにナースが来てくれるのも悪いと思い、今朝は自分からナース詰め所の一角にある処置室へ行く。今日は4本だという。血を見ない様に、リラックスする様にと気をつけていた。しかし、入院以来、検査と言っては血をしょっちゅう採られるし、やれ骨髄穿刺(マルク:Mark;bone marrow puncture)だ、CVカテーテル(catheter)挿入だ、昨日も(2度目の)ルンバール(Lumbal:腰椎穿刺)だと針を刺されて痛い事ばかり・・・嫌だなぁ~という思いがよぎったら、また気が遠くなって目の前が真っ暗になり、ふぅっとぶっ倒れてしまった。またまたナースがわらわらと寄ってきて車椅子に乗せられ、どこかで名前を呼ぶ声がし、また気が遠くなり、引きずり込まれる様にして部屋に運ばれ、ベッドにどうやって戻ったか、映像が途切れ途切れ、足を高くしてとか、遠くで私の名を呼びかける声が聞こえたり、心電図(electrocardiogram;ECG)だ・血圧(blood pressure;BP)だと大騒ぎになった。
夕刻TS先生来て曰く、私が2度も採血でぶっ倒れてしまったので、今後採血は病室までナースに来てもらうことにしたという。朝の採血時は寝て待っている様に言われた。なんとも面目ない気分だが、ぶっ倒れて迷惑かけるよりはここは甘えた方が良いのだろう、と思う。
各先生方は日に1~2回、ばらばらで診に来てくれる。特に、えらくべっぴんさんの女性研修医のKN先生は一日に2~3回は様子を診に来てくれ、血液検査の結果を患者に報告する係らしく、結果表を持って説明して行ってくれる。採血の結果、血小板(PLT:platelet)が低かったので今日輸血(blood transfusion)するという。また、炎症(inflammation)が身体のどこかで起こると顕著に上昇するCRPという値が6.9と高かった(0.2以下が正常値)為、抗生剤(antibiotic)の点滴も開始するという。その為の血液検査が必要といわれ、更に2本も採血されてしまった!! 感染(infection)を起こしている時CRPが高値になるが、この時、血液にも菌がいないかを調べるらしい。1本は腕から末梢血(peripheral blood)として通常の採血同様注射針を使って採られ、もう1本は、いつもは点滴液を入れているCVカテーテルから静脈血(venous blood)として採血された。しかもカテーテル(血管に挿入されている管)内は普段使用してない時はカテーテル内の液が凝固しない様にとヘパリンナトリウム(Heparin Na )という液で満たされているので、体内から純粋に静脈血だけを採取する為には先ず静脈血がカテーテルを通って注射器に達するまで十分に引き、これはヘパリンと血液の混じった液として廃棄する。次に改めて新しい注射器に替え、静脈血を採取する、という方法であった。カテーテルからの採血の唯一の利点は、ロスは多いが針を刺されることが無いので痛くない点だろう。今日は血に祟られている気がする。
この採血の後、11時半よりKN先生が抗癌剤(anti-tumor agent)のオンコビン(Oncovin)を胸のCVカテーテルから注入し、ステロイド(steroid)のデカドロン(Decadron)の点滴(一時間)を繋いで行かれた。今朝はおかずのみ食べたが、今日の抗癌剤でまた食欲が落ちるかもしれないと思い、昼と夜は極力食べる様に頑張った。
午後一番で第一回目抗生剤の点滴(1時間)が開始され、終了すると次は血小板の輸血をしてもらいながら、ナースに洗髪をしてもらう。脱毛はまだ始まっていない様だ。22時からは本日2回目の抗生剤点滴が開始された。この抗生剤はペントシリン(Pentcillin)&タゾシン(Tazocin)で、明日からは1日3回点滴していくらしい。この抗生剤が効いたのかどうかは分からないが、夜、のど痛や微熱が軽減した。
ナースからの話で、部屋を4人部屋へ移動させられるかもという話がナースから出た。ショック!!よりによって髪の毛が抜ける頃に戻らねばならないのか。。。夜よく眠れず。2時間ほど眠ったか、しかしまた眠れなくなったので、寝るのをあきらめ、起きてパソコンで調べ物等をする。
【血液検査結果】
WBC(白血球数)200 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.4 [g/dl]、PLT(血小板数)18,000 [/μl]、好中球(Neutrophil) 2.0%、芽球(Blast) 1.0%、リンパ球 95.0%、好酸球(Eosinophil) %、骨髄球(Myelocyte) 1.0%
LDH 218[IU/l](基準値内になる)、γ-GTP 164 [IU/l]、CRP(炎症反応) 6.9[mg/dl]
2006-04-06(木) Aコース(1回目)10日目
今朝も右耳がボゥーっとして少しおかしい。耳抜きができると頭痛(headache)になった。のどは昨日よりずいぶん痛い。先生に言うと、ボルタレン含嗽水(がんそうすい;含漱水;gargle:うがい薬)を処方してくれる。痛み止めのボルタレンが入っていて、使用時によく振ってからうがいするものだそうだ。この痛みがひくのかと期待して使ってみたが、余り痛みがひいた様には感じなかった。少しは効いていると信じたいが・・・今日は化学療法(chemotherapy)はお休み、明日から4日間、また点滴治療が始まる。ミコシストカプセル[100mg](防カビ剤)の服用を今日(4/06)から3日間(4/08まで)、再度中止する様にTS先生から指示がある。明日、抗癌剤(anti-tumor agent)オンコビンの2度目の投与があり、それとの副作用を避ける為である。
11時頃長姉と次姉見舞いに来てくれるが頭痛がひどくすぐ横になる。昨日一家で来た長姉は家族に桜見物などをさせた後、一緒に東京へ帰るという。そしてその帰りの電車の中で家族のみんなに私の病名を知らせると話した。姉二人は、私がいずれ受けるであろう骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)で骨髄の型(組織適合抗原;Human Leucocyte Antigen;HLA)が合うかどうかを調べるHLA検査を受けにきた。検査自体は保険がきかないそうで、一人28,035円かかったという。この検査で骨髄穿刺(マルク:Mark;bone marrow puncture)をされるのか、骨髄を採って調べるのかと心配していたが、採血だけですぐに終わり、検査結果は出るのに1週間程かかるそうだ。姉妹なので完全一致する確率は四分の一、一致しなければ骨髄バンクで探す事になる。合ってくれる事を祈ります。両姉に感謝。とにかく頭痛がひどく一日寝て過ごす。
夜、母より電話があった。私の病気の事から、気分的に今日ようやく立ち直れたと言ったのを聞き、ホッとした。私も母に、留学したと思って、しばらく会えないけど電話では話せるからと話す。私が入院する前の母は、身体の具合もかなり悪くなり、要介護3となってからは、可能な限りヘルパーさんに来てもらう様にしていた。母は多発性脳梗塞(cerebral infarction)と診断され、小さな梗塞を繰り返しているらしく、徐々に身体機能が弱ってきていた。それでも毎週末、私が帰ってくるのを気遣い、一人で大丈夫だからといっていたが、この頃は私と一緒に週末(金曜の夜から月曜の朝迄)を過ごすのを楽しみにしてくれていたのが嬉しかった。一番長く母と共に過ごしてきたので、母がヘルパーさんだけでは頼みきれない事とかして欲しい事とかがなんとなく分かる。疲れたといって何もしない時もあったが、私も母に会うのが楽しみであった。知識豊富で話をしても面白いし、一緒に酒盛りするのが何よりもの楽しみで、一番の憩いであった。今、何も母にしてあげられないのが辛い。自分の口から病名を言おうかと思い直した時もあったが、私の病気を知ってショックでまた脳梗塞を起こすのではないか、更に運動機能が悪くなるのではないかと不安で、また相談した長姉からは、私の口から打ち明けるのはショックがきつ過ぎると待ったをかけられた為、話せなかった。ワンクッション置いて長姉から私の緊急入院した日(3月27日)に母へ告げられたが、『私の口から話さなくてこれで良かったんだ』と自分にも言い聞かせる。
2006-04-05(水) 契約更新
長姉は消灯前(私が一人部屋へ移ったからこそ可能だったと思う)に見舞いに来てくれた時、この2日ほど私の職場のボスとメールをやり取りしたと言って、そのメールを見せてくれる。ボスは病気欠勤中の扱いと健康組合からの傷病手当支給について、社会保険料について等、詳しく調べて下さり、私がいつでも復帰出来るように契約更新を続けてくれるとの内容であった。長姉のメール、ボスのメール、どちらもありがたく涙が出る。入院中せめてパソコンワークで仕事が出来ないかとお願いしていたが、それが励みになるのなら無理のない程度で、またノートパソコンもウィルスと情報漏洩チェックがしっかりしていれば病院持ち込みもかまわないとの事。実際に仕事(パソコンワーク)が出来るかどうかは自分でも未知数。入院当初は気が立っていたから出来る気がしていたが、むかつきや今日みたいにひどい頭痛、その他何が起こるか分からない状態で不安になってきていたところだったので、無理しなくてよい旨のセリフも嬉しかった。なんだか焦っている自分をどこかに感じる。
2007-04-07
2006-04-05(水) Aコース(1回目)9日目 二度目のルンバール
今朝も部屋までナースがわざわざ採血に来てくれた。体重((body) weight)を量りに行くと入院時より2キロ以上も減っていた。私はどちらかというと普通か痩せ型で、まぶたは、はれぼったい一重なのだが、鏡を見てみると上まぶたが痩せたのか二重まぶたになりかけていて驚いてしまった。食欲不振、嚥下(deglutition)苦痛をおして無理にでも食べる様に努力していたのに、もう少し頑張って食べねば、これ以上体重を落とすわけにはいかない、と思った。
右眼の古傷が久々に痛む。6年以上前、ちょっとした事故で眼球の白目部分を傷つけて以来、非常に疲れたりすると右眼がヒリヒリと痛み涙がボロボロと出たりするので診て貰うと、上皮糜爛(びらん;erosion:侵蝕,ただれ)と診断され、その後は先生から処方される目薬と軟膏薬を塗ってKF医大に定期的に眼の診察を受けに行っていた。半年間何も起こらなければそこで完治とすると言われていたのだが、なかなかそううまくいかない。緊急入院以降、目薬と塗り薬を中止していたが、先生に再開してよいか聞いてみて、治療には差し支えないので自己管理でお願いするとの事。
午前10時頃まで、TS先生に始まり、TNB先生、KN先生、毎週水曜日午前にある教授回診で先生の一団が来、その後にKB先生が来られた。私担当の4人の先生方は今回も教授回診の一団に一人も混じっていないのが不思議でならなかった。それに引き続き10時半からルンバール(Lumbal:腰椎穿刺)があります、とナースが病室のベッドに防水紙を敷く等のセッティングをしていかれ、また3月30日の時の様に腰に針を立てられるのかと、緊張しながら待っていた。
遅れに遅れてようやく11時40分頃から、今週から担当になったTNB先生によってルンバールされる事になった。待ちくたびれ緊張し過ぎたせいか、既にかなりクッタリしてしまった。麻酔(anesthesia)注射の痛さ、針で穿刺(paracentesis;puncture)される感覚の気持ち悪さは変わりなかったが、今回も前回と同じ抗癌剤等(メソトレキセート、キロサイド、ブレドニン)を髄注されたのだが、注入される時、前回の時の様な変な胸の圧迫感みたいな感覚は無かった。とにかく「丸くなって、丸くなって」といわれ、ぎゅっとひざを抱え込んで必死に丸くなり、更に疲労が増した。今回も枕を外して約1時間半強、仰向け安静(rest)になる様に言われ、じっとしているのがかなり辛かった。
夕方に今日の結果を教えてもらったが、今回も髄液に悪い細胞は検出されなかったとの事で一安心。そこで先生に訊いてみた。初回ルンバールの時、取り敢えずは目視で髄液を見て透明なら先ず良しとし(悪い細胞がいないと判断し)、次に顕微鏡検査で確認などをすると聞いたが、髄液を採って、明らかに濁っている事もあるのかどうか、と。するとそういう場合があるらしく、濁っている場合は悪い細胞がある為と考えてよいそうで、向こうが見えない位に濁っている人もいるそうだ。私の場合、もしかすると前回の初回ルンバール時、髄液が濁っているのではとかなり心配されたそうだ。
夕食後も4人の先生が入れ替わり立ち代わり診に来られた。のどの痛み、舌のしびれ(numbness)は昨日同様で、午後より頭痛(headache)少々、また、耳の空気抜きが出来ず、右耳ボゥーっとしたまま(耳鳴り;ear noises;tinnitus;ear ringing)。KB先生から2~3日前から指摘があったが、確かにトイレとかにちょっと行っただけで割合息が上がっている。昨日の赤血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)で少しはマシになったか。血小板(PLT:platelet)はずい分早く減少してくる。白血球(WBC;white blood cell)は200をきった。
長姉が関東から娘(姪に当たる)2人と義兄の母親と姉を連れて母の見舞いと観光にやってきた。これは私の病気が分かる直前に来ると予定していた件で、宿の予約も私がとっていた。長姉は21時前会いに来てくれた(面会時間はとうに終わっていたが親族なのだからといって色々差し入れを持ってきてくれた)。母は久々に孫2人と姉の婚家先の家族に会って、少し元気だった等、色々お話ししていってくれ、久々に楽しかったが、頭痛の為、少し疲れた。夜中に耳鳴りが解消すると同時に軽い頭痛が起こる。なかなか寝付かれず、午前3時半になっていた。横になると頭痛でしんどい。
【血液検査結果】
WBC(白血球数)200 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 9.0 [g/dl]、PLT(血小板数)44,000 [/μl]、好中球(Neutrophil) 1.0%、芽球(Blast) 1.0%、リンパ球 98.0%、LDH 337[IU/l]
2006-04-04(火) Aコース(1回目)8日目
朝の検温(6時頃)の時、ナースがよく眠れるかと聞いてきたので、慣れないベッドで、また椎間板ヘルニア(disk herniation)が痛くなってきた様だと答えると、低反発クッションがあるので試してみたら、といって、午後にベッドマットに敷いてくれる事になった。自宅では柔らかいベッドに寝ていたので、これで少しは柔らかくなるかと期待する。母は都合あちこちに入院したが、「脊柱管狭窄(spinal canal stenosis)等で腰を痛めているのでもう少し柔らかいベッドマットを」と何度お願いしても、色々と事情があるらしく、応じて貰えた記憶が無かった。それを体験してきた為、頼んでも難しいだろうと思い込んでいて何もお願いはしていなかったので、嬉しい。
のどがかなり痛い。食欲としてはまだ食べられる感じだが、舌のしびれ(numbness)、特に舌の奥のしびれがきつく、嚥下(deglutition)するのが苦痛である。それからここ数日、唇の皮が毎日むけ続けており、口の中の薄皮もむけ続けている、舌の表面の皮もむけているのではないかという感じである。食事は昨日、白血球(WBC;white blood cell)数が400になったので、『化療後食』というものに変わった。
今日も化学療法(chemotherapy)は中休みで何も無いが、午前中はKB先生、TS先生、TNB先生、KN先生と入れ替わり立ちかわり診に来られた。先生間でどの様に患者の様子の申し送りをしているのかよく知らないが、今朝の具合等を来る先生ごとに聞かれるので、その都度、改めて一から同じ事を繰り返して話さなければならず、なんだかわずらわしい気がする。明日はまたルンバール(Lumbal:腰椎穿刺)がある、との事。憂鬱である。
2007-04-06
2006-04-03(月) Aコース(1回目)7日目
のどがだんだん痛くなってきた。舌にしびれが出てきており、食物を嚥下(deglutition《飲込み;swallowing》)するのが苦痛になっている。舌が自分のものでない様な違和感がある。今朝は採血でまたぶっ倒れたらいけない、という事で病室までナースが来てくれた。
今日も化学療法(chemotherapy)はひと休みで点滴は無い日である。ただ貧血気味という事で午後から赤血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)があった。白血球(WBC;white blood cell)は400個になった(500個以下になった)ので、非常に感染しやすくなったと考えて、トイレに行く時などを除いて出来るだけ病室を出ない様にして下さい、という事になった。
それと、初めてみる2人の先生を連れてこられた担当医のTS先生が「今月中旬位で私はあなたの担当を離れます。次から担当して下さるのがTNB先生(男性)とKN先生(若い女性)です」と引き合わせられた。しばらくはこの3人に主治医のKB先生の4人体制で診察に当たるそうだ。TS先生は4月からここの大学病院の大学院へ進学される為、現場を離れると言うことだったが、ようやく化学療法も入院生活も慣れてきた所なのに、先生が変わってしまうと聞き、少し不安にショックが混じる。
午前に職場のボスに電話をし、とりあえず年休のお願いをし、緊急入院する事になった経緯を話し、詳細はメールでお伝えしたいと話す。どうしようもなかったとはいえ、急に仕事が出来なくなってしまい申し訳ない気分で一杯だった。インターネットやEメール等通信手段はまだないが、幼なじみのYちゃんにメモリスティックに記録したものを送信してもらえないかと昨日お願いしていたので、午後に来てくれた時にボス宛のメール文を託した。
【血液検査結果】
WBC(白血球数)400 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 6.9 [g/dl]、PLT(血小板数)69,000 [/μl]、好中球(Neutrophil) 6%、芽球(Blast) 1.0%、リンパ球 93.0%.
LDH 525 [IU/l]、γ-GTP 162 [IU/l] 、CRP(炎症反応) 0.1[mg/dl]
2006-04-02(日) Aコース(1回目)6日目
今朝は頭痛(headache)、むかつき少々あり。朝食前の採血があり看護師詰め所の処置室へ行く。通常採血は月・水・金なのだが、輸血(blood transfusion)が必要かどうかを調べる為だという。入院以来、針を刺されて血ばっかり採られ痛い等のストレスからか、ナースに針を刺されてしばらくして、気が遠くなり、ついにぶっ倒れてしまった。どこか遠くで名前を呼ばれる声が聞こえつつ何人かのナースがきて車椅子に乗せられ病室へ(ほとんど引きずり込まれる様に)運ばれた。くらくらする。しばらく足を高くして休む。今日は抗癌剤治療が無いので、その点は気が楽である。
朝食は食欲が無く食べるのが辛い。ほおや手足の皮膚、自分の舌が麻酔(anesthesia)でもかけられたかの様な、まるで自分のものでない感覚になり、物の味などよく分からなくなってきた。抗癌剤(anti-tumor agent)の副作用の一つであろうか。飲み込むのも違和感がある感じである。ミカンだけかろうじて味が分かりおいしく感じられた。昼食も食べるのが苦痛。夕食も何とかおかずだけ食べた。むかつき、食欲も全くない時に無理に食べるのがこんなに辛いとは・・・
血液検査の結果は白血球(WBC;white blood cell)が1,000個に減り、赤血球(RBC:red blood cell)も血小板(PLT:platelet)も輸血するレベルまで減っているということで、今日は血小板を輸血される。輸血時は必ず先生がつなぎに来られるが、血小板輸血ではかゆくなったりしたらすぐに知らせて下さい、と声をかけられる。前回かゆい症状が出なくても次は出る時もあるそうだ。また、症状の出る人でひどい場合は全身にぶつぶつが出たりしてアレルギー様反応を示す為、すぐにそれを抑える注射をするそうだ。紫外線アレルギー(UV allergy)があり、肌も弱い方だが、この血小板輸血で今の所そういう症状が出ないので、助かった。
今日は次姉が見舞いに来てくれたので、自宅へ行って母のパソコンを借りてきてもらう。私が4人部屋で隣りの人のいびきで眠れない話を覚えていてくれて耳栓をプレゼントしてくれた。4人部屋の眺めは素晴らしくよかった。今回の2人部屋(事実上一人で使わせてもらっている)は病棟の建物の狭間で眺めは空が少しと建物しか見えないが、気分的には少しリラックスできる。一人でいるので携帯電話を病室で使える様になったのが便利だった。
夜、長姉に電話して、職場のボスに病気で緊急入院になってしまった事をどう伝えるかを相談した。姉はとりあえず電話で年休を告げ、詳細はメールでお知らせするという形でワンクッションおけ、とのアドヴァイスであった。その後、持ってきてもらったノートパソコンでボスへの報告メール下書き作成。何か残せる仕事はないか、ここで出来る仕事はないかと色々考えてしまう。
今晩より、ミコシストカプセル[100mg](防カビ剤)の服用再開。
【血液検査結果】
WBC(白血球数)1,000 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 6.4 [g/dl]、PLT(血小板数)19,000 [/μl].
LDH 772 [IU/l]、CRP(炎症反応)0.1> [mg/dl]
2007-04-05
2006-04-01(土) Aコース(1回目)5日目
今朝はしんどい。朝食は和食ではなくパン食をお願いしており、月・水・金は白の食パンが2枚、透明な袋に包装されて出てくる。こう言っては何だが、とてもおいしくない。火・木・土・日は日替わりの菓子パンなどが2個、個別に包装されて出る。こちらは食パンよりはまだ食べられる。朝食はもともとそんなに食べる方ではないので、日替わりパンを毎日一個、残る一個は翌日の朝食に回し、もったいないとは思ったが、食パンは食べずに返した。その他、バターまたはジャムにサラダとパック入り牛乳、果物が出た。同室の患者さんはそれ以外に棒ウィンナーとかプロセスチーズを食べる人、その他おかずを食べる人など、自由であった。今日は部屋を移動して一人になって初めての朝食。少しむかつくのでバナナとサラダのみで朝食を済ませる。
私は毎日便通のあるタイプなのだが、入院以来共同トイレに点滴につながれての蓄尿、尿計測等、非日常を繰り返しているせいか、便秘(constipation;obstipation)気味になり、入院3日目に軽い下痢(diarrhea)を飲み、その後、少々あったのだが、その時、少し肛門(anus)付近が切れたらしく、ちょっと痛かった。今朝、ようやくしっかりとした量の便通があったのでホッとしている。
午前中、いつもの様にKB先生の回診(round)があった。ここ数日色々と本や手帳の記録を調べたりして分からない事等を質問した。白血病(leukemia)で、慢性 (chronic)も急性(acute)も難儀な病気である事は変わらなかったが、改めてどう違うのかを聞いてみた。慢性と急性とでは遺伝子的に全く違うもので診断に間違え様がないらしい。丁度半年ほど前に『胸苦しい』と手帳に記録しているが、その頃から発症していた可能性はあるのか、と聞いてみたが、急性か慢性かという事実は変え様が無いらしい。
治療開始後、ホットタオルで体清拭をしているだけだったので、看護師さんに頼み洗髪をしてもらう。共同の洗面所と洗濯場の片隅に洗髪所があり、美容院での様な背中が倒れる椅子に乗り、看護師さんが丁寧に洗ってくれ、ドライヤーまでしてくれた。まだ脱毛は始まっていないみたいだ。
昼食もむかつき、食欲無し。午後の水分(ソルデム、メイロン)の点滴も始まる。この点滴が5~6時間で終わったら、Aコースはしばし中休みで点滴がなくなる。また、尿計測も今晩12時までで終了になる。バンザイ。
夕食時は食欲が全くわかなくなった。というより、食べるのが苦痛になってきた。しかし、食べておかないと病気に勝てないと思い、無理やりおかずのみ口に詰め込むが、全身“さぶいぼ”が出るほどつらい。夜、母や友人より電話がある。気がまぎれてうれしい。
2007-04-04
★☆★治療時の食事制限★☆★(入院生活2)
『治療時の感染予防の心得』(入院生活1)に続いて、私が白血病(leukemia)で入院した血液腫瘍内科が作成した「感染予防のために」という冊子を参考に、食事制限がどんなものなのかの注意事項をまとめてみたい。
身体の抵抗力が低下している時に、生ものや十分に加熱されていないもの等を食べると、下痢(diarrhea)等を起こす事がある。
私の場合、化学療法(chemotherapy)を受けた後の病院食(hospital food;hospital diet)は『化療後食』というものになっていた。これは普通食と大きくは変わらない様に思えたが、牛乳はビンではなくパック式だとか、微妙に違いがあるみたいだ(周りに普通食の人がいなかったので、ハッキリとした違いは知らない)。
好中球(Neutrophil)数が200個以下になると『化療後食』から『加熱食』に変わる。『加熱食』とは、加熱調理された食事に、落下菌を防ぐ為のラップがかかっている。配膳直後はそのまま食べてよいが、冷めてから食べる場合は電子レンジで2分ほど加熱(加熱による殺菌効果がある)してから食べる様にする、とある。 ※ちなみに、『加熱食』になると朝食のサラダはゆで野菜(加熱野菜)に、くだものはパック入りの果物ジュースに変わった。ご飯はラップをして加熱2分、おかずも執拗に加熱されている様で、申し訳ないが、お世辞にもとてもおいしいとは言えない病院食が更にかなり食べにくい物になったものも多かった。
食欲がない、病院食が食べづらい時は他のものを食べてもよいが、生ものを避け加熱調理したものにする。市販の食品は殺菌処理されているか表示を確認する。治療上制限がある食品もあるので、その都度ナースなどに確認を取るようにする、とある。 ※実際、病院食には手をつけず、カップメンやレトルト食品・缶詰等で済ます人もいるらしい。
箸・箸箱・コップ・スプーン等の食器は、使用後すぐにきれいに洗い、乾燥させる。 ※先輩患者さんに教えてもらった方法は、部屋にある洗面台にある手洗い用の液体石鹸で洗い、よくすすいだ後はすぐに備え付けのペーパータオルで食器の水分をふき取ってしまう。乾くまでに空中を浮遊するほこりや細菌がくっ付いてしまう等の危険を防ぐ為、使い捨ての紙でさっさと拭いてしまうのである。コップは何かフタが出来るものがよいだろう。
【食べていいもの・ダメなもの・調理の注意点】
主食:
・ 生ものは厳禁、握りずし・巻寿司は避ける。ちらし寿司も生の具は除き、電子レンジで2分加熱してから食べる。
・ 未開封の市販のパンはよいがサンドイッチ・惣菜パン・生クリーム入りパンは避ける。バターを使う場合は、塗ってトーストしてから食べる。
・ 麺類では具は加熱し、ネギも加熱する。月見うどん・山掛けそば等は避ける。
副食:
・ 肉・魚介類は刺身、レア(生焼けや半なま)では食べない様にする。加熱調理後密封したハム・練り製品は、開封直後はそのまま食べてもいいが、時間が経過したものは過熱してから食べる様にする。
・ 生卵・温泉卵・半熟は避ける。
・ 野菜は十分に洗い、サラダにするならすぐに食べる。トマトは傷の無い新鮮なものなら湯むきすればそのまま食べてよい。好中球数が500以下になったら生野菜は避け、加熱してから食べる。 ※外出等で外食する時はファミレスのサラダバーなど次々に野菜が継ぎ足される様なサラダはどこまでが作ったばかりなのか鮮度がハッキリしないので避ける様に教えられた。
・ くだものでは、缶詰はよい。新鮮で傷の無い・皮の厚いくだものなら十分に洗い、皮を厚くむけば食べられる。食べられるものはりんご・みかん・バナナ・スイカ・メロン等。食べられないものはイチゴ・桃・ぶどう等、ドライフルーツは避けた方がよいらしい。 ※但し、スイカ・メロン等は丸のままを買ってきて、その切り立てなら食べてよく、残った分は食べない様にする、と言われた。また、好中球数等により、食べても良いものと避けた方が良いものが微妙に変わり、いつでも絶対ダメというわけではなさそうなので、その都度、担当医等に直接聞くのがベスト。
・ 乳製品では、先ず牛乳はパック入りが望ましい。一度開封後に残ったものは避ける。プロセスチーズは食べてもよいが、そうでないナチュラルチーズは避ける。生クリーム製品も避ける。市販のヨーグルト(低音殺菌されている)は食べられるが、これも開封後に残ったものは食べないようにする。※ビフィズス菌・乳酸菌は避けるとあるが、これも微妙なので、担当医等に聞くのがよいと思う。
・ お菓子は、手作りや・個別包装されずにショーケースでばら売りされているものは避ける。生菓子も避ける。生クリーム物も避ける。袋詰めされた焼き菓子は食べられるが開封後時間経過したものは避ける。食べられるものはクッキー・せんべい・スナック菓子・カステラ・チョコレート・飴・ガム等で、食べられないものとしてはショートケーキ、シュークリームなどがあげられている。アイスクリーム・プリン・ゼリーなどは密閉容器に入った市販品は食べてもよいが、手作りは避ける(例えばハーゲンダッツのカップは密封されているのでよいが、ソフトクリームはダメ)。和菓子は電子レンジで加熱すれば食べられるとある。試した事はないが、どんな事になるだろうか、ものによっては興味深い。
・ 飲料関係では、水道水は湯冷ましにすれば飲める。市販のミネラルウォーターは輸入―品は滅菌工程がハッキリしないため避ける。缶・ペットボトルのお茶やジュースは加熱殺菌されているので飲めるが、缶飲料は飲み口部分を先に水洗いしてから開栓する様にし、缶・ペットボトル共に、必ずコップに移して飲み、時間が経ったものは避ける。また炭酸飲料は胃を荒らす可能性がある為、避けると書いてあった。 ※ミネラルウォーターは日本製のものは滅菌の点は安全だから何でも良いとの事だった。日本製でフィルターろ過式のがあったので聞いてみたが、それに関して確答は得られなかったが、飲んでも大丈夫であった。
その他:
・ 調理済みの冷凍食品・レトルト食品(boil-in-the-bag food)・インスタント食品(instant food;convenience [precooked, fast] food(s))・缶詰(《米》canned〔《英》tinned〕food)は食べられる。
・ 梅干(Pickled plums;pickled ume)は食べられるが、減塩梅干は避ける。
・ 味噌汁(miso soup;Bean-soup)は食べられるが、生味噌類は避ける。
・ 豆腐(tofu;bean curd)は冷奴にする場合も、一度加熱する。
・ 漬物(Pickles;pickled vegetables;salted vegetables)は発酵させたもの・浅漬け以外の市販のものは食べられる。
・ 蜂蜜(honey)は避ける。
・ 調味料は一回使いきりのパック入りのものにする。
以上、初めてこれを読んだ時、細か過ぎて気が遠くなったが、基本は、病院食ならすぐ食べればよい。生ものはダメ、蜂蜜もダメ、また開封後時間が経ったものもダメ、加熱すれば大丈夫と考えた。また極端に栄養が偏らないのならば、病院食を食べずにお菓子や果物、冷凍食品・レトルト・インスタントラーメン等ばかり食べていても怒られないのではないだろうかと思われる節があった(あくまでもイメージですが)。きっと、化学療法で食べられなくなる(食欲減退)症状を訴える患者等が多く、食べられないより何でもいいから食べた方が良いと先生方は考えておられるのではないかと私は想像している。
この他にも色々あるだろうかもしれない。そして病院や先生によっても変わってくる所もあると思われるので、そのつど、担当医やナースに聞くのがよいと思う。
2007-04-03
★☆★治療時の感染予防の心得★☆★(入院生活1)
私が白血病で入院した血液腫瘍内科が作成した「感染予防のために」という冊子を参考に、入院生活時の感染予防の注意事項をまとめてみたい。
白血病(leukemia)では、正常な白血球細胞が正常に機能しなくなり、身体の抵抗力が落ちてしまい、感染しやすくなる。また、化学療法(chemotherapy)では一時的に血液中の血球(白血球(WBC)・赤血球(RBC)・血小板(PLT))が減るため、減少期に抵抗力が落ち、口内炎(stomatitis)や咽喉痛(pharyngodynia)、発熱(pyrexia、fever)等の感染症(infection)の症状が出ることがある。治療中にこれらの症状が出ると非常に辛い。しかも白血病になる前に経験したこれらの症状とは違い、格段に激しく厳しく痛いものであった。恐らくこれは私に限った事ではなく、同様の治療を受ける多くの人が経験しているものと思う。そんな感染を未然に予防する為の心得みたいなものである。
★行動範囲★
私が入院した病院では骨髄移植(bone marrow transplantation;BMT)などの場合を除いて、クリーンルーム(無菌室(clean room))に入る事なく治療(化学療法)を受ける。マスク(mask)を常に着けなければならないが、売店に行ってもいい時期もある。その目安になるのが好中球数で、【好中球数】=【白血球(WBC)の個数】×【好中球(Neutrophil)(%表記)】×【1/100】という計算でその個数が分かる。私の病院では1,000以上だと地下にある売店へ行ってもよいし、外出・外泊の目安になっていた。500以下になると外出・外泊禁止となり、トイレ等の場合を除いて出来るだけ病室(空気清浄機設置)を出ない様に、また100以下になった場合は非常に感染しやすい状態でもあり、家族の面会も制限する事もあるという。
★面会制限★
面会は風邪をひいている人や7歳以下の子供の面会は好中球数に関係なく原則お断りになっていた。面会者もまた、病室前に置いてある消毒剤で手を消毒し、マスクの着用を義務付けられている。この為、私は入院以来、先生にしろナースにしろ、同室の患者さんまで全てマスク姿の人しか見ていない。また、自分の好中球数が安全範囲だとしても同室で治療中の人は危険範囲かもしれないので、病室に入る面会者も一度に2名までか、あるいは面会フロアーで面会するように気をつけなければならなかった。
★手洗い★
手洗いは小まめにする。食事・内服・排泄前後、外から部屋に戻った時に手洗いして、備え付けのペーパータオルで水分をふき取る。手ぬぐいは使わなかった。
★マスク着用★
上気道感染予防のため、病室外へ出る時、同室の人と話す時、掃除の時など必ずマスクを着用する様に、と言われていたが、実質上、起きている時はずっと(時には24時間)マスクを着用する様にしていた。マスクは一日一回交換する様にと、各病室の前に新しいマスクが入った箱が設置されていた。
★うがい・歯磨き★
口腔内感染予防に、うがいは起床時・毎食前・毎食後・就寝前・帰室後にする様にする。一日最低4回はする様に、との事だった。うがいには適宜希釈したイソジンガーグルうがい液が各患者へ病棟から毎週配られる。それでうがいをし、うがい後は口をゆすいだりせず、しばらくはお茶等も飲まずにしておくと殺菌効果が上がると、同室の先輩患者さんから教わった。食後のうがいは歯磨きの後にする。
歯磨きは毎食後と就寝前に、歯肉(歯ぐき:gum;gingivae)を傷つけない様に柔らかめの歯ブラシを使い、使用後はよく乾燥させる。歯間ブラシは歯肉を傷つける事があるので使用は控える様に、との事。
★陰部・肛門周囲の清潔★
治療の副作用で便秘(obstipation、constipation)・下痢(diarrhea)になる事があり、排尿(micturition)・排便(defecation、evacuation)後はウォシュレットを使って洗って清潔に保つ様にと書いてあるが、肛門(anus)は排便時に傷つけない様に常に心がけて欲しい。この化学療法で白血球が殆んどゼロになった時、肛門に、ほんの小さな傷でも作っていた場合、大変な苦痛になって襲ってくるのでくれぐれもご用心して欲しい。健常時にはすぐ治る傷も、白血球が無くなるとぜんぜん治らない上に、はれて炎症(inflammation)を起こして重症の痔(piles;hemorrhoids)の状態になってしまう。
★トイレ★
洋式トイレは、使用前後に便座を除菌クリーナーで拭く様にする。
★入浴★
湯船は使用せず、シャワーのみ。好中球数が500個以下の時はシャワーも不可で、ホットおしぼりで体を清拭する。拭く時には体に傷がないか等、皮膚の観察をする様に心がける。
★爪★
爪(nail)の間は汚れやすいので伸ばさない様にする。但し、特に血小板が低下している時は深爪にならない様に気をつける。
★髪の毛★
薬の副作用で脱毛が起こるが、抜け毛は不衛生という事で剃ってもらう事があるという。枕等についた抜け毛はガムテープ等で取る様にする。
私の場合は抜けるに任せ、髪を切ったり剃ったりはしなかった。脱毛で髪は毛根(hair root;radix pili)から抜け落ちるが、白血病患者のホームページ等の中で、髪を剃り、それが抜けて枕や服につくとチクチクすると書いてあった。これは毛先が剃った事により鋭利になり、それが抜けたからではないかと考え、剃らなかった、おかげでチクチクする事は一度もなかったが、一つ誤算は第一回目の化学療法で脱毛してしまい、きれいさっぱり毛が抜けてしまうと思っていたのだが、なかなかそうはいかなかった。初回化学療法で大半は抜けはしたものの、想像と違って中途半端に毛が残り(頭頂はほぼ抜けたがうぶ毛や周辺の毛が随分抜けずに残り)、みすぼらしい河童のような感じになったのを覚えている。化学療法が何回も繰り返されるうちに最終的にはほぼ全て抜けたのだが、最後までど根性で抜けずに残っていた毛もあった。
同室のある女性は、長めの抜け毛を一々始末するのが面倒だと、院内の理容室・美容室でさっさと丸坊主に剃り上げ、サッパリしたと言っていた。髪を剃るか剃らないかは全く個人の自由であった。
★環境整備★
私の入院した病院では、毎日掃除の人がゴミ取りと掃除を丁寧にしていき、毎日ではないが、除菌クリーナーで棚やテーブル、ベッドの柵や枕電気のカサ等を拭いて清潔にして貰っていた。床に物を落とした場合は自分で拾わずナースコールをして拾ってもらい、ナースはそれを除菌クリーナーで拭いてから患者に渡す様になっていた。病室の窓は、外の埃などが入ってくるので絶対に開けない様にと決められていた。生け花は、細菌がついてくる、細菌の繁殖源になるという事で、お見舞いの花(生のお花)も一切断る事になっていて病室には持ち込めない。お見舞いの人が持ってきた場合は、詰め所に預けられていた。
★転倒予防★
治療中の血球減少時期の注意事項で、白血球減少に伴う感染しやすい状態に気を付ける他、赤血球減少に伴う貧血(anemia)状態・血小板減少に伴う出血しやすく止血しにくい状態等に気を付ける。
貧血状態時は普段何気ない動作でもめまい(vertigo;dizziness;giddiness)・ふらつきを起こし、転倒してしまう可能性があるので、ベッドから起き上がる時・トイレの後、立ち上がる時、引き出しから物を出したり、しゃがんだ状態から立ち上がる時なども、めまいに十分気を付ける様にする。はならず固定された物に掴まって、ゆっくり立ち上がる様にする。
次は食事制限についてまとめてみたいと思う。
★☆★血液検査項目一覧★☆★
一般的な血液検査項目の一覧。
※ 基準値は男女の別や年齢、検査施設によって、時に大きく変わってくるので要注意。
※ この表の基準値は入院時の作成者(成人:♀)自身の基準値を書いてある。
検査項目 | 読み方 | 基準値(♀) | 備考 |
WBC | 白血球数 | 2,800-9,000[ /μL] | 炎症、血液疾患の指標。薬物の影響も反映 |
RBC | 赤血球数 | 359-480 [万/μL] | 貧血の診断に用いる |
HGB | ヘモグロビン、血色素量 | 10.7-14.5[g/dl] | 貧血の診断に用いる |
HCT | ヘマトクリット | 32.3-43.0[%] | 貧血の診断に用いる |
MCV | 平均赤血球容積 | 78.7-99.7[fl] | 赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる |
MCH | 平均赤血球ヘモグロビン量 | 26.1-33.6[pg] | 赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる |
MCHC | 平均赤血球ヘモグロビン濃度 | 32.4-34.7[%] | 赤血球の大きさや濃さの指標.貧血の種類を調べる |
PLT | 血小板数 | 12.8-39.3 [万/μL] | 血液の止まり易さの診断に用いる |
reticulocyte | 網赤血球数 | 7.0-20.0[プロミレン] | 幼若赤血球で活発な血球再生のプロセス中に出現する |
.
白血球分類 | 読み方 | 基準値(♀) | 備考 |
Neutrophil | 好中球 | 46-62[%] | 主に感染等の炎症性変化、血液疾患等で増加を示す |
Lymphocyte | リンパ球 | 30-40[%] | 主にウィルス性の感染症、リンパ性の血液疾患等で増加を示す |
Monocyte | 単球 | 4-7[%] | 体内の免疫機転と密接な関係を持ち、慢性感染症等で増加を示す |
Eosinophil | 好酸球 | 3-5[%] | アレルギー疾患、寄生虫疾患等で増加を示す |
Basophil | 好塩基球 | 0-1[%] | 数が少なく生理的に消失する事もある。慢性骨髄性白血病等で増加を示す |
Myelocyte | 骨髄球 | . | 高度の炎症や腫瘍等で末梢血液中に出現 |
好中球数 | 好中球数 | . | 下記計算式(※)参照 |
.
※【好中球数】
=【白血球(WBC)の個数】×【好中球(Neutrophil) %】×1/100
.
検査項目 | 読み方 | 基準値(♀) | 備考 |
AST/GOT | アスパラギン酸アミノ酸トランスフェラーゼ | 13-33[IU/L] | 肝臓、心臓等の障害の指標 |
ALT/GPT | アラニンアミノトランスフェラーゼ | 6-27[IU/L] | 肝臓の障害の指標 |
LDH | 乳酸脱水素酵素 | 129-241[IU/L] | 肝臓、心臓、骨格筋等様々な臓器の障害の指標。溶血で極端に上昇 |
ALP | アルブミン | 115-359[IU/L] | 肝臓、骨等様々な臓器の障害の指標。 |
γ-GTP | ガンマーGTP | 7-29[IU/L] | 肝臓、胆道の障害の指標。飲酒により高値になる |
TP | 総蛋白 | 6.3-8.1[g/dL] | 栄養状態、肝機能の指標 |
ALB | アルブミン | 3.9-5.1[g/dL] | 栄養状態、肝機能の他、一部の腎障害の指標 |
Ch-E | コリンエステラーゼ | 201-436[IU/L] | 肝臓で蛋白を合成する機能の指標。有機リン等薬物中毒の疑いのある時にも必須 |
T-Bil | 総ビリルビン | 0.3-1.3[mg/dL] | 黄疸の確認に用いる。異常がある時、高値になる |
CRE | クレアチニン | 0.4-0.8[mg/dL] | 腎機能、筋肉量の指標 |
UA | 尿酸 | 2.6-6.2[mg/dL] | 腎機能や細胞の障害の指標。痛風、糖尿病、腎炎等で高値 ※7以上で要注意、8以上で危険信号。 |
BUN | 尿素窒素 | 8-22[mg/dL] | 腎機能の指標。腎炎等で高値となる |
CPK(CK) | クレアチンキナーゼ | 35-141[IU/L] | 筋肉(心筋・骨格筋)の障害の指標 |
血清血糖 | 血清血糖 | 78-110[mg/dL] | . |
AMY | アミラーゼ | 36-129[IU/L] | 膵臓、唾液腺の障害の指標 |
Na | ナトリウム | 136-144[mEq/L] | 電解質のバランスの指標。水代謝異常の指標 |
K | カリウム | 3.6-4.8[mEq/L] | 電解質のバランスの指標。神経伝達や筋伸縮に関与 |
Cl | クロール | 99-109[mEq/L] | 電解質のバランスの指標。NaとCl比は約140:100 |
Mg | マグネシウム | 1.8-2.3[mg/dL] | 腎臓や甲状腺の機能の指標。 ※低い時、カマグで補える。 |
Ca | カルシウム | 8.5-9.9[mg/dL] | 骨、腎臓、副甲状腺機能の指標 |
CRP | C-反応性蛋白 | 0.2[mg/dL]以下 | 炎症や組織障害の指標。感染症、自己免疫疾患、心筋梗塞等で高値 |
.
検査項目 | 読み方 | 基準値(♀) | 備考 |
Ig-A | 免疫グロブリンA | 93-426[mg/dL] | 局所免疫。異物排除や感染予防機構に関係。消化管や気道の粘膜に多量に存在 |
Ig-G | 免疫グロブリンG | 826-1840[mg/dL] | 感染防御に重要な役割を演じる。ヒト血清中では最も多いIg |
Ig-M | 免疫グロブリンM | 54-333[mg/dL] | 免疫初期に出現。後、Ig-GやIg-Aに転換する |
Hp | ハプトグロビン | 14-294[mg/dL] | 減少は溶血の指標。遊離ヘモグロビンに結合する血清αグロブリン。 |
.
2007-04-02
2006-03-31(金) Aコース(1回目)4日目
今朝も雪が舞っていた。採血は通常、月・水・金とあるらしく今日も採られた。今日も各種点滴があるが、最初の3日間(エンドキサン)とは違う2種類の抗癌剤(アドリアシンとオンコビン)が投与される予定になっていた。蓄積毒性と便秘(constipation;obstipation)・手足のしびれの副作用、また脱毛が起こる抗癌剤(anti-tumor agent)だそうだ。今日は夜中にする点滴が無く、24時間点滴も今日で終了、その他の点滴も20時に終了したので、28日から始まったカテーテル(catheter)(管)につながれた生活から久々に解放された。
昨日のルンバール時に起こった変な痛みは今日も数回起こったが、すぐに治まる。足のふくらはぎに青あざが新しく出現していたので、夜診察に来られたKB先生に聞いてみると血小板(PLT:platelet)の輸血(blood transfusion)が必要であろうと診断。入院初日に血小板の輸血をしたのにまた青あざが出来ると不安になる。
血液検査結果では白血球数(WBC)が3,200個と、水曜日の10分の1に激減、TS先生は順調に抗癌剤が効いている証拠という。またLDHという値が1,790(標準値:129-241[IU/L])と非常に高かったので何なのか聞いてみた。LDH(lactate dehydrogenase;乳酸デヒドロゲナーゼ)は血清(serum)中に比べて、血球中には約200倍の活性があるので、溶血(hemolysis)が起こるとLDHが極端に上昇するらしい。先生曰く、(腫瘍)細胞が崩壊した時に高くなる事があるとの事で、これも予定通りだという。
それから今日急遽、二人部屋へ移動する事になる。急に空いたのだという。二人部屋といっても私一人が入る事になったので事実上個室といえるが、トイレはついていない。荷物の移動と片づけで少々疲れたが、久々に独りになれる事が嬉しかった。但し、看護詰め所の真向かいにあるので、頻繁にナースコールが鳴るのが聞こえるので、安眠とまではいかなさそう。
【血液検査結果】
WBC(白血球数)3,200 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.1 [g/dl]、PLT(血小板数)39,000 [/μl]、好中球(Neutrophil) 32%、芽球(Blast) 32.0%、リンパ球(lymphocyte) 35.0%、CRP(炎症反応) 0.1[mg/dl]
GOT(AST) 57 [IU/L]、GPT(ALT) 22 [IU/L]、LDH 1,790 [IU/l]、γ-GTP 203 [IU/l]
2007-04-01
2006-03-30(木) 初めての腰椎穿刺(ルンバール)
Aコース(1回目)3日目、本日も昨日同様の各種点滴のほかに、ルンバール(Lumbal:腰椎穿刺)というのがあるという。髄注(髄空内注入:intrathecal injection)という表現もしているみたいだ。化学療法(chemotherapy)の抗癌剤(anti-tumor agent)点滴だけでは充分に行き届かない脊髄の髄液(脳脊髄液;cerebrospinal fluid;CSF;liquor cerebrospinalis)に直接抗癌剤を注入する治療法で腰椎の間に針を刺して注入するのだという。これによって脊髄のみならず脳にまで抗癌剤が届く事になる。しかし、また針を挿されるのかと思うととても嫌だし、神経の束が一杯走っている腰椎(lumbar)に針を挿して神経を傷つけてしまわないのだろうか、脳が抗癌剤に触れて大丈夫なのだろうか等と、イメージが出来ない分、不安を覚えた。
午前10時、施術は病室の私のベッド上でTS先生によって行なわれた。4人部屋で他にも同室の人もいる中、カーテンを仕切っただけの状態で始められた。先ず横向きに腰を出して寝る。背中をイソジン綿棒で念入りに消毒後、例によって一つ穴空きの清浄布を腰の腰椎を中心にして被せられる。両手両腕でひざを抱え込み軽く丸くなる様にいわれる。第5腰椎(lumbar)と仙椎(sacral vertebrae)の間を椎間板ヘルニア(disk herniation)で痛めている事をあらかじめ伝えておいたので、第4と第5腰椎の間に局所麻酔(local anesthesia;regional anesthesia)をされた。麻酔注射といえども針を刺すのだから痛い。「今から髄液を抜いていきますので、ひざをグッと引き寄せて出きるだけ丸くなって下さい」といわれた。
マルクと言う骨髄穿刺(マルク:Mark;bone marrow puncture)は仰向けにまっすぐ寝て胸から骨髄を抜かれ、今日のルンバール(髄注)という腰椎穿刺の方は「丸く(マルク)」なって腰(背中)から髄液を採られるのか、等と冗談の様な言葉遊び(ダジャレ)が思い浮かんだ。
さて、先ず私の髄液を注射器で一定量抜き、抜いた分量だけ抗癌剤を注入するらしい。例によって声掛けして下さるので背中で行なわれている事に不安を感じつつも、何とか頑張れた。麻酔がかかっているとはいえ、針が刺されるのが分かり、芯の方で痛みを感じた。「次に抗癌剤を注入していきます。この時、尾部にかけてモゾモゾした感じがすると思います」といわれ、注入が始まった。始まったといっても物の十数秒位だったのではないかと思う。しかしこの時尾部ではなく胸の肋骨の真ん中(胸骨:sternum)あたりが締め上げられる様な妙な感覚が起こった。まるで横隔膜(diaphragm;diaphragma)が持ち上げられ肺が小さく押し潰されて苦しいといった感じ。その後、食道(esophagus;oesophagus;gullet)上部圧迫感があって、なんとなく収まった。先生に告げたが、私が今言った様な症状を訴えた患者は今迄いないそうである。私特有の反応だったらしい。また何か異変があったらすぐナースコールする様に言われた。
この抜いた髄液は白血球細胞(WBC;white blood cell or corpuscle)がいないかどうか、検査にかけられる。先ずは目視で透明なら悪い細胞はいなさそうと判断出来るそうだ。私の髄液は一見透明だったので、ひとまず安心との事だった。
髄注終了後は骨髄穿刺の時の様に止血に大きな絆創膏を貼られた。頭を持ち上げない様に仰向けになり、枕も当てず頭と腹と脚が真っ直ぐに平らになる様にして1時間ほど安静に寝ているよう言われた。これは脳にまで抗癌剤が行き渡るようにする為だという。また、この腰椎穿刺(ルンバール;髄注)後に安静にせず動き回ったりすると頭痛や吐き気が起こる事があるというので、私は1時間半ほど寝ていた。
午後、メモ書きしている時にこのルンバール時と同様の痛みというか、締め付け間が再発した。コールすると心電図(electrocardiogram;ECG)を測るといって仰向けに寝させられ、ナースが電極を胸や脚にペタペタと付けていかれるうちにこの痛みは治まってしまった。TS先生曰く胃痙攣(gastrospasm)?に似た反応だとか。夕刻にもまた起こったがすぐ収まったのでナースコールはしなかった。20時頃にもまた起こり、今度は少々続きそうだったのでコールをすると、また心電図の電極を付けられている内に治まってしまった。当直の先生が回診してくれたが、ルンバール後のこの様な症状を訴える患者は今までみた事がないという。しばらく続くのだろうか。消灯前、看護師長さんに個室の件や化学治療で脱毛の始まる時期など色々と相談する。
その他:ミコシストカプセル[100mg](防カビ剤)は今日(3/30)から3日間(4/1まで)服用を中止する様に先生から指示がある。明日投与する抗癌剤のオンコビンとの副作用の恐れがある為、投与前後は一旦中止にするそうだ。
2006-03-29(水) Aコース(1回目)2日目
Hyper CVAD化学療法(chemotherapy)開始2日目も採血で始まった。先生はAコース(1回目)2日目という表現をされる。同じ化学療法を計4回(4クール、4コースのこと)繰り返すのでそのうちの、第一回目コースの2日目ということらしい。今日も昨日と同じ内容の点滴が繰り返される。化学療法が始まってからとにかくトイレ(尿)に行きたくなり仕方が無い。これは自分の口から飲む水分のほかに点滴分の水分が体に入るからだそうだ。この点滴の為、夜中まで尿意に襲われ何回もトイレに行かなければならなかったので大変だったが、24時間蓄尿はこの昼でようやく終わった。蓄尿は24時間の尿総量と尿検査に使うと聞いた気がする。尿はたくさん出て正常、出なければ腎機能(renal function)がおかしいと疑う指標になる。
蓄尿からは解放されたが、今度は尿を全量カップに採って測りどれだけ出たかを毎回記録する様に言われた。これは24時間点滴をしている間ずっと、即ち4月1日まで続けなければいけないらしい。蓄尿しなくてよい分、少しましとはいえ、ストレスはまだ続きそうだ。
ところで昨日から私の隣のベッドに入院してきた同室の年配の方がカーテン越しとはいえ、こちらを向いて一晩中いびきをかかれたので、夜中の点滴交換やナースの見回りの他にも寝不足の一因になってしまっている。また逆に言うと、点滴のおかげで夜中でも2~3時間おき位にトイレに行きたくなり、その都度廊下に出るドアを開けるなどの物音を立ててしまうし、点滴が終了したり寝返りして点滴のチューブが折れ曲がって中断されたりすると、接続されている機械が察知してブザーが鳴り始める。深夜寝ている同室の人に気兼ねでどうしようもない。今日は先生や看護師さんに個室は空いていないか聞き、個室が空き次第移動できないかをお願いした。入院するまではずっと自分の部屋で静かに寝てきたのに、いきなり環境が変わった上、病院ってこんなに騒がしい所だったのかと驚いている。
本日関東の自宅へ帰る長姉が見舞いに来てくれた。姉と今後の見通しを漠然とながら立ててみた。最初の化学療法(第一回目は恐らく2ヶ月位かかり、その間に脱毛が起こる)の間は、親戚以外の誰とも面会したくない(脱毛で私自身が気が滅入っているかもしれないので)という事とし、病名(私が白血病leukemiaである事)は聞かれたら順次知らせていく様にしたいと希望を姉に伝えた。姉は私が病室でもパソコン、インターネットが使える様に次回用意してきてくれるという。帰国直後に無理に京都まで来てくれてありがとう、とても心強くありがたかったです。
夕刻、KB先生が月曜日に紹介して下さった本『白血病と言われたら』(長姉が売り切れていたといっていた本)をわざわざ買って持ってきて下さった(※)。母が注文したといっていたが、先生のご好意に買わせて貰った。これは白血病に限らず各種血液疾患について、薬や治療法、闘病に役立つ情報等も含め広範にわたって詳しく書かれており、闘病の辞書代わりになりそうだった。
今日の血液検査の結果は前回まで正常値だったGOTが56と高値となっていた為、肝機能は大丈夫なのかを先生に尋ねる。血球が大量に破壊される時にもGOT値が上昇する事があるのだという。今の私に行なわれている化学療法は簡単に言うと、病気の白血病細胞(leukemia cell)を殺す為に正常な白血球細胞も一緒に殺してしまう。正常・異常を含めて白血球を限りなくゼロにして次に正常な白血球細胞が増えるのを待つというものらしい。だから今は大量に血球が死んでいっている状態なのだろう。
夜、母より携帯へ電話をくれたので、携帯が使える詰め所前まで移動して話す。声を潤ませつつ気丈に私を励ましてくれる。家族からの電話は入院するとうれしいものなのだという事が良く分かる気がした。
夜中、よく寝付かれず詰め所前のソファーに座って、ボウッとする。深夜勤務のナースにも個室のお願いをしてみる。
※「増補改訂版-2」全国協議会ニュース臨時増刊号『白血病と言われたら――発症間もない患者さんとご家族のために――』発行:特定非営利活動法人 全国骨髄バンク推進連絡協議会、定価500円 http://www.marrow.or.jp/
【血液検査結果】
WBC(白血球数)30,900 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 7.2 [g/dl]、PLT(血小板数)58,000 [/μl]、好中球(Neutrophil) 4%、芽球(Blast) 90.0% 、リンパ球(lymphocyte) 6.0%
GOT(AST) 56[IU/L]高値、GPT(ALT) 14 [IU/L]標準値
2006-03-28(火) Hyper CVAD化学療法開始
午後からの化学療法(chemotherapy)開始にするにあたって、色々説明がナースからあった。先ず共同トイレの一角に自分専用の大きな容器が用 意されており、そこに丸一日分、毎回尿を全量別のカップに採っては溜めるという、蓄尿をしなければならないそうだ。これは尿がしっかり出ているかどうかな どを確かめる為で、出ていなければ利尿剤(diuretic)を処方する事になるという。これはすぐに大変面倒な作業である事が分かる。というのは点滴に 繋がれた状態で点滴バッグをつるしたキャスター付き点滴棒の支柱(イルリガートルIrrigator台という名前がついているみたいだ)を転がしながら病室を出、共同便所の棚に置いて あるカップを取ってトイレに行き、尿を採り、蓄尿容器置き場までキャスター付き点滴棒を転がして持って行き、尿を溜め、採尿カップを洗い、棚に戻す。しか も点滴が始まると非常に尿意が近くなり、何度も何度もこまめにトイレに行きたくなり、普段とは違って、待ったなしに尿が出てしまうので悠長にカップなど 取っている暇が無い程である。洋式トイレの場合は更に使用前後に使い捨て除菌ティッシュで便座を消毒する様に言われているし、抗癌剤を点滴しているので排尿後の手洗いは特にしっかりとする様に言われている。これには非常なストレスを覚える。
13 時過ぎから先生の化学療法・使用薬剤の副作用(side effect)等の説明後、抗癌剤(anti-tumor agent)の点滴治療が始まった。即ち、吐き気(nausea)止めの“カイトリル”の後、ステロイド(steroid)と抗癌剤のエンドキサンの点滴(1時間)と平行して、この抗癌剤 の解毒剤(antidote)にあたるウロミテキサンの24時間点滴が、作ったばかりのCVカテーテル(中心静脈カテーテル;central vein catheter)から体内に注入され始めた。どんな副作用が出るかは個人差がある為、分からなかった。また、右手首からようやく待ちに待った(?) 赤 血球(RBC:red blood cell)の輸血(blood transfusion)も始まった。
夕刻、長姉が私の幼馴染のY ちゃんを連れてきたので驚いた。長姉は常時京都にいられるわけではないので、ご近所のYちゃんに応援を頼んだ様だった。マスクをしたYちゃんは私の病気を 知らされて非常に驚いたらしく、点滴の管に繋がれている私に痛ましい光を瞳に浮かべつつ、会いに来てくれた。自由に動ける様(私の力になれる様)、家族に も話して協力を得たので、不便な事があったらいつでも何でも言ってみて、と言ってくれる。なんともありがたく涙が出た。 出来るだけ甘えない様にしようと心に誓った。
ところで、抗癌剤投与により、白血病細胞(leukemia cell)と共に白血球細胞(WBC;white blood cell)を殺すので免疫抵抗が無くなってしまうので、もうトイレ以外は感染予防の為なるべく病室を出ない様にといわれていたので、入院に必要そうなもの を地下の売店に姉とYちゃんの3人で探しに行った。お箸は持ってきていたが、使い捨ての割り箸の方が衛生管理上楽だと思われ、割り箸を大量購入した。お茶 等もティーバッグの他にペットボトル飲料もしんどい時に楽だと思われ、購入する事にした。上着は胸に点滴の管(CVカテーテル)を付けてしまったので、T シャツだと点滴をつなぐ時にルートの先を出しにくいので、前が全部ボタンの胸ポケット付のYシャツなどが便利だという事が分かった。歩行が困難になって以 降、履き易い靴下が無いと嘆いていた母に良さそうな、“楽にはける”と銘打った靴下を見つけたので、Yちゃんにことづけた。「病人が病人の気にして面白い ね」と言われてしまったが、こんな所に案外掘り出し物や探していた物があったのだと私は感心していた。
最後にYちゃんに院内にあるキャッシュコーナーへ車椅子を押して行ってもらい、5日間をかけて、気になっていた振込みを済ませた。これで少しだけだが精神的肩の荷が下りた。
今日も22時に消灯だったが、化学療法が始まった為、22時半、23時にも抗癌剤等の点滴をつなぎに先生が来られ、終わると外してもらうのにナースを呼 び、24時間点滴もある為、管に繋がれたままキャスター付点滴スタンドを押してトイレに行っては蓄尿をしなければならず、暑くて騒がしくて煩雑でよく眠れず。
【血液検査結果】WBC(白血球数)67,800 [/μl]、HGB(ヘモグロビン) 6.2 [g/dl]、PLT(血小板数)73,000 [/μl]、好中球(Neutrophil) 3%、芽球(Blast) 93.5%、CRP(炎症反応)0.3 [mg/dl]、LDH 418 [IU/l]、γ-GTP 230 [IU/l]